積雪
外では雪が静かに積もるなか、彼が煙草を私に押し付けてきていた。
それを私が暴れて避けても彼には嫌われないことを知っている。
さらにはそれが彼も悲しくて、そして歪んだら愛情なことも知っている。
涙が滲み、彼の持った煙草を蹴り飛ばし自分の腿をかすったところで事態は収集した。
彼の気持ちはより一層悲しくなり、私の傷口に軟膏を塗ったところでピークに達していた。
可哀想な、その彼の、歪んだ訳のわかってないような顔にやるせなさを感じていた。
もう疲れきって優しく抱きついてくるだけ。このあとに暴力を振るうことはもう無い。
本当に可愛くて、可哀想なこの人は
初めは無理矢理強制して暴力を止めさせようとしたが、
喫煙と一緒でいきなり止めることなど無理なことに気づき、ゆっくりやめさせることにした。
彼にゆっくり、ゆっくりと更正のようなことをさせている時が一番好きだ。
この人が可愛いところも好きではあるが、生きてる実感や、活力は前者から沸いてきていた。
毎日少しずつ変化していて、段々理想的な人に近いていることを感じることも興味深かった。
本当は暴力なんてふりたくないと思うし、私がやらせてる。
悲しいことに、彼は溜め込むことでしか日頃のストレスや鬱憤などを処理することが出来なかったのだ。このままでは彼がもちそうでない。
そこで、私が手っ取り早く、暴力という手段を与えてあげた。
更には他のものも段々に与えて、そちらに移行させている。
今日も抱きしめる彼は温かく、先程の煙草の温度など忘れてしまった。
いつになるかわからない、その更正に想いを馳せながら、
今の温かさを噛み締めた。




