第3章:新たな一日の始まりⅡ
ゼロが思っていたよりも早く席は埋まり、候補生たちは話しを止め、前に注目し始めた。
前にいる教官たちの中から一人の女性が一歩前に出る。
「候補生のみな、おはよう。私は、今日から君たちを指導するルミリオンだ。それでは今日の抗議を始める。」
候補生たちは、端末を取り出し、講義内容を記録していく。
「スクリーンに注目しなさい」
机にあるスクリーンに飛行機らしき物体が写し出される。
「今日は、大まかなことしか話さないから、別に記録する必要はない。では、ます始めに戦闘機の役割について話すとしよう。戦争のおいて、最も重要となるものは戦闘艦だ。
戦闘艦には、大型のエネルギー砲や大出力のエネルギーシールドが装備されている。だが、敵艦も同じくエネルギーシールドを持ち、戦闘艦のエネルギー砲をもってしても破壊することはできない。
そこで、戦闘機の出番だ。戦闘機でエネルギーシールドの力が及ばない距離まで近づきエネルギーシールド発生装置を破壊しシールドを無力化。そして味方の戦闘艦近づく敵戦闘機を迎撃。
これらが、戦闘機の仕事であり、任務でもある。次に戦闘機について。戦闘機は三種類に分けることができる。一つ目は宇宙戦専用のもの、二つ目は水中戦専用、三つ目は宇宙、水中、空中での戦闘が可能なものだ。で、早速だが今ここでどの種類にするか決めてもらう。質問がある者は挙手せよ。」
ルミリオンは候補生たちを見つめ誰も質問がないことを確認する。
「よし。それでは休憩時間を与える。その時間内で決めておくように。以上休憩に入れ」
教官たちが退室した後、ちらほらと部屋を出て行くものが現れ、シェイルとユミルも部屋を出ていき、ゼロとディオネは残ることにした。
二人は会話も交わさずにいたが、ディオネがゼロの隣に移動してきた。
「えー。ゼロだったけ?」
ゼロは目を合わせずに話す。
「ああ、そうだが」
「なあ。ルミリオン教官ってスタイル良いよな。見たかあの胸?」
ゼロはつまらない、と言わんばかりにそっぽを向く。
「あれま。興味を持つ話題と思ったんだが。シェイルさんも胸デカイし……」
ゼロは立ち上がりディオネを睨み付ける。
「何が言いたい」
「いや~。その~」
さらに鋭い目でディオネを威嚇する。
「お前さんと、話がしたかっただけで、別に悪い意味で言ったわけじゃない」
依然として睨み付けていたゼロだったが、何故俺は怒っているのかという疑問が生まれるとすぐに謝った。
「すまない。怒鳴って悪かった」
ディオネは少し困惑しているゼロの肩に手を乗せる。
「それだけシェイルさんのことが好きだということだ。よし、あらためて、ご挨拶としよう。ラグル・ディオネだ。よろしく」
ゼロはディオネに顔を向け手を差し出す。
「ストラウド・ゼロ。こちらこそよろしく」
そしてディオネは、立ち上がったままのゼロと握手をした。握ってみるとディオネの手はゼロよりも大きくごつごつしていた。
手を離すとディオネは何かを思い出そうとしているのかストラウドと繰り返している。
「うん? ストラウド、……! もしかして、最優秀候補生か?」
ディオネが驚いた顔をする中、ゼロは頷く。
「こんなところで会えるとは。歴代一位の優秀さと聞いたぞ」
「そこまでは知らないが」
ゼロは音を立てずにゆっくりと座り、心を落ち着かせる。ディオネは、ゼロの怒りを買わないような話しを考えるが、下手に話し掛けるのはまずいと思い、結局黙ることにした。