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霧の中の村

 世界の根幹をなす太古の木の根が変質してしまうイベント。

 確か後半の方であったイベントで、根っこが襲ってきて大変なことになった。

 しかもその根の部分は、どんどん変質化が進み……けれどここにいる赤ん坊の仲間がいたおかげでどうにかなったのだ。

 

 けれど今その二人の仲間はここにいない。


「あのイベントだとするとどうしようかな。次から次へと増殖して攻撃が酷くなるばかりであの二人の能力がないと結構きつかった気が。でも、きりが現れてどれくらいだったかな」


 私は少し考える。

 物語の中では、そこそこ時間がたってからの状態で遭遇したようだが、これはまだ初期の段階だ。

 早くにこの現象が起きてしまったといっても、あの時ほどひどくはない。


 それならばそこまであの根の変質してしまったものは増殖しないだろう。

 だからその推測を他の人達に話して、ようやく私達は霧の中に入り込んだのだった。









 霧の中で次々と根っこのようなものに襲われる。

 

「時間停止と併用して魔法を使うのも結構大変ねっと。“炎の輪”」


 そう言って私は炎系の魔法で根っこの部分を断ち切る。

 本体との接続を切ると、まるでしわがれたようにくしゃくしゃに根っこの部分がなり、襲ってこなくなるのだ。

 そうやって倒しつつ現在は私達は先ほどの道をまっすぐに進んでいる。


 この先に村があり、その村には私のこれからの“仲間”がいたりする。

 もっともこの辺りにある村はそこくらいの物だったりするのだが。

 そこで背後から根っこが襲ってくるも、そこでユーグが断ち切ってくれる。


 わずかに反応が遅れてしまったので助かった、と私は思う。

 つい考え込んでしまった、お礼を言わないとと考えていると、


「ルナ、もう少し周りを見ましょう。白い霧が濃くなっているとはいえ、あの程度はルナでもどうにでもなるでしょう」

「うん、ユーグがいるから安心しているのかな?」


 冗談半分にそう言うと、ユーグは黙ってしまった。

 怒っているのかと思っていると、


「……そう言われると、ルナに良い所を見せたくなるじゃないですか」

「え、本当? よし、お願いしよう」

「……いうんじゃなかった」


 といったように嘆くユーグに、私は頑張ってもらうことにした。

 そしてそういえばヤード魔王様はさっきまで喜々として根っこの駆除をしていたような……と思って様子を見ると、


「や、止めろ、この程度の傷は大丈夫だ」

「いえいえ、小さな傷が大変なことになりかねませんから」

「フィ、フィフス、なんだか顔が近い気が……」

「いえ、気のせいでしょう」

「というか、ソルトもメルトもなんで私にくっついてくるんだ!」

「これは、ヤード魔王様を守るためです」

「けがを治療している所で襲われたら大変だからな」

「で、でもこれ小さい切り傷……」


 といった話を皆様でしていて楽しそうだったので、私は放っておくことに。

 ただ、今の感じからすると、


「メルトとソルトが触っても男性化しない?」

「……面倒くさいので解いてしまいました」

「そうなんだ……声の感じからすると、そこまでヤード魔王様も嫌がっていないようだし放置しましょう」


 という事で放置して更に根っこを切り裂いたりしながら白い霧の中を進んでいくと、やがて霧が薄くなってくる。

 村に近づけば近づくほどその傾向があるようだった。

 やがて、村と森を隔てる柵のようなものが見える。


 そこに沿って少し歩くと唐突に霧が晴れた。


「この村だけ白い霧を防ぐ結界のようなものが張られている?」


 そう私が呟くと同時に、近くの家から誰かが出てきたのだった。


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