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神様からチートを貰ったけど俺yoeee!!  作者: ゆきうさぎ
第1章~転生してチートもらった……はずだったのに
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第二話~セカンドブレイン~


 あのクソ神かっ!まともに知識与える気ねーだろこれ!

 もういい、こんなもん破いてやるっ!


 〈マスター、落ち着いてください。〉


 うん?誰?


〈マスター、破るのはもったいないですよ。〉


 いや、だから誰?周りには誰もいないし、なんか頭の奥から声がするし。幻聴かな?


〈私はマスターのスキルの『セカンドブレイン』です。幻聴なんかじゃないです。

 あと、私ならその紙を有効活用できるんです。だから、捨てないでください。〉


 スキル?

 スキルって会話できるもんなんだっけ。あ、いや適当に人格つけてください、とか言った結果か。

 にしても、セカンドブレインって長いな。縮めて「セカさん」でどうだろう。


〈了解です。マスターの要請により、以後名前を「セカさん」として登録します。気軽に呼びかけてください。〉


 あとさあ、なんで今頃出てきたの?もっと早くてもよかったよね?

 できれば、ヘルプさん無駄にする前に出てきてほしかったなぁ。


〈それはまあ、色々と準備があったんですよ。

(主にマスターの痴態を見て笑ってましたとは言えませんね)


 それよりそれです。その情報です。私の機能の一部を使えば解析できますよ。〉


 ふーん。スキルの準備って何なんだろうね?まあ、いいや。だったらこれお願いできる?

〈当然です。ただ、時間がかかるかもです。〉


 どれくらい?一時間とか?

〈そんな短くないです。仮にも世界全てを網羅した情報ですよ。

 二週間はかかると思ってください。ひょっとしたらもっと長くなるかもしれないです。〉


 長っ。いや、世界全ての情報を二週間で解析しきる方がすごいのか。

 というか世界の全てって。そりゃあ紙も真っ黒になるわ。

 だれだよ、そんな質問したやつ。

 もともと文字が読めたとしても読み切れる訳ないじゃん。

 はい、僕ですねー。



 ところで、こんな真っ黒の紙からなんか読みとれんの?セカさんすごいね。


〈これは何らかのスキルによって書かれたものですから、その痕跡から逆算して、内容が理解できます。実行しますか?〉


 じゃあ、やっちゃって。

〈了解です、マスター。最低でも二週間、全ての機能が停止した状態になりますが、頑張ってください。〉


 今ごろそれ言う!?

 これって、スキルの一つが使用できなくなるってこと?ヤバいじゃん!

 しかもいつ終わるのか分からないとか不安過ぎる。

 ここは使ってしまおう。


「ヘルプさん、質問!この解析ってどれくらいで終わるの?具体的にお願いします。」


   ピコンッ


【解、赤崎翔太さんのスキル『セカンドブレイン』の処理能力から考えると約1分ほどかと……って、あ。


 ・・・やべっ。】


 なんかヘルプさんが、あせっていらっしゃる。

 ・・・というか一分てどうゆうことなんでしょうかねえ、オイコラ。

〈ビクッ、げ、現在解析中、現在解析中〉


 おーい、怒らないから正直に言ってごらん。本当怒ったりしないからさあ。アハハハハ。


   ピコンッ


 うん?なんだ?

【スキル『セカンドブレイン』によって『世界の理』が解析されました。それに伴ってスキル『セカンドブレイン』は神域『アカシックレコード』へと……】


 「ちょっと待つのじゃ!」


【第一級権限によって『世界の理』の剥奪を確認。同時に機能への干渉を確認。抵抗……失敗。全ての機能が一時停止します。】



 ・・・なんか、神様が現れなさった。



 とりあえず殴ってみた。


「なにするのじゃ!」


 ちっ、かわしたか。


「儂、なんかやったかのぅ!?せいぜい、ヘルプさんの対応見て笑い転げておったくらいじゃぞ?」

「十分理由になるでしょうがっ」

「いやいや、そんなことより、なにをしたんじゃ、お主?

 なぜこんなに早く神域へと至ることができるのじゃ」


 神域?なにそれ


「別に変なことなんてなにもしてないけど・・・。」


 あれかな、セカさんの言うとおりにしただけだし。

 僕は悪くない、よね?


「いや十分やらかしとるが・・・。」


「そんなことよりも!何ですかあのヘルプさんとかいうやつ!

 完全に人をおちょくってるじゃないですかっ!

 何のために用意したんですか!」

「まあ、そう、怒るな。あれには色々なワケがあるのじゃ。」


 殺風景だった部屋に神様が机と椅子をだす。


「あ、すいません。クッションもくれます?」

「ずうずうしいのう、お主。」


 そう言いつつも出してくれる。

 ありがとう、神様。

 というかすごい上質なクッションだ。めっちゃフカフカ。


「・・・。まあええ。

 ヘルプさんの原型は神域『アカシックレコード』というものなのじゃが、ハイスペックすぎるのじゃ。

 もともと世界全てを記すという書物じゃからなあ。

 まともに説明させると情報の与えすぎになるのじゃよ。

 お主がやったように抜け道を探したりする者も多いからの。

 だからそういった事柄に関してはなるべく情報を与えないようにしているのじゃよ。。」


 ふむ、一理ある。けど・・・


「ざまあ、とか付け足す理由にはなってないよね?」

「それは・・・その・・・あれじゃよ、諦めずに生きてゆけという神からのメッセージじゃよ、うん。」

「本音ハ?」 

「面白いからです、ハイ。」



「ところでさ、さっきから『神域』とか『アカシックレコード』とかよくわかんないことばっか言ってるけど、結局なんなの、それ?」

「これは、詳しいことは言えんのじゃ。

 一つだけ言うとしたら神に届きうる力ということかのう。」


 ふうん。


「うん?興味ないのかのう?男なら神殺しとかあこがれるじゃろう?」


 そうでもないね。神様なんて勝ち目の薄い敵に力を合わせて小さな確率をつかむんだなんて、めんどくさい。

 神様に恨みなんてないし。わざわざ、そんなことをする理由がない。

 僕はのんびりできれば満足です。


「そうかのう、そうでもない気がするんじゃが・・・。」


 神様がなんか言ってるけど、気にしない。


「そんなことより、セカさんはどうなってるんですか?神域がどーたらゆうよりそっちの方が気になります。このまま停止したままなんですか?」


 僕にとってはのんびりと生活することの方が大事だ。そのためにも使えるものは使わないと。


「あー、うん。今回のことはこっちが悪いので似たようなものを与えておこう。

 とうぜん『世界の理』は回収させてもらうが。

 ただ、これでお主のスキルが危険じゃと分かってしまったからのう。

 すまんが、能力を少しだけ制限させてもらう。」


 言葉の上ではすまなさそうにしつつ、神様はやれやれと肩をすくめている。


 なんとなくだけど、『神域』というのが神様にとっても無視できないもの、というのが分かった。


 まぁいいや。僕はのんびりできれば満足だし。


 あと、神様の本当の目的が見えてきた気がする。この人、僕たちを見て楽しみたいだけだ。

 よくある娯楽のために召喚するパターンかな?


 そんな思惑には乗らないぞと決意したところで、神様は去っていった。


 「やれやれ、こんなに早く干渉する事になるとはのう。まあ、そうそうこんなことはおこらんじゃろ。ではの~~。」




 神様がいなくなってすぐに、セカさんは目を覚ました。


〈マスター、大丈夫でしたか?〉


 僕のことを心配してくれているみたいだ。

 ・・・あくまでも言葉の上では。

 言外にヤバいと焦ってるセカさんの気持ちが伝わってきている。


 さて、何か言い残すことは?

〈ち、ち、違うんです。ちょっと量を見誤っただけなんです。〉


 なぜか一分を二週間と間違えたポンコツがいるからなぁ。そうか17000倍という差はちょっとなのか。


〈いやあ、まさか自分がこんなにハイスペックだったとは。いやー自分の才能が怖いです。〉


 おい、ポンコツ。

 とりあえず、聞かれたことには正しく応答しような。


〈了解です、サー。(ガクブル)〉



 さて、新しく何かが追加されたはずなんだけど、まずはそれを確かめないと。


〈マスター、まずステータスを確認するのがよいかと。〉


 ステータス?そういえばそんなものがあるんだっけ。


〈ステータスが見たいと念じてください 。そうすればでてくるはずです。〉


 そうなのか、よし。でろ~、ステータスよ、でてこーい。


   ピコンッ


 頭の中にステータスがでてきた。にしても、ヘルプさんの音と一緒なんだな。


 ショータ アカサキ  lv1

 hp100  mp100

 sp100

 atk10  def10

 int10  min10

 dex10  agi10

 種族 不明  

 性別 不明

 種族スキル 不明

 職業 なし

有効スキル

 鑑定lv1

 スキル奪取lv1

 セカンドブレインlv2▽

   世界知識lv1


 高いのか低いのか分からんな。せめて比較対照がほしい。


 うん、そこじゃねーよ、って声が聞こえる。

 世界知識、これはまだいい。さっき言っていたお詫びだろう。

 職業もいい、まだ無職だし。これから就くことができるだろう。


 ・・・種族不明ってなに!人間なんじゃなかったの!あと性別不明って…

 あと種族スキルなんてものがあるなんて聞いてないんだけど。

 あの神様は僕の反応を見て笑ってるんだろうな……


〈補足しますと、

 hp 生命力、なくなると死ぬ。

 mp 魔法系のスキルを使う際に使用する。

   なくなると倦怠感におそわれる。

 sp 身体系のスキルを使う際に使用する。

   なくなるにつれ疲労する

 atk 最大攻撃力、速さにも関係する。

 def 物理防御力、hpに影響を与える

 int 魔法攻撃力、一つの魔法に込められるmpの

    最大値

 min 魔法防御力、mpに影響を与える

 dex 器用さ、物を作る際に関わる

 agi 素早さ、思考速度、反応速度に影響する。

    最大速度。


 種族スキル その種族に固有のスキル。進化などで変化したり追加される場合もある。


 有効スキル スキルは5個まで有効にする事ができる。また、有効スキル枠に余りがある時のみスキルを習得する事ができる。


 といったところでしょうか。〉


 おおー、案外有能だった。これは世界知識からかな?


〈その通りです。ついでに、スキルを見てみましょう。自分のスキルは念じれば見えるはずです。

 加えて鑑定を使えばさらに細かく知ることができます。〉


 何々、じゃあ鑑定を使ってみよう。

 どうすればいいの?

〈普通に念じればいいですよ。〉


 どれどれ~


   ピコンッ 


【鑑定のレベルがあがりました。】


 レベルアップした。

 スキルのレベルは熟練度によってあがるのか。

 あと、またヘルプさんの音と一緒だ。手抜き?


 鑑定の結果は

 ・鑑定lv2 

   見たものの説明がでる。まだ詳しくない。

 ・スキル奪取lv1 (レベル上限10)

   殺した相手からランダムで一つスキルを奪う

 ・セカンドブレインlv2(レベル上限10)

   スキルの処理を補佐する

 ・世界知識lv1

   この世界の情報が載っている。


 ・・・ふと思ってしまった。

 このスキル構成、戦えるのが前提で、最初の頃思いっきり苦労するタイプのやつだ。


 しかも、ヘルプさんと神様のせいで忘れてたけど割とピンチなんじゃなかったたけ?

 外にでっかい鷹とか狼とかいたよね?亀?そんな奴は知らん。


 ここで引きこもっていようかな~。

 人間じゃないみたいだし、何も食べなくても生きていけるかも。

 さすがにそんなわけないか。


 まて、根本的にここが安全だと思っていたけど、本当か?

 そもそもこの小屋ってなに?


 全体的に白っぽいただの小屋だけど。どっちかっていうと箱の方が近いかもしれない。

 窓もなくあるのはただ一つの扉だけ。

 あと神様がおいていってくれた机と椅子とクッションだけ。


 こんな時に役立つ「鑑定」さんなわけですよ。というわけで、レッツ鑑定~


  神殿(仮) 


 情報少なっ。

 これでなにを判断しろというのか。


〈世界知識に神殿の情報がありました。許されたもののみが入ることができる空間、とあります。

 今ならマスターのみが出入りできる状態ですね。〉


 おー、神様優しい。文句言ってごめんよ。


 ただ、(仮)っていうのが気になるな。

 まあいい。


 よし、衣食住の住は大丈夫だな。

 さて、次に食かな。

 まあ、安心だ。地球でも色々あったせいで常に食料や水等、サバイバルに必要なものは揃えてあるんだよ。


 さて、カバンはと。あれ?ない。

 そういえば落としたんだっけ。

 ひょっとして初期アイテムなし?

 クッション一つだけで異世界を生きろと。


 少しくらいサービスしてくれてもいいと思う。

 あの中には銃刀法違反ギリギリの刃物とか、一週間分の食料とかサバイバルにも使えそうなものが入っていたのに。


 神様~、不親切すぎますよ。現代日本人はチートがあっても生きていけないんです。


〈とりあえず、魔物を倒してレベルアップじゃないでしょうか。マスターの場合はスキルを得るという目的もありますし。〉


 いや無理だよ。ひ弱な僕ではあんな奴らには勝てそうもないよ。だって鷹だよ?狼だよ?

 あ、でも亀ならひっくり返せばいけるかも。


〈さすがにあれは無理にしてももっと弱い奴を探して倒せばいいのでは?弱くたってスキルは持ってるでしょうし。〉


 ・・・そうだよね、あれが平均だとしても、食物連鎖の最下位のあたりを狙って倒せばいいよね。

 よし、そうと決まったら出発だ!


 ガチャリと扉を開け、左右を確認しそろーりと僕は神殿(仮)からでた。

 奴らに見つかったらゲームオーバーだ。


 そう言えば、食べ物だったら植物でもいいんだよね。ちょっと鑑定してみよう。


  植物


 ・・・使えんなぁ。いやでも熟練度さえたまれば分かるようになるかも。せめて食べれるかどうかだけでも知らせてくれないかなぁ。


   植物

   植物

   植物

   植物

   ・

   ・

   ・

   ピコンッ

【鑑定のレベルがあがりました】

   植物(葉)

   植物(幹)

   植物(葉)

   ・

   ・

   ・

   ピコンッ 

【鑑定のレベルがあがりました】

   植物の葉 緑

   植物の茎 緑

   ラビ


 うん?何か違うものが出てきたぞ。

 いや、そんなことより鑑定使えなさすぎでしょう。

 見ればわかるようなことしか書いてないよ。



 ラビってウサギかなぁ。ゲームとかだと最初の敵だったりするよね。

 戦ってみる?さすがに死ぬことは無いだろうし。


 次回、初戦闘!ウサギとの死闘!お楽しみに~





 次回なんて無かった。それはもう一瞬で終わってしまった。

 何が起こったか三行で説明しよう。

  ラビに近づいた

  ラビに気づかれた

  ま・け・た


 ウサギって強いんだね。蹴り一発で吹っ飛ばされたよ。

 この世界のウサギさんは強かったんや。


 でも一つ分かったことがある。

 神殿(仮)の範囲は建物の外も含まれるんだよ。


 何でわかるんだって?

 今現在ウサギさんが結界みたいなのに向かって一心不乱に蹴りを入れてるからさ。

 結界はだいたい半径10メートルといったところかな。


 あっ、ウサギさんが行っちゃった。

 なんか「ちっ、今日はここらへんで勘弁してやらぁ。」みたいな雰囲気出してますね。


 現在hpは10くらいになってる。蹴り一発だよ?あり得んわー。

 あと、めっちゃ痛い。死にそう。



     ◆ ◆ ◆



 ウサギさんのせいで今日は1日寝っ転がって鑑定してました。

そのおかげで鑑定のレベルは7まであがったよ。

 あとhpもspも放っておいても回復するらしい。

 一時間で10くらい。


 そうそう、鑑定ってspを使うんだよ。

 無制限に使えるわけじゃないんだね。

 気付かないでそのまま使ってたから、やけに疲れてしまったよ。


 レベルが上がって少し効果っぽいのが分かるようになってきたかな。

 それにしてもおなかすいたな~。なんかおいしいもの落ちてないかな~。そんな訳ないかな。ハハハ。


   ボトッ


 10メートルくらい先に何かが降ってきた。あれはミカン?おいしそう。



 このとき、せめて鑑定くらいすれば良かった。


 今にしてみればそう思う。


 ただ、このときの僕にはそんな余裕はなかった。


 こうして僕は異世界に来て初めての敵、トレントと戦うことになった。

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DREAM WORLD~2つの世界が交差するとき~
新作です。ほのぼの系VRものです。
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