表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神様からチートを貰ったけど俺yoeee!!  作者: ゆきうさぎ
第1章~転生してチートもらった……はずだったのに
9/58

第九話~VSゴブリンキング~


 僕が叫ぼうとした瞬間、ぴょん吉も跳んだ。

 何本かの毛がはらはらと舞う。


 開けた場所に出てきたためそいつの姿が明らかになる。

 見た目は普通のゴブリンだ。ただ、さっきの奴らよりも体が大きい。

 さらには装備が違う。

 さっきまでの奴らが木の武器を使っていたのに対して金属の武器。

 雑に作られた毛皮の服に対してきちんと仕立てられ実用的になっている防具とも呼べるもの。素材もランクが上がっているようだ。


 ゴブリンアサシン lv9

 hp1060  mp1060

 sp340

 atk178  def106

 int106  min106

 dex106  agi308


 ただのゴブリンじゃないのか!?ゴブリンの上位種ということか。

 それにしてもagiでぴょん吉を上回るとは。


 ぴょん吉はアサシンと向き合っている。

 確かに、自分より速く動ける相手に対してこちらから仕掛けるのは悪手だ。

 妥当な判断だと言える。



 ・・・相手が一匹だったのなら。



 ぴょん吉の周りから突然気配が現れる。ぴょん吉めがけて矢が何本も飛んでいく。

 さすがに避けきれず嵐脚を使って迎撃している。

 オリジナルスキルも再び発動済みだ。



 そこにいたのは50匹くらいのゴブリンの集団。

 さっきよりも数は減ったが・・・それぞれの力がさっきとは段違いだ。


 さっきの百匹は高くてもレベル15、低ければ5くらいの奴もいた。

 今度は最低でもレベル15、そして四十匹近い上位種、さらにはゴブリンキングまでいる。


 ゴブリン lv17

 hp1220  mp1220

 sp1220

 atk122  def122

 int122  min122

 dex162  agi141


 ゴブリンソードマン lv12

 hp1660  mp1440

 sp1900

 atk319  def144

 int144  min144

 dex144  agi249


 ゴブリンシールド lv6

 hp1760  mp840

 sp1060

 atk145  def200

 int106  min150

 dex106  agi106


 ゴブリンアーチャー lv7

 hp1260  mp1260

 sp1260

 atk171  def112

 int112  min112

 dex194  agi165


 ゴブリンメイジ lv11

 hp1580  mp2020

 sp1140

 atk136  def136

 int433  min169

 dex136  agi136


 ゴブリンヒーラー lv10

 hp1700  mp1700

 sp900

 atk130  def130

 int313  min222

 dex130  agi130


 ゴブリンナイト lv8

 hp1660  mp1660

 sp1660

 atk226  def198

 int166  min166

 dex166  agi186


 ゴブリンジェネラル lv13

 hp2780  mp2780

 sp2780

 atk368  def318

 int278  min278

 dex278  agi302


 ゴブリンキング lv8

 hp3570  mp3570

 sp3570

 atk447  def369

 int447  min369

 dex357  agi390


 強っ。素の状態のぴょん吉のステータスに匹敵するのが何人も。キングに至っては、オリジナルスキルを使ってさえ勝てるかどうかあやしいところ、といったところか。


〈相手の数はゴブリン×10、ソードマン×3、アーチャー×3、メイジ×4、ファイター×2、シールド×2、ヒーラー×1、アサシン×1、ナイト×16、ジェネラル×4、キング×1、です。〉


 セカさん、細かい報告ありがとう。とはいえ、分かったことと言えば僕では本格的にどうしようもないってことくらいか。


 ぴょん吉はまだ動かない。いや、動けない。

 ここで何も考えずに動けばすぐに死ぬ。


 ここは逃げるべき場面だ。

 実力にそこまでの差がない相手50匹に加えて百匹との戦闘の疲れは取れてはいない。


 くそっ。本来、ぴょん吉だけなら逃げられるのに。

 ひょっとしたら子うさぎちゃんを背負ってさえ、逃げきれるだろう。

 正面から戦わなければユニークスキル使用時のぴょん吉なら逃げるくらいはできる。それをしないのは僕のせいだ。


 僕というお荷物があるがゆえにぴょん吉はその行動をとれない。


 くそう。

 僕にもこんな状況で使えるオリジナルスキルがあれば・・・。


「ゴガアアアア!!」

 キングが吠えた。

 それと同時に他のゴブリン達も動きだす。


 いくつかの矢と魔法が飛び交う。

 半分はぴょん吉へ、もう半分は僕の方へ。


 ぴょん吉の体が強張る。そして、自分の方に来ていない攻撃まで迎撃している。


 こいつら、僕らを人質にしてやがる!


 その攻撃を見ていた僕にはそれが当たらないことが分かった。


 そして、なんでそんなことをするのかも。


 さっきからぴょん吉は防戦一方だ。

 2方向からの遠距離攻撃。遠距離攻撃に対してぴょん吉は常に気を配らなきゃいけない。ゆえに、僕らの前を離れるわけにもいかない。


 だから、ぴょん吉は遠距離攻撃という選択肢しかなくなる。

 いかに、ステータスで勝っていようとこれではジリ貧だ。加えてぴょん吉の嵐脚もシールドやソードマンによって弾かれダメージを与えることができない。


 詰んでる。そう思っても仕方ない状況だ。

 ここまでの作戦を考えてるなんて。


 あれ?ならなぜ子うさぎちゃんを優先的に狙わない?

 ゴブリン達にはこの光が見えていないのか?



 とりあえず、回復したmpを使って蛍火をうつ。


 ゴブリンは気にもとめずに戦いに集中している。

 予想していた結果ではあるけどさすがにショックだ。


 無力感に打ちのめされそうになっていたとき、適当にうった一発が何もないところで消えた。

 なんだ?


 ゴブリンシャーマン(隠密発動中)



 なんだと?まさか、伏兵まで用意していたのか?

 まずい、均衡状態にある今、一瞬で戦力差が傾くことになるーーー。



 ドウシタイ?



 僕の中の何かが問いかける。

 そんなの決まってるだろ。今、できることをやる。

 例えそのせいで僕がどうなったとしても!


 子うさぎちゃんを毛皮でくるむ。


 シャーマンは何かを放とうとしてる。

 それを見てからじゃあ間に合わない。

 たぶん、途中で矢か魔法に当たるだろう。

 でも、ぴょん吉ならそれで気づいてくれるはずだ。

 それに失敗してもあいつらが子うさぎちゃんに気づいてないならぴょん吉は自由に動けるようになる。

 問題、ないっ!




 子うさぎちゃんを地面に置いて僕はシャーマンのいる方へと走り出す。



 僕が急に移動したことでスキルの応酬が止まる。

 ゴブリン達は人質がいなくなることを恐れて簡単には手をだせない。

 だが、僕の目的に気づいたのか完全にこっちを狙ってくる。

 魔法は構築に時間がかかりすぐには撃てない。

 だから、警戒するのは矢だけだ。


 ゴブリン達を混乱させて得られた時間はほんの数秒、キングが何かを吠えてゴブリンが動き始めるまで、また、数秒。

 人間のころだったらすでに走り終えてるのに、と思う。そして、このままではたどり着けない、とも。


 そこまで考えたところで矢が飛んでくる。

 僕はそれを回避・・しようとする。


 それを、待ってた!

 動く物体に飛び道具を当てるとき、その動きを予測して撃つ必要がある。

 この世界にはスキルがあるため多少はばらつかせるだろうが、いきなり早さが二倍になんてなったら当てられない。


 僕は『虫の知らせ』で矢が放たれる直前に矢が飛んでくる、ということを認識した。

 そうして、『ひらひら』が発動する。

 今は、スキルレベルが3。すなわち、回避行動の時のみ、スキルレベル×3である9が加算される。

 そうして、飛んでくる矢を回避する。


 ゴブリン達から動揺が生じる。そりゃあそうだ。

 対象が急に速くなって(それでもものすごい遅いが)矢が外され、魔法を撃つまでにはもう少し時間がいる。

 だから、シャーマンのところまでたどり着くことができる。


 シャーマンは準備していた魔法を僕へと撃った。これは避けれない。

 僕はその魔法に当たったがダメージはこない。そのかわり体が重い。デバフをかけるつもりだったのだろう。


 数秒がすぎ、魔法が飛んでくる。これももう、避けることなんてできない。



 でも、役割は果たした。これでぴょん吉へと不意打ちはつぶしたしーーー僕のせいでかき回したこの状況なら、ぴょん吉は逃げることくらいできるだろう。


 目をとじて、衝撃に備える。


















 ?いつまで待っても何も来ない。


 目を開けるとそこには、ぴょん吉がいた。


 どうやら、ぴょん吉に守ってもらったらしい。

 どうして・・・


 そこで僕は気づいた。子うさぎちゃんとぴょん吉をつないでいた、あの光の軌跡が僕とぴょん吉の間にも生じてるってことに。



「きゅい!」

 ぴょん吉が地面を蹴った。それはさっきよりも速く力強かった。

 すでにシャーマンは殺されていた。

 目をつむってたのはほんの数秒だろうに。


 キングの号令のもと、ゴブリン達は一斉に矢と魔法を放った。でも、当たらない。なんのスキルも無く、ぴょん吉によって迎撃されている。


 子うさぎちゃんの方に行ったのもあったのに。



 これから始まるのは一方的な殲滅だろう。そう感じさせるのに足る力だったし、実際ソードマンの剣をへし折り、シールドの盾を切り飛ばし、メイジの魔法を蹴り砕いていた。


 キングが吠え、地面を揺らす。

 だれかが土魔法でも使ったのか砂埃が舞う。



 時間にして、一分くらいたったころ、砂埃ははれた。




 そこには、片耳を失い、足をつかまれぶらさげられてるぴょん吉と、

 傷は負っているものの、ぴょん吉をつかみ五体満足で全身から光を発しているキングがいた。



 僕とぴょん吉をつないでいた光が失われていくのを感じた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
DREAM WORLD~2つの世界が交差するとき~
新作です。ほのぼの系VRものです。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ