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20.学園長と担任から反省文を書かされました

 その後が大変だった。


 俺は皇子達をほっておいて捨て置いて帰ろうとしたら、騎士や先生達が飛んできたのだ。

 俺はマイヤー先生と学園長の前に引っ張って行かれた。


「ラファエルさん。困りますよ。我が国の皇子殿下を攻撃するなんて!」

「学園長。俺は攻撃なんてしていませんよ。俺はオスカーと決闘していただけですから」

 学園長の叱責に俺が反論すると、

「けっ、決闘って何ですか? 剣聖ともあろう者が一般生徒と決闘するなんて暴挙以外の何物でもないでしょう」

 学園長が更に怒りだしてくれたが、

「俺は本気を出していませんよ。軽く相手してやっただけですから。注意するなら、俺に対して何をとち狂ったのか喧嘩を売ってきたオスカーにして下さい」

 俺がそう指摘すると、

「何をおっしゃるのですか? どこの馬鹿が剣聖であるラファエル様に剣術で勝負しようとするのです。 勝てるわけもないのに!」

 学園長が呆れてくれたが、事実いたのだから仕方がないだろう。

 いくら年いった俺でも、学園の生徒にはまだ負ける訳はないが……


「マイヤー先生。困るではないですか! ラファエル様を押さえていただかないと。私達は親御さんから大切なご子息を預かっているのですから」

「申し訳ありません、学園長。私もまさか一日目からラファエルさんが決闘するなど思ってもいませんでした」

 マイヤーが学園長に謝っていた。


「あなたのことはお母様から頼まれましたから先生方の反対を押し切って強引に迎え入れたのです。ラファエル様を押さえていただかないと困りますぞ……」

 どうやら、マイヤーも無理して学園の先生になったみたいだ。


 俺のせいで怒られるのはまずいだろう。

 俺も一日目からやらかした感もあるのでここはおとなしくすることにした。

 延々と学園長に叱られた後に、反省文を書くようにと言われたので俺は素直に書くことにしたのだ。


 俺が頷くとマイヤーが驚いた顔をしたが、悪いことをした後に反省文を書くのは学園ではよくあることではないのか?


 でも、反省文なんてしばらく書いたことがなかった。

 学生の時にレポートの締め切り日を忘れていて、その時のお詫び文を書いたきりだった。

 その時は10枚のお詫び文を書いて、なんとかC判定でギリギリ合格点をもらった記憶があった。

 質より量なのだ!


 さてでも、どうするか?

 まずは感謝の言葉から書いた方が良いだろう。


『自分はこれまで一介の剣士であり、これまで学園に通って教育など受けたことがありませんでした。なのでこの度、教育を受ける機会をいただいた学園長始め、先生方にとても感謝しております』

 と言う趣旨で10行くらい感謝の言葉を並べたのだ。

 次は今回の事件を起こした理由付けだな。


『私はこの国に来てフランク王国とバイエルン帝国での風習の違いにとても戸惑っております。帝国では今真実の愛などと言う物が流行っているそうで、なんと教会に所属する聖女様が婚約者のいる皇子様にその豊満な胸を押しつけるという純情な私が見るととても破廉恥な行為をしているのが普通だというのです。この国のエーベルハルト様と我が国のアンジェリーナ様との婚約はこの国の皇帝陛下と我が国の国王陛下の間に結ばれた神聖な婚約のはずだと私は思っていたのですが、教会の聖女様がそれを邪魔して破廉恥にも殿下に抱き付いているのを見て思わず怒りを覚えてしまったのです。しかし、これはこの帝国では当たり前とのことで、私はほとほと困り果てております。やはり郷には入れば郷に従えとの言葉があるように、教会式の破廉恥聖女様の行動を黙認した方が良いのでしょうか? 私がどうしたらよいかご指示下さい』

 俺は一気に文章を書き上げたのだ。


 そこに扉が開いてアンジェが入ってきた。


「えっ、どうしたの? ラフィーが反省文なんて書いて?」

 入ってくるなりアンジェが固まってしまったんだが……


 何でも俺は国王陛下に言われても反省文なんて書けるかと無視していたのだとか……

 そうか、ラファエルは剣聖というだけあって脳筋だったんだ。

 俺はやっと気付いた。記憶をたぐるも反省文なんて書いた記憶が無かった。


「いや、姫様。俺も書くときは書きますよ」

 でも、書いてしまった俺は胸を張って自慢したのだ。


「なるほど、私は勉強のお嫌いなラファエルさんが学園に入学されると聞いて驚いたのですが、ラファエル様も成長されたのですね」

 マイヤーは笑ってくれた。


「いや、まあ、そうだな」

 俺は笑って誤魔化した。


「じゃあ、ラファエルさん。これはお預かりしておきますので」

 マイヤーが俺の書いた書面を取り上げてくれた。

 俺は下書きのつもりだったのだが、あれで良かったみたいだ。

 俺はこれ以上反省文を書くつもりはなかったので、喜んで部屋から出て行こうとした。


「ちょっとお待ちなさい」

 喜んで出ようとした俺はマイヤーに引き留められた。


「ラファエルさん。これは反省文のつもりなのですか?」

 ブルブル震えながらマイヤーは俺を睨み付けてきたんだが、


「えっ、思ったままを書いたんですが」

「一言も反省の言葉がないではないですか!」

 それから俺はまた30分間怒られて、仕方なしに最後に一言付け加えたのだ。


『怒りにまかせてオスカーさんを吹っ飛ばしたら、そこにたまたまいた真実の愛の二人の上に落としてしまって申し訳ありませんでした』と






反省文の上でも喧嘩を売っているラフィーでした。

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