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第3章:新たな一日の始まりⅣ


 ライマットは講義室を見回し、候補生の様子を伺う。



「そうそう、この機体はおそらく皆さんが始めに乗ることになる戦闘機で、正式名称はKW-AS804Cです。

戦闘機にはランクがあります。階級ごとに乗れる機体のランクが決まっていて、一番低いランクからC級、B級、A級、S級、SS級となっています。この機体は、C級ですが第五期、最終形で現役時代はA級でした。おっと、第五期というのは。第五次共帝戦争時のことを表し、最終形というのはその中でも文字通り最後に設計されたことを表しています。

因みに、KW-AS804Cは、クロス・ウイング社製です。クロス・ウイング社は、低コスト、ハイパフォーマンスである機体を作り上げる企業です。生還率も高いですよ」



 ライマットが続けて話そうとすると、ルミリオンがわざとらしく咳払いした。



「おっと。私としたことが、余談はこれくらいにしときましょう」



 ライマットが、スクリーンの機体の後ろの方に触れると映像が変わり筒状の物体が映る。



「これが、エンジンです。このエンジンの仕組みは、エンジンブレードと呼ばれる羽を数枚、放射線上に取り付けます。それを数個、軸に固定します。すると、タービンのような形になります。そして、その軸を高速回転させます。そうすることで、エネルギーを生み出すのです。 

エンジンブレードは、特殊鉱石グリネシンを用いて作られます。稼動中は大量の熱が生じます。グリネシンは熱には強いのですが、温度が高くなると、効率が悪くなってしまいます。そのため、大量の冷却水が必要です。また、グリネシンは強度が低く、長く使い続けると金属疲労を生じるため注意が必要です。エンジンはメーカーによって、エンジンブレードの形状や大きさ、総枚数が異なります。つまり、個々に適したエンジンが作れるということです」



 ライマットは、映像を戦闘機に一度戻し、今度は緩やかなカーブを描く先端部に触れる。すると、カプセルを少し傾けたような物体が現れた。



「これがコックピットとなります。通称アエネアスです。本名は精神同化コントロールシステムです。コックピットには、スクリーンも操縦桿もありません。全て、頭の中に直接映し出され、頭の中で操縦するのです。

このシステムの確立によって、より早く操縦することができるようになりました。もちろん、すぐにこのシステムを使いこなすことはできません。完璧に操れるには、3、4年かかるでしょう。一様、アエネアスが壊れたときでも操縦できるように、操縦桿やスクリーンが設けらた機体もありますが、殆どがアエネアスのみです。

まあ、今の人達は身近なものとして、すでに使っているのですぐに慣れると思いますがね」

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