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第13話 不完全な光②
帝都の裏側を流れる巨大な地下水脈。その入り口に近い放棄された貯水槽で、三人の男たちが合流した。
激しくなる雨が鉄格子の蓋を叩き、重苦しいドラムのような音を響かせている。
「遅かったな、ギィ・パロモ」
闇の中から声をかけたのはガイウスだった。
彼の傍らには、王国奇兵隊の精鋭を周囲に配置し、鋭い眼光を放つジオンがいる。
「……すまない。だが、これが必要だったんだ」
ギィは、背負った大きな鞄から、奇妙な形状をした魔導機械を取り出した。それは時計の歯車と、泥のエネルギーを中和する触媒、そしてガイウスの薔薇ワインの残留成分を組み合わせて急造された「ソウル・バイパス(魂の回線切替器)」だった。
「奇兵隊の陽動準備は整ったよ」
ジオンが地図を広げる。
「僕の部隊が地上で宗派の拠点を叩く。奴らの注意が上に削がれている間に、お兄様とギィ殿は水脈を通り、儀式の心臓部へ。……そして、潜入している『彼女』と合流するんだ」
ガイウスは、冷たく濡れた剣の柄を握りしめた。
「……カリーナも、そして内なる『紅蓮』も、今この瞬間も戦っている。奴らが彼女という『不完全な命』を使い潰す前に、すべてを終わらせるぞ」
三人は、互いの覚悟を視線で交わすと、濁流の音が響く地下の深淵へと足を踏み入れた。




