第六話~共同生活~
おそるおそる鑑定してみる。
ラビ lv1 (衰弱)
hp10 mp10
sp10
あれ?僕より弱い?
僕の人生終わらない?
うさぎさんって強いのかと思ったけどぴょん吉が例外だったのか。
これなら殺してスキルを奪えるかも・・・
・・・。
・・・・・・。
「きゅ?」
無理だーーー!なにこの可愛い生き物!
僕の方見て首傾げてる!
おいで~おいで~。
怪しい人じゃないよ~。
ショバ代の為に採ってある草があるけど、食べるかい?
(きっと)おいしいよ~
・・・ヤバい。野生動物だから餌付けが有効かと思ったら何の警戒もせずこっちに来て草をモグモグしてる。
めっちゃちっちゃくて、手のひらに乗せれそうなくらい。
ぴょん吉とは違って真っ白だけどすごくかわいい。
lv1らしいし生まれたてなのかな?
餌付け効果は抜群だったらしく、なんの警戒心も抱かずに頭をすり寄せてくる。
かわいい。一生このままモフモフしてたい。
〈ところで、この子が生まれたてだとするなら、親がいることになりますね。〉
そうだね。モフモフ。
〈このあたりでラビってあまり見かけませんよね。〉
そうだね。ぴょん吉くらいしか見たこと無いね。モフモフ。
〈この子の親って、ぴょん吉じゃないんですか?〉
そうだね。モフモフ・・・ってええ!
イヤイヤまさか、そんなことあるわけ無いじゃないですか。やだなーもう。
〈どちらにせよ、親の留守中に家に入ってきて子供を手懐けているって、事案ですよね?〉
ふむふむ。地球で言うと、親が買い物から帰ってきたら見知らぬおっさんが家の中にいて幼女にお菓子をあげてるってかんじになるのか。
通報しますた。
〈捕まるのはあなたです。このロリコン。〉
なんで!?
〈なんでもなにも、このおっさんがそこの幼女に対してしたことと一緒じゃないですか。〉
ぐうの音もでねぇ!
そんな風にモフモフしながら、セカさんと言い合っていた。
すると、ガサガサッと音を立てて。
・・・ぴょん吉が帰ってきた。
ぴょん吉と目が合う。
あっ、今度こそ人生終わったわ。
ラビ lv33
hp990 mp330
sp990
勝てる気が起きない。だって親分だもん。
いや、でも全く知らないワケじゃないんだし助かる、かも?
あっはい。そんなこと無かった。すごい目でこっち見てる。
こうなったらやることは1つ!
D・O・G・E・Z・Aだっ☆
誠心誠意謝れば許してくれるはずっ。
子うさぎさんと何か話していらっしゃる。
あれですか、何か変なことしてないかの調査ですか。
大丈夫。僕の身は潔白だ。
うん?なんかこっちを「しかたないな~」的な目で見ている。
「ひょっとして、ここにいてもいいんですか?」
ぴょん吉は頷いた。って言葉分かるの?
ペシペシと僕の頬を耳で叩きながら子うさぎの方を見ている。
入り口にはいくつかの草が積んである。
弱った子うさぎちゃん、ぴょん吉の食欲、にもかかわらず食べずに家まで持って帰ってるってことは・・・
「子供に食事をさせたいから草を採って来いってこと?そうすればここにいてもいい、ってこと?」
ぴょん吉は大きく頷くと僕を外に向かって蹴り出した。
もう少しくらい丁寧でもいいんじゃないですか?
〈完全に尻にしかれたダメ亭主という構図ですね。〉
・・・違うと言えないのがつらい。
どっちかっていうとしたっぱから世話係に昇格したかんじかな?
そうだと信じたい。
親分の娘さんの面倒を見るって割と重要だと思う?
案外ぴょん吉の中で僕の評価は高いのかな?
〈実際は食料調達係ですけどね~。〉
こうして、ぴょん吉達との生活が始まった。
子うさぎちゃんは生まれつき体が弱いらしくまともに外に出れない。真っ白で可愛いんだけどね。
そういえばぴょん吉は茶色っぽいのに子うさぎちゃんは真っ白だ。
本当の親子じゃないのかと疑ったときもあったけど、ぴょん吉の目は子うさぎちゃんを見るときはとても優しくなって、そんなのは関係ないと思えた。
子うさぎちゃんは(なぜか)ぼくにすごいなついてて、寝るときとか服に潜り込んでくることもあった。
そういったとき、ぴょん吉は僕を睨んできてて、お父さんって怖いと思うことがしばしば。
ちなみに、子うさぎちゃんに名前をつけようとしたら思いっきり蹴られた。hpが三割くらいになった。
まだ、信用を得るには早かったようだ。
所詮世話係は世話係ということだろう。
ちなみに、戦闘力が低いというのもあっという間にばれ、ぴょん吉はしぶしぶといった感じて狩りに行っている。
一部は持って帰ってくれて、僕のお腹の中へとはいっている。蜘蛛の足を持って帰って来たときはさすがに遠慮させて貰った。
そのおかげで僕は安全に草むしりができる。
そんなこんなで1ヶ月がたった。




