21 リリカに聞いてみよう
その日は魔法学の授業があった。私は成功こそ出来なかったものの、全く魔法を暴発させることなく授業を終えることができたのだった。
昨日のリリカとの練習の効果があったってことなのか……。トトってば失礼にも「奇跡だー」とか「トリィのキャラが死んだー」なんて言っていたけれど……。
放課後になるにつれ、少しずつ私は冷静に、朝の話を受け入れていっていた。……こうして落ち着きを取り戻すと、なんだか――――。
……なんだか──。
――――――。
――――。
「リリカ、貴方は……――私の、絵なの?」
「元は、そうですわ」
――落ち着いたら、なんだか急にとてもリリカのことが気になった。カルト君が私の家は安全にしてあると言ってはいたものの、ちょっと心配だったと云うのがまずひとつ。あと、色々と聞きたいことがでてきてしまったから。
それで部活も休んで真っ直ぐにカルト君と家に帰ったわけだけど……。
……意外にもリリカはあっさりと答える。……ちなみにパパにはまたお風呂掃除をしてもらっているから三十分はリビングには来ないだろう。
「ようやく思いだして下さいましたか」
「思いだしたって言うかね……」
わかったに近い、んだけど。
だけど、そんな事より私はどうしてもリリカに聞きたいことがあった。
「貴方が私の絵だったのはわかったわ。けど、どうして貴方はカルト君のことが好きなの?
……だってその時はまだ……っ」
――普通の絵だったんでしょう?とは言いづらく、私はそこで言葉を止める。
だけど、そう。それだけがどうしても納得がいかなかった。もしかして私が覚えていないだけでリリカは前にも実体化し、現れたことがあったのだろうか?
「……」
リリカは暫く考えこんだ後、
「あの時は浮かび上がる事は出来なくとも、もう意識がありましたの。それで……」
ポツリポツリと、過去を語り始めた――。
*
貴方が私を描いていた時と、カルト様が遊びにきて下さっていた時期は重なっていました。
カルト様はあらゆる絵を褒めて下さってそれで――。
「ぼくはこの絵が一番好きかな」
……その瞬間、私の自我や意識がはっきりと現れたのを覚えています。多分、私に命が宿った瞬間なのです。――ですから私に親というものがあるならそれは間違いなくカルト様です。……もちろん血縁ではないので、妻になることにも抵抗はありません、あしからず。
――また、ある日の事です。
「わ! 地震だー! カルト君、絵が落ち――あぁ! 落っこちてるー!! 」
「……っく、落ちるまえに、拾う! 」
「いやー! カルト君絵に潰されてるよー! 」
……地震で私が危機に陥った時、カルト様は身を呈して私の命を救って下さったのです。
その時からずっと、お慕い申しておりました。あぁもしもこの手足を動かすことができたら……、口をきくことができたら……。
この窮屈な額縁から出ることができたなら……。
毎日のように……、それから私もカルト様をずっと待っていたのです。
――そうして先日の事でいてもたってもいられなくなって、……気が付いたらこのようなことになっていたのですわ。
すっごい久しぶりの投稿になりました…。




