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神様からチートを貰ったけど俺yoeee!!  作者: ゆきうさぎ
第1章~転生してチートもらった……はずだったのに
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第七話~オリジナルスキル~

 だんだんと異世界にもかかわらずなれ、こうしてのんびり生活していくのもいいな、と思い始めていたある日のこと。


 その日は何かがおかしい、という予感があった。

 おそらく「虫の知らせ」によるものだと思うんだけどいつものと違って危険だ!と感じない。

 むしろ行くべきだ!と後押しされている感覚。


 ぴょん吉も何かを感じているようで、朝から落ち着きがない。


 結局、その日は二人ともどこにも行かないという珍しい日になった。


 夕方、だんだんと心に働きかける力が強くなってる。ぴょん吉も子うさぎちゃんのことがなければ行きたそうにソワソワしている。

 不意に、子うさぎちゃんが動きだした。

 何かにとりつかれたように、外に出ようとする。

 放っておく、という選択肢はないが、この怪しい誘いに乗るというのも勇気がいる。



 結局、僕とぴょん吉と子うさぎちゃんで初めての3人でのお出かけとなった。

 子うさぎちゃんは僕の腕の中にいる。

 体は少し大きくなったけど、まだlv1のままだ。

 不思議なことにまるで成長する様子が無いのだ。

 さらに、衰弱もとれない。

 鑑定のレベルが上がり、defまでなら見えるようになったが2つとも最低値、つまり1だった。

 子うさぎちゃん以外で1なんていもむしでくらいしか見たことない。

 ぴょん吉はatk210 def70だった。人間の成人時のatkの二倍とか・・・。


 時折、ちょっと強そうな魔物が出てくるけど、ぴょん吉が一蹴している。そいつらのレベルは15ちょっと、atkなんかも100には届いていない。


 あれ?この島って平均が低いの?その中でも最低辺な僕って・・・という気分になったりもした。



 そうして三時間ほど進んだ。

 周りは暗いはずなのになぜか明るく感じられる。

 途中何匹かの魔物に抜かされた。引きつけられてるのは僕らだけじゃないみたいだ。


 そこで僕らは、幻想的な光景を見た。


 空に月のない新月の夜、その中でどうやってかぼんやりとした虹色の光を放ち、ふわふわと浮いているシャボン玉。


 それが何千何万と空へと上っていく。


 そこには多くの魔物がいた。それらはその光景を目にし、静かにたたずんでいる。まるで愛しい者の旅立ちを見送るように。



 いくつかのシャボン玉が周りの魔物に近づいていく。

 あるものは体長5メートルを越す岩のような翼を持つ鷹へと、

 あるものは銀色の毛並みと立派な牙を持つ狼へと、

 あるものは牛の頭を持つ巨大な亀へと、

 あるものは茶色い毛と長い耳を持つうさぎ、そして白い体に赤い目をした子うさぎの親子へと、

 そして、最後の1つが地面から湧き出ると人間の形をした人ならざる者へと。


 それらはそれぞれに手を伸ばし、パチンッとはじけた。


 シャボン玉がパチンッと音をたててはじけた。


     ピコンッ 

【オリジナルスキル「***」を獲得しました。】


 ???

 文字化けしてる?

 それにスキル奪取が発動したって感覚じゃない。

 あのシャボン玉が原因か?

 鑑定してみよう。


 ピコンッ 

【鑑定のレベルがあがりました。】

 ピコンッ 

【鑑定のレベルがあがりました。】

 ・

 ・

 ・


 なんだコレ!?

 頭の中にワケわかんないもんが流れ込んでくる!


 ***

 **** ****

 ***********

 *** ** *****


 何コレ。鑑定不能ってこと?


〈マスター、大丈夫ですか?〉

 うん、大丈夫。

〈報告なんですが、得たスキルについてはよくわからない、としか言いようがありません。一番近いのはスキルとして定着していない、という感じです。〉


 いくつもあったシャボン玉がいつの間にか消えている。それに伴って魔物達も帰っていくようだ。

 多くはあの三匹の方を見ているが、こっちをチラチラ見てくる奴もいる。

 ああ、続けて。


〈はい、鑑定の結果です。私はこれに近い感覚を知っています・・・。『世界の理』とやらを解析したときと同じ。つまりは、〉

 神域とかいうやつと同じものってことか。

〈その可能性が高いです。あどステータスを見て下さい。〉


 ほいほいっと。


 ショータ アカサキ lv12

 種族スキル 不明 木のふり 虫の知らせ

       蝶鱗粉

 ユニークスキル

  ***(オリジナルスキル)

  スキル奪取lv2

  セカさんlv4

  ▽世界知識lv12

    鑑定lv47

    糸作りlv3

    吸蜜lv4

    麻痺毒lv2

 有効スキル(4/5)

  蛍火lv2

  跳躍lv1

  ひらひらlv3

  走行lv1


 ユニークスキルって枠が増えたね。それにオリジナルスキルとかいうやつも。

〈世界知識の方にも『ユニークスキル』という項が追加されました。どうやらその人のみが持つという意味でのユニークスキルらしいのです。取得条件などは一切が不明のままです。〉

 それだけ?

〈それだけです。推測がつくのはあのシャボン玉ですが。そうなるとかなりのユニーク、いやオリジナル持ちが増えることになります。〉


 ユニークとオリジナルって違うの?


〈今まではユニークモンスターが持っていた独特なスキルをユニークスキルと言っていたらしいです。

 オリジナルスキルもそれと同じだけども少し違う・・・。

 ・・・すみません。うまく説明できないです。〉


 えーと、神様がくれたのもユニーク扱いなんだよね。


〈そうですね。転生者という100人のチートがいるところにこの仕打ち。

 神様は転生者が無双するのがいやなんですかね。〉


 それとも誰かが取り返しのつかないことをしちゃってそれを止めるためとか?


〈まあ、当分は関係ない無いですかね。この島で得たのはマスターと他の五匹だけみたいですし。〉


 そういえばぴょん吉と子うさぎちゃんももらったのか。


「おい、人間。それとそこのうさぎ共。」

 えっ!?誰!?


 そこにはうしがめがいた。

 しゃ、しゃべったーーー!!!


 「どうした?言葉が通じるのがそこまで不思議か?珍しいことではないぞ。百年も生きれていれば自然と身につくものだ。」


 銀色の狼とでっかい鷹も近づいてきた。


 狼が亀に向かってなんか言ってる。言葉は分からないけど「そんなことできるのはあんただけだ。」って言ってると思う。

 僕もそう思う。

 百年生きても亀の話す言葉なんて普通は理解できないでしょ。


「まあ、よい。このたびは『心』の力を得たようで何より。 

 人とうさぎの番とは珍しいがそれだけの『心』を持っているということよ。

 この島の守護者としてはお前たちのように良き者たちに渡ったようで一安心だ。」

「待って下さい。あなたはこの力が何か知ってるんですか?」

「知らん。」


 知らんのかい!なんで知ったかぶるんだよ!


「ただお爺さまよりこの地はかつて『心』の神殿があったと聞いておるだけよ。時が来るまでそれを見守れ、ともな。」


 神殿?あれと(仮)じゃないタイプの神殿があったの?

「だからお前がここに来たときは年甲斐もなく興奮してしまった。思わずあの2人を連れて見に行ってしまったくらいだ。」


 悪い奴では無さそうで放置する事になったけどな、

というと、亀ーーうしがめは僕らが来た方向とは反対方向へと歩いて行った。

 残りの二匹はいつの間にかいなくなっている。


「ああ、2つ、いや3つアドバイスしておこう。」

 なんだ?

「まずひとつ、人の力を覗き見るのはマナー違反だ。ものによってはそれだけで争う原因となる。」


 鑑定に気づいたの!?


「次にその子供を大事にするんだぞ。そこまでの忌み子とは珍しいが選ばれるだけの力はあるのだろう。」

 子うさぎちゃんのことか。そんなの言われるまでもない。


「おや、不要だったようだな。最後だが、身の回りには気をつけろよ。お前らはまだ発展途上だ。早く自分の力をものにする事だな。」



 そういってうしがめは去っていった。

 いつの間にか周りにいるのは僕たちだけだ。しんとした森の中、虫の声さえ聞こえない。


「とりあえず、帰ろうか。」

 僕とぴょん吉と子うさぎちゃんは洞窟へと帰った。


 と、簡単に言えれば良かったんだけど。


〈台無しじゃないですか、マスター。〉


 いやさぁ、三時間だよ?無理だって!

 行きはなんか疲れなかったけど三時間って普通は夜歩く距離じゃないから!


〈そんなことより、どう思います?〉

 それはどういう意味?新しく手に入ったスキルのこと?子うさぎちゃんのこと?最後に言ってた意味深な忠告のこと?

〈全部です。〉

 いやでもさぁ、逆らうわけにはいかないよね。


 シルバーウルフ lv25

 hp4250  mp1750

 sp4250

 atk850  def400

 int275  min300

 dex275


 トムホーク lv23

 hp4800  mp3300

 sp2400

 atk413  def363

 int683  min401

 dex240


 うしがめ lv28

 hp8100  mp810

 sp5360

 atk240  def992

 int240  min620

 dex159


 あのシャボン玉のおかげで鑑定のレベルが思いっきり上がってagi以外は見えるようになった。


 ただ……

 どう見ても桁違いだ。ぴょん吉ですら足下にも及ばない。


 というかレベルの割におかしくない?レベルだけだったらぴょん吉の方が高いよ?

 こいつらの初期値はどうなってんだ!


〈おそらくは進化個体だと考えられます。lv50で進化して、lv1まで戻ったのでしょう。実質あれのレベルは70近くあることになります。

 進化時にステータスが半分になることを考えればそこまで単純ではありませんが。〉


 はっはっは。なにそれ。

 この世界の強者ってことだよね。なんでこんなとこにいるの。笑っちまうぜ。


〈・・・。さらに言うと人間の間ではあのレベルは中級冒険者ーーーlv40から60までのフルパーティーで倒せるレベルとされています。〉


 ・・・もうやだ。なにこの世界。

 このセリフも言うの何回目かな……。


〈でも、人間でさえlv100まで持って行けばステータスはALL500ですよ。atkに極振りすれば800まで行くんですよ。〉


 問題は僕が何してもALL10から動かないことだと思います。

 スキル上乗せしても届く気がしない。


〈そんなマスターに朗報がありますよ。〉

 なに?ひょっとしてステータス上がった?


〈『スキル奪取』のレベルがあがってスキルの熟練度の十分の一を奪えるようになりました!これでスキルレベル10とかから奪えば最初からスキルレベルが3とか4スタートになりますよ!〉


 ふむ、一見朗報に聞こえる。

 だが、考えてほしい。スキルレベル10とか倒すのにどんだけ苦労するんだよ!と。


 要するに「使えんなぁ」ということだよ!







 そんなこんなで洞窟まで帰ってきた。

 僕とぴょん吉は何も言わず眠りについた。結局徹夜だったんだよ。朝日が眩しい。

 腕の中でスヤスヤ寝てる子うさぎちゃんがちょっと恨めしくなってしまった。




 目が覚めたらもうお昼過ぎだった。

 珍しく僕の方がぴょん吉よりも早く起きた。


 ぴょん吉も寝顔はなかなか可愛いな、と。

 これですぐ蹴ってくるところがなければいいんだけどね。


 今日はどうしようかなーと思って洞窟から出た。

 昨日は使えないと思ったけど、スキルの熟練度が多く貰えるようになったのは嬉しいかもしれない。

 十分の一にするってことは10匹殺せば1匹分のが手に入るってことだし♪

 罠の量をふやそうかな。鑑定にspをまわす量は減らしてもいいだろうし。

 そこらへんの魔物のステータスが見えるようになったのも嬉しいね。シャボン玉様々だよ。



 さっそく鑑定してみた。


 リトルパラライズバタフライ lv1

 hp30  mp40

 sp10

 atk2  def1

 int3  min2

 dex4


 キャタピラー lv1

 hp20  mp10

 sp10

 atk1  def1

 int1  min1

 dex1


 予想以上に弱っ!

 最低辺が僕じゃないってのは気が楽になるね♪


 ・・・芋虫とかと比べるのはどうかと思うけど。


 そうして分かったこと。

 芋虫なんかは簡単に勝てる。たぶんlv7くらいまでなら余裕だ。

 蝶も勝てると思ったんだけど捕まえられなかった。

 たぶん『ひらひら』が関係してるんだと思う。


 そうやって、蝶を追いかけてたら麻痺毒をくらった。けど、くらわなかった。

 いやさ、蝶の鱗粉をバサッと浴びて、あれヤバくね?って思ったんだけど麻痺にはならなかったんだ。

 麻痺になってると思い込んで近寄って来たところを捕獲してやった。


 理由は簡単だった。僕はこいつらの種族スキルである蝶鱗粉をすでにもっている。

 だからこいつらの毒に対して抗体を持ってるんじゃないか、ということらしい。

 毒とかその魔物自身に影響のない種族スキルは同じ種族スキルを持ってることで対抗できるのではないか、とセカさんが言ってた。


 ちなみに吸蜜を奪った。一気に2つレベルが上がった。

 セカさんごめん。十分の一は大きかったよ。



 うしがめからの助言もあったことだし子うさぎちゃん用に蜜を持って帰ってあげよう。



 洞窟に帰るとぴょん吉に蹴られた。

 なんか怒ってるようだ。

 はて?なにかしたかな?

 とりあえず食材(草)を差し出してみる。


 うん、あっさり機嫌が直った。

 食い意地はってるね~


 子うさぎちゃんも食べてくれてる。なごむわ~


 食事が終わった頃を見計らって蜜をだしてみた。

 子うさぎちゃんも甘い物は好きだったようでペロペロなめている。かわいい。


 突然、頭にモフモフがとんできた。

 珍しい。普段は「したっぱが近づくんじゃねぇ」ってかんじで距離をとられたり、目があってもフンッて逸らされたりするのに。


 ぴょん吉も甘い物好きなのかね?ヤクザな親分がケーキ食べてるみたいな違和感がある。



 蜜をなめ終わったぴょん吉が僕の膝の上に飛び乗ってきた。

 !?

 ぴょん吉が甘えてきた、だと?

 こんなこと初めてだ。


 てっきりぴょん吉には嫌われてると思ったのに。

 じーと見つめてくる。


 あれ?甘えてるって感情じゃない?

 まさか、隠し持ってる蜜を見破られた!?

 ぴょん吉なら簡単に気づけるのか?


 くっ、しかし僕にも男の意地がある。

 簡単に渡すわけにはいかない!


 じーと期待のこもっため目で見てくる。

 こんなものには負けない。


 じーーー

 じーーーーーー


 「どうぞ。」


 耐えきれなかったよ。シクシク。

 ああ~僕のおやつが~


 蜜を見たぴょん吉は、はあ、とため息をつくと、容器を返してきた。

 あれ?

 違うの?



 あ、でも目が容器を見たまんまだ。


 手をすーっと右に動かしてみる。ぴょん吉の目が右に揺れる。


 手を左に動かす。ぴょん吉の目が左に揺れる。


 ・・・なんだか今日のぴょん吉は無性にかわいいな。

 ふと、思いついた。

 手に蜜をつけて差し出してみる。


 一瞬、耳がピクッとした。

 食べようか食べまいか迷っているようだ。


 チラチラと僕の顔を見てくる。


「食べないなら貰っちゃおうかなー。」

 とあえて大きな声をだして大げさに手を口に近づけてみる。


 あせってる、あせってる。

 おもしろいなー。


 あ、やべ。


 ニヤニヤしながら見てるとぴょん吉が怒ってしまった。


 そうしてぴょん吉の蹴り一発で僕の意識は刈り取られた。

 ・・・意識だけ落とすとか何気にギリギリを見極めるのが上手くなっていらっしゃる。

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DREAM WORLD~2つの世界が交差するとき~
新作です。ほのぼの系VRものです。
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