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二アマート

「おい水瀬ぇ、機嫌直せよ……」

「…………」

ぷんすこ怒りっぱなしの水瀬を先に立たせて二アマートの自動ドアを潜る。

「謝るからよぉ……ネコちゃんかわいい……いでぇっ」

みぞおちにぽかぽか連打。どうやらそういう事では無いらしい。

「ったく…………」

一旦水瀬から距離をとってカウンターへ向かう。

「えーっと肉まん一丁、それに24番と59番を3箱づつ」

右肘を突いてカウンターの(あん)ちゃんにオーダーすると、一瞬固まったかと思えば弾かれたように店の裏へと逃げていく。

「おいおいなんだァ?」

もう退勤時間ですってか?客待たせて帰っちゃうのか最近のバイトはよぉ……

「お、日生(ひなせ)先生じゃないですか」

「んぁ?」

その声に振り向くと、

「おーやがみんじゃん」

奥のカウンターに見慣れた保険医が居た。

「八神だ八神、どっから仕入れたんだその呼び名」

「んー?割と生徒共みんな呼んでるぞ?」

「ったく……まともに呼んでくれる奴は居ないのか」

「じゃーなんて呼びゃいいんだ? 不良保険医?ヤッガミーン? レオン?」

「全部却下だ。ついでに誰が不良だお前の方が不良だろ」

「酒とか甘いもんたんまり食っときながら生徒にバランス良い食事をーなんて勧める保険医が不良じゃねーわけねーだろ」

カウンターのあっちとそっちでやいのやいのやっていると、

「……ぷっ、麗緒さんが不良って……」

向こうのカウンターの店員が堪えきれずに吹き出した。

「ちょっともみじさーん?」

「だってぇ……」

顔馴染みらしいその店員とまたやいのやいの始めた八神を放置して、さっき店員が引っ込んで行った店の裏手を眺める。おーい店員のスペアは居ねーのか?

「あれ? フォンくんどっか行っちゃった?おーいフォンくーん?」

八神とイチャついていた店員がこっちに気づいて相方を呼びに行く。

「お、お待タセしまシた……」

ようやく後ろから出てきたかと思えば、

「なんでカートンで持ってくんだよ!?」

「ヒィーッ」

悲鳴が上がりカートンがバラバラと床に落ちる。

「ダッてアナタ3ハコて」

「バラコが3つでいいんだよバラでよっ」

いくら何でもそんな吸わねぇよいっぺんに……

「ど、どうしましたお客様ぁ!?」

相方の店員がすっ飛んで来る……のはいいけどなんでカラーボールに手がかかってるんですかね?

「や、タバコ3つ頼んだらカートンが来たもんで」

「アナタ3ハコて……」

「…………あーすまん、確かに言い方が悪かったな……」

留学生ぽい(あん)ちゃんだったもんな……

「悪いな姉ちゃん、それハコ潰れてねぇか?」

「え、えっと大丈夫そうですよ……」

「いや、角やっちゃってんな。悪いから6箱全部貰うわ」

「い、いいんですか!? 日生(ひなせ)先生」

なんだこの店員、あたしのこと知ってるのか。

「いいよいいよ悪いからよ。高くなるようならそこの八神にツケといて下さい」

「おいコラ勝手に人のツケにすんな」

向こうでなんか言ってるけどいいやもう。

「あ、あと肉まんも1つ。お会計幾ら?」

「あ、ありがとうございます。2万6000円になりますー」

「おう? やっぱり結構痛ぇな……やがみん貸して?」

「断る」

「おうふ…………いや払います払います」

財布をひっくり返してなけなしの全財産をカウンターに置くと、なんとか無事会計を済ませて、

「あ、水瀬。お前もなんか買うものあれば……」

振り向いたその先に居たのは、

「すいませんがちょっとお話伺えますか?」

お、お巡り…………?何故ここに…………?

「や、八神ぃ……」

「あ、全く知らない人です」

「…………水瀬ェ」

猫グッズのコーナーで真剣に何かを眺めていた水瀬に話を振るも、ぷい、と顔を逸らしてどっか行っちゃった。

「それでは一旦外にてお話伺いましょうか」

「た、助けてくれぇ…………」

日生拠葉はアメスピとメビウス派です。

てかアメスピ20本から14本に変わってたのね……

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