もう二度とこんな場所に来るものかぁあああ(第一部完)
そんなこんなで次のターゲットとの接触する事にした。
「次の相手でとりあえずは最後です」
それに女魔王ヤード様は、げっそりしたように、
「これで、とりあえずは接触終了か。後は自由に女あさりをしていいのだな」
「魔王様、魔王様、今は魔王様は女の子です」
「女だからなんだ! 私は男なんだ、男!」
そう言いきる魔王ヤード様。
気持ちは分からないような分かるようなそんな奇妙な感じ。
それは置いておくとして。
「次の神父様はこの世界の神様に祈りをささげる敬虔な信者、らしいです」
「ふん、そこにいる神と名乗る悪魔を祈るなど、正気の沙汰とは思えないな」
「そうですか……。ちなみに本当は後二人、仲間になる人がいるんですよね」
ヤード魔王様が機嫌を悪くしたので私は、そこで話を変える。
それにヤード女魔王様もうまい具合に食いついて、
「その二人にはどうして会いに行かないんだ?」
「まだ赤ん坊なんです」
「……そうか」
「はい、というわけで次で最後です。それでその後は魔王ヤード様はどうしますか?」
そこで彼女はえっという顔をして次に私を見て、
「寄生させてくれ」
「……魔王としてのプライドは」
「だ、だって魔王城に帰ったらあいつらに……上手く誤魔化せたけれど、それでも一度でも失敗したら……」
「……日々暗殺者に狙われる私の家よりかはましでは」
「いや、そちらの方が良い!」
「……女の人だからメイドになっちゃいますよ?」
「メイド服……いや、執事の服を着れば問題ない。だから頼む!」
「……事情を放してしばらく客人扱いかな。女魔王様ヤード様が料理やら何やらで切るように思えないし」
「う、それは……」
やっぱり客人ね。
まあここで恩を売っておけばと言って説得しておけばいいだろうと私は両親の説得内容をさらっと考えて、私達はようやく次の目的地にたどり着いたのだった。
ユーグがやけに大人しい。
どうしたんだろうと思いながら私とユーグ、ヤード魔王様の三人でとある教会を訪れたのだが……。
「おやおや、久しぶりですね」
「ぎゃああああああ」
魔王ヤード様が悲鳴を上げるが、すぐに彼は魔王様を捕まえて教会内に引きずり込んだ。
私とユーグもすぐに中に入ると、
「そんな悲鳴を上げなくてもいいのに、一目見て貴方だと私はわかりましたよ?」
「フィフス、何でここにいるんだ!」
「いえ、貴方に倒された後はこうやって神父をやってほそぼそと自由に生きているのです」
「なんて羨ましい生活を」
「でしょう? 魔王って大変でしょう? 思った以上に」
「……まさかわざと負けたんじゃ」
そこでヤード魔王様は不安そうにそのフィフスという神父に問いかける。
それに彼は、
「いやー、久しぶりの可愛くて好みでヤンチャな子が来たのでつい手加減していたら負けてしまいました」
「こ、好み……ま、待て、あの噂はほんとうだったのか?」
「男色家の噂ですか? 違います」
「そ、そうなのか……」
「普通に好きな相手を男や女で区別していないだけです」
言い切ったフィフスに、女魔王ヤード様が逃げようとするがそのまま抱きしめられて、フィフスにクイッと顎を掴まれて上を向けられて、
「素敵なお土産をありがとうございます。久しぶりに楽しめそうですね」
「な、何をする気だ」
「女になったのも都合がいいかもしれません」
「い、嫌だっ、はなせぇえええ」
じたばたする涙目な魔王ヤード様を見ながら私は、
「あの、こんにちは。フィフス前魔王様にお話があって……」
そこで彼は微笑み、
「世界の崩壊を止めるために手伝って欲しいのでしょう? 知っているよ」
私達に告げたのだった。
時々ちらちらフィフスはユーグを見るが、それでもヤード魔王様を隣り座らせて、
「ほんとうに見事に女の子になってしまいましたね」
「プルプルプルプル」
「皆さんに狙われているでしょう。私もですが」
「プルプルプルプル」
「怯えている貴方も可愛いですね。これでは邪な気持ちになる輩がたくさん出ても仕方がありませんね」
「ル、ルナ、なんとかしてくれ!」
私に助けを求めてくる魔王様。
可愛いので放置しようか迷っているとそこでフィフスが、
「まずは連絡を取れるようにしようといったところかな。いいよ」
「……やけに飲み込みがいいですね」
「分かっているからね、色々と」
そう言ってユーグを見るフィフス。
けれどユーグは素知らぬ顔をしている。
「ユーグがどうかしたのですか?」
「そうだね。君には頑張ってもらわないとね」
「当たり前です! 私、“勇者”になるはずだったんだし。なのに悪役令嬢なんて」
「……まあいいのでは? 美人さんなのですから」
「その点はいいですけれど。魔力も強いですし」
それにフィフスは笑って、
「じゃあ連絡手段用の何かをもらえるかな」
「ではこれを」
そう言って私は渡すと、彼は黙って受け取り、そして。
「じゃあ君達の用は終わりかな。さて、これからヤードちゃんには僕の相手をしてもらおうかな」
「な、何の相手をさせる気だ!」
「そうだね。一人寝は寂しいと思っていたところなんだ。丁度女の子だしね」
「や、やめろおおおおお、ま、待て、ふ、復讐か、復讐なのか!」
「いえ、前から気に入っていたので、これはいい機会なので」
「いやぁあああっ、もう二度とこんな場所に来るものかぁあああ」
そう言って魔王ヤード様は逃げ出しました。
それを見送りながら私は、
「それではよろしくお願いします」
「いえいえ、ただ時々ヤードと話させていただけると嬉しいですね。まさかあそこまで可愛くなるとは思ってもいませんでしたので、もう少し口説く機会がほしいですね」
「善処します」
「よろしく」
物分りの良いフィフスに私達は、その場を後にしたのだった。
こんな風に、して仲間を集める旅行は終わりを告げた。
「さてと、これから一つづつ手を打っていかないとね」
「……がんばってくださいね、ルナ」
「ユーグ、あんたもやるの!」
「ええ! ……分かりました」
そして次にヤード魔王様が、
「まあ私も力を貸してやってもいい」
「それは助かります」
こうして話して、さて次はどうしようかと私は考え始めたのだった。
第一部完です。
個人的な事情で、今は少女向けを書きたくない気持ちになってしまったので、しばらくお休みします。すみません。




