騒がしい日常の朝
「はぁ、今度は何をやらかしたんだソラ」
学園に登校中の俺は、いつものようにボロボロになり目の前に倒れている親友のソラ・フォートレスに呆れたように言う。
「ふ、決まっているだろ男の夢はいつでも目の前にぎゃ!?」
どうやら今日もクラスのある女子に変態行為を発見され罰を下されたようだ。俺はソラの背中を踏みつつ学園に向かうため歩きだした。
「ちょ、おいてくなっての」
背中を踏まれたソラは制服についた埃を払いつつ俺を追いかけてきた。
この一連の流れが終わった後はボロボロになった制服やら顔がもとに戻り、ダークブラウンのくせ毛の頭をかきながらその爽やかな顔をこちらに向けてくる。
なぜ制服や顔がすぐ元に戻るのか、実はかなり気になるがそこはソラだからということでおいておくことにする。
しばらくソラと話ながら歩いているといきなり後ろから押され、倒れそうになる。
「った!おいスノーいきなり後ろから押すの止めろっての」
「やぁやぁ、今日もレオン君は面白いねぇ!」
なにがじゃい!と思いつつ後ろを向くとやはりそこには雪を幻想させる綺麗な髪をなびかせるスノー・シュバイツがいた。
「スノーじゃんおはよー」
「おはよー!ソラはいつ見ても残念なイケメンだねぇ」
ねぇ、残念ってなに!?と叫ぶソラを無視して登校を始める。
「あれ、レンは一緒じゃないのか?お前一様王女なんだから護衛ちゃんとそばにおいとけよ」
そう、スノーはこの帝国の王女なのだ。なのにこいつは護衛も着けずのうのうと登校してきてやがる。
「え~、だってレンうるさいんだもん」
だから先に来ちゃった!と騒いでいる後ろにそのうるさいやつがいることに気づいていない。
俺とソラが合掌しているのに気づかずペラペラ喋っているスノーに拳骨が落ちた。
「姫様!一人で勝手に登校などどうゆうことですか!姫様はもっと自分の立場というものを...」
スノーに拳骨を食らわし説教をする男はこの国の騎士団団長レン・サーキュナー、俺達と同じ年でこの国の騎士団団長となった男だ。この国のトップクラスの力を持つ。
「はぁ、とりあえず学園行こうぜ」
こうしてレオン・アルナードの騒がしい日常は始まる。