第22話:公爵家に連れてこられました
あら?ここは確か…
見覚えのあるお屋敷に入っていく。
「さあ、着いたよ。レイリスは昨日、随分と料理を気に入っていただろう?だから一緒に、昼食を食べようと思ってね。既に準備が出来ているから、行こうか」
公爵家で昼食ですって?あの美味しい食事に、またありつけるだなんて。
「アドレア様、その前にどうかお嬢様にお着替えをさせてください!さすがにこの様な格好で、お嬢様をお屋敷に入れる訳にはいきません。伯爵家の名誉のためにも、どうかお願いします」
私を追ってやってきたマリアンが、ドレスを握りながら訴えている。よほどドレスを着せたいのだろう。あんな動きにくくて苦しい服で食事だなんて、まっぴらごめんだ。
「君はレイリスの専属メイドだったね。レイリスはドレスが苦手な様だから、この服で問題ないよ。それに今後レイリスはこの家で暮すことになるだろうから、気にしなくて大丈夫だ」
「ちょっと、どうして私がこの家で暮さないといけないのよ。まだ結婚の件、了承していないわよ!」
「そうだったね、でもきっとレイリスは、了承してくれるはずだ。さあ、行こうか」
呆然と立ちつくすマリアンを横目で見ながら、レアと一緒に屋敷に入っていく。さすがのマリアンも、レアにあそこまで言われたら、それ以上は言えないようだ。これを機に、少しマリアンも静かになってくれたらラッキーね。
「レイリスちゃん、よく来てくれたわね。あなたの為に、料理長が腕によりをかけた料理を準備しているわ。早速頂きましょう」
屋敷に入ると、夫人が待っていた。なぜか私の顔を見た瞬間、嬉しそうに話しかけてきたのだ。
「母上、僕とレイリスの時間を邪魔しないで下さい。レイリス、母上は放っておいて、2人きりで食事をしよう。さあ、こっちだよ」
レアにあしらわれて、悲しそうな顔をしている夫人。大きな目をウルウルさせ、こちらを見つめている夫人を見たら、なんだか可哀そうになってきた。
「ねえレア、さすがにちょっとかわいそうじゃない?せっかくだから夫人も…」
「レイリスは優しいね。でも、母上はつけあがらせると面倒だから、気にしなくてもいいよ。さあ、食事にしよう。好きな物を好きなだけ食べたらいいよ」
案内されたお部屋には、大きなテーブルが準備されており、これでもかというくらい沢山のお料理が並んでいた。どれもものすごく美味しそうだ。
昨日並んでいたお料理も沢山ある。
「ごめんね、まだまだレイリスに食べさせたい料理が沢山あるのだけれど、さすがに乗りきらなくて。これからは毎日色々な料理を出していくつもりだから、楽しみにしていてね。さあ、頂こう」
席に付くと、使用人たちがすぐにお料理を取り分けてくれた。早速1口
「このお肉、なんて柔らかいの。口に入れた瞬間とろけたわ。こっちの海鮮も、プリプリで美味しい。やっぱり公爵家のお料理は、何を食べても美味しいわね。こっちも頂くわ」
さすが公爵家、昨日ゆっくり味わえなくて悔しい思いをした分、こんな風にゆっくり食べられるのが幸せでたまらない。
こんなに美味しい料理が食べられるのなら、公爵家も悪くはないわね。
「レイリスは本当に幸せそうに食事をするね。まだまだたくさんあるから、好きなだけ食べてくれ」
そんな事レアに言われなくても頂くわよ。
あまりの美味しさに、夢中で食べまくった。
さすがに少し食べ過ぎたわ。
「ずいぶん食べたね、こんなに喜んで食べてくれたら、きっと料理長も喜ぶよ。さあ、食事は少しゆっくりしよう」
食べ過ぎた私を抱きかかえ、そのまま大きなベッドに寝かせてくれた。これは昼寝をしろということなのかしら?ちょっと食べすぎたし、せっかくだからお言葉に甘えて、休ませてもらおう。
そう思い、瞼を閉じたのだった。




