37 海が見えたぞー!
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スキルの使い方を取得した御園姉弟はその後群行に遅れる事なく進めるようになった。
そして、船を降りてから8日目いつ辿り着くとも解らない行程に全員が精神的に疲弊して来た日の朝だった。
東の空から昇る朝日をみていた奈留さんが声をあげた。
「ねぇ、あれ海じゃない?」
木々の隙間から地平の先にキラキラ光るものを見つけたようだ。
「どれ? 木が邪魔で見えねぇな。『真空烈刃!』」
昴さんがスパンッと木々を斬り倒す。
「『鷹の目』」
開けた視界に奈留さんがスキルを発動して確認した。
「りり! 地図どうなってる!? あれ海だよ!」
木々を斬り倒して視界を確保してもギリギリ線のようにしかわたしには見えない。
「『広域地図展開』・・・前方距離180km海を確認しました!」
りりさんの宣言にワッと歓声が湧く。
そうだよね、やっと目的地に近づいたんだもんホッとしたのと新天地への期待が高まるもん。
喜び勇んですぐにでもそれこそ崖を飛び降りかねない勢いで突っ走って行きそうなお兄ちゃんS‛をなんとか手綱を引き絞り、どうせなら眼下に広がる土地の全景を見ようと高い所まで登ることとなった。
「海が見えるね~」
標高が上がったら海がはっきり見えた。水平線である。
「あの大きな川の辺りがいいんじゃないか?」
左手側に大きな川が水色の帯のように流れている。
「そうだな、森もあるようだし。平地もかなりの広さがあるぞ」
川の右側は広い平野で青々とした大地が広がっている。
「海からちょっと遠くないか?」
「あまり近いと塩害が気になるぞ」
「それに今の俺達の足ならさほど距離は気になんないじゃないか?」
「それもそうだな」
親世代の男性陣も年甲斐もなくワクワク感を止められないようだ。┐(´∀`)┌
「目的地に着いたっていってもホテルに荷物を下ろしてゆっくり出来るわけでもないのにお父さん達ったらどうしてあんなに盛り上げれるのかしらねぇ?」
「あの辺で騒いでる子供達と変わんないわよねぇ(笑)」
等と女性陣に言われているのもまったく耳に入っていないようだ。
「はーい! そろそろ気が済みましたか移動しますよー!」
三花姐さんの一声でビシッと隊列を整えて移動を開始する。夜までに山を降りて平地に出られるとイイね。
それにしても三花姐さんの統制スキルは良く効くもんだ。




