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霧の前にやってきました

 集合場所にはすでに、フィフス含めて三人来ていました。


「お待たせして申し訳ありません」

「いえいえ、先ほど来たばかりですから」


 といった会話をしつつすぐに出発となる。

 道は一本道で、けれど段々に細くはなっているように感じる。

 周りはうっそうと茂った森が広がっていて、今の所まだ白い霧は見えない。


 なので、これからどの方面に向かうのかといった確認をしたり、昨日きいた、多分見間違えだと思えるような話をする。

 するとフィフスが、


「巨大生物、ですか。ふむ。ソルトは一時期一人でドラゴンと遊び半分で戦っていましたね。どうでしたか?」

「なかなか楽しかったな。あいつら知能もあるから、変な技も使ったりするしな。最高だ」

「霧の中で巨大な影が見えればそれがドラゴンか判別できそうでしうか?」

「もちろんだ。あんな特徴的な形は霧の中だろうと見間違えないね」


 自信たっぷりに言い切ったソルトに、その時はお願いしますといったフィフスだが、そこで、


「ソルト、いや、メルトもそうだが……前々から思っていたが、フィフスにはどうして大人しく従うんだ? 私には、随分と反抗的というか何でこんなやつ、みたいな扱いだったのに」

「書類の処理が遅くて大変でしたからね」

「……メルトの理由は分かった。だったらソルトはどうして私にそう反抗的なのだ」

「俺より強いから」

「……フィフスは?」

「フィフス様はなんか許せるからな」


 そう言われて、ヤードは酷いと小さく呟いた。

 それにソルトがそっぽを向いて、


「ま、まあ今は、少しくらいは聞いてやってもいい」

「……別な意味で体を要求されそうな気がして警戒心が。だが、私に触ったら、男に戻るからな」

「く……」


 ソルトがそこで悔しそうに呻く。

 だがその話を聞いたフィフスが、


「ソルトが触ると男に戻ると」

「メルトが触ってもそうなる」


 ソルトが機嫌悪そうに答えるのを見ながらフィフスは何やら頷き、


「どちらでも構いませんが、本当に男に戻るのか見せてもらってもいいですか」

「あー、じゃあ俺がやる」


 そう言って何かを警戒するようなヤード魔王様の手首を掴む。

 ヤード様が元の男の姿に!


「うん、やはり男の姿の方が落ち着くな」

「ふむ、やはり男性の姿もヤードは可愛いですね」

「……」


 フィフスの言葉に、青くなるヤード魔王様。

 さて、これからどのような展開にと私が思っていた所で……風の匂いが変わった。

 凍るようなよどんだような、冷たい匂い。


 気持ちの悪い感覚だと私が思っているとそこで、うっすらと白い粉のようなものが漂っているのが見える。

 これが、“霧”なのだろう。

 今は境界の部分にいるから簡単に逃げられそうだが、この張り付くような感じはあまり好きではない。


 そう思いながらも私はその先の白く濃い霧を見上げる。

 と、そこで丁度その白い霧の中を何かがうごめくのを見た。

 それは巨大生物といった風ではなく、そして、


「あれはドラゴンじゃねえな」

「あれに近い形のものが何か、ソルトさんは分かりますか?」

「……見た感じ、巨大な触手のような物に見えるな」

「触手……」


 それを聞いて私は、少し考えてから、


「別のイベントで、確か世界樹の根が変質して動いてしまうイベントがあった気がする」


 そう私は呟いたのだった。

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