白い霧の中で
私の言い切った言葉にフィフスが苦笑する。
「それはまた……初期ですか?」
「ええ、私が知っている範囲では」
「喜ぶべきなのかどうか判断に迷いますが、ここは喜ぶべきところなのでしょう」
困ったように笑うフィフスに、部屋のソファに座るよう促して私たちはもってきてもらったお菓子を頂きつつ、今後の予定について話し合うというか、
「集合場所、いつのどこにしようかしら」
その私の問いかけに、ちらりとフィフスがヤード魔王様を見てから、
「ヤードが夜は苦手なので朝早くはいかがですか?」
「確かに早朝の方が、私の護衛の裏をかけるかしら。夜の方が周りが見えないだろうと私が逃げ出しやすいのではと思っているようだしね」
「そうなのですか? では、日の出ごろ。明日の4時頃ではいかがですか?」
「時間はそれで構いません。次に集合場所ですが、この町が飲み込まれるまでに数日かかりそうでしたが、ここからどれくらいの所ですか?」
「そうですね、町はずれから一時間程度、でしょうか」
「……近いですね」
「ええ、最近ぱたりと白い霧の周囲への広がりが止まった……は言い過ぎですね。鈍化した、といった方がいいでしょうか」
それを聞いて、まさかと私は思った。
だがあの二人はまだ、赤ん坊のはずなのだが……危機に反応して能力を使ったのだろうか?
そう私は考えているとそこでフィフスが、
「それでは場所は、町はずれ。そこの窓から見えるあの大きな木のしたではいかがでしょう」
「分かりました。それで」
「では明日、またお会いしましょう。それまでにさらに情報を集めてみます」
「ええ、私の方も、お菓子などを買うふりをして、話を聞いてきます。……取りこぼした情報がもしかしたならあるかもしれませんから」
といった話をして私達は別れたのだった。
それから私達は、フィフス達と別れて、話を聞くことに。
ヤード魔王様がさりげなく連れて行かれそうになり悲鳴を上げていたものの何とか逃げたのはいいとして。
そして、町を見て回る。
話を聞いても白い霧が怖いねといった話ばかり。
「あの白い霧は、隔絶させる効果があった気がする。なのに入ることはできる」
「でも出られないんですよね。変な形に魔法が変質してしまっているのですから」
「そうなのよね、でも貴方なら逃げ出せるんじゃない?」
「……ええ、僕なら大丈夫です」
その答えを聞いて、切り札になると私は確信したのはいいとして。
やがてとある子供のお菓子を売る店のおばあちゃんに、なんとなく聞いてみた。
購入したのはチョコレート。
一口で食べられるもの、ではあったのだけれど、中にはいろいろなナッツが入っていて、どれが当たるか分からないという物だった。
なかなかおいしいチョコレートだなと思ってもう一つ購入した時に聞いたのだ。
「あの白い霧について何かご存じではありませんか?」
特に期待はしていなかった。
けれどそこでおばあさんが、
「そういえばあの白い霧の中に、巨大な怪物の影を見たと聞いたね」
そう、私が知らないゲームの情報を口にしたのだった。




