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そんな話をして就寝時間に。
特に暗殺者の類もなく良く眠れた私は次の日、いつものように目を覚ましたのはいいとして。
「食事はどうしましょうか。折角なおで保存性のきく食べ物なども購入しておきたいですね」
私がそう言うと魔王ヤード様が、
「食料か。この子供の姿では持てる量に限りがありそうだな」
「そうですね……あの白い霧の中をどれだけさ迷うのかも考えると、補給がどの程度できるのかといった話になりますからね」
常に霧の外に戻って来れる保証はない。
となるとそれなりの装備が必要になってくるが、その装備はというと持てる料は限られて……とそこで私は思いついた。
「ユーグ、何でもものが入る、ゲームに出てくるような袋だったりなんだったりってない?」
「ゲームって……本当にルナは異界のゲームが好きですね」
「そうよ~、この世界がどんな世界かも、これから起こることもゲームで知っていたし。……というか私がゲーム好きだってユーグに話したかしら」
「……そうですね、そういった袋ですが、こんな感じでどうでしょう」
そう言ってユーグが何処からともなく取り出したのは、黒いリュックサックだった。
それを三つ取り出し、
「……そこの魔王の分も一応。貸すだけです」
「ふむ、便利なものがあるのだな。後で頑張って解析しよう」
「……この魔王、書類関係は苦手な癖に魔法とかそういったものには熱心なのですよね。面倒くさい」
「これを応用して邪神を倒す技にそのうちしてやる」
「……どうせ無理なので放置しておきましょう」
そう言い切ったユーグに、今ここでとかなんとかヤード魔王様が言いだしたのだが、私としては非常にお腹が空いていた。
そして出来ればこの地方の美味しいものが食べたかったので、
「今は争わないで、朝食を食べに行きましょう。護衛の人達がいると煩いから黙っていくの」
「もう気づかれている気がしますよ。この前巻いた時に、もっと強力な護衛に変えたらしいですから」
「……ユーグ、私は聞いてないよ」
「はなしていませんでしたから」
「白い霧の所ではどうしましょう」
「……いざとなったら僕の力で何とかします。様子を見に行かない事にはどうにもなりそうにもありませんから」
といった話になり、私達は……護衛の人に気付かれて、近くにあるレストランで朝食バイキングを楽しんだのだった。
食事を終えた私達は、必要な保存食や水などを大量に購入した。
もちろん護衛の人達を巻いて、だ。
沢山の食べ物を公に有するだけで怪しまれてしまうのでこれは仕方がない。
もっともこのリュックサックに全て入ってしまうので、それらに関しては気づかれることはなかったが。
それから土の剥き出しであまり整備のされていない悪路を進み、やがて件の地方周辺にある“ジェレラの町”にやってくる。
少し大きめの宿に私たちは再び泊まることに。
綺麗で大きい部屋。
しかもベッドが四つもあるので都合がいい。
ちなみにここで2泊の予定だが、
「ここで他の三人と合流してそれから護衛を巻いてあの白い霧の中に突入、と行きたいけれど、その前に少し情報収集がしたいわね。あの白い霧が私の知っている通りの者だったら、もう少し楽なのだけれど……」
「何か気になるのですか?」
ユーグが私に聞いてくる。
ちなみにヤード魔王様は、この前の町で手に入れたガラス玉の中に粉雪のようなものが降ったりする、スノードームのようなものを飽きもせずにずっと見て楽しんでいたりするのだが、それは置いておくとして。
「私が知っているよりも早いから、違う現象になっていたらいやだなって。杞憂だと思うのだけれどね」
そう軽く告げた私。
そこで誰かが訪ねてきたのだった。




