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Title:烏合の衆
原作:『フクロウの染物屋』
「烏合の衆」
鴉の群れのように、統率なくただ集まっただけの集団のこと。
しかし、俗説的に鴉は鳥類のなかでも頭が回るとされている。
はじめ、
ぼくらは純真無垢だった。
色が無ければ無個性だ。
ぼくらはお互いがわからなかった。
だから、
ぼくらは色を塗った。
清廉潔白じゃなくなってしまったけど……
やがて、
ぼくらは目を手に入れた。
なにもみえないまんまじゃ居られない。
ぼくらは今何処に居るのかをやっと知れた。
だけど、
ぼくらはそれまでを忘れちゃった。
みえるものに頭が支配されちゃったから……
それで、
ぼくらはもっと色を重ねた。
べたべた、ベタベタ、べったべた。
もっともっと、色んなモノを知らないと。
つまり、
ぼくらは強欲だったんだ。
ぼくらにはなにもなかったんだから……
でもさ、
ぼくらは真っ黒になっちゃった。
目がどこにあるかもわからなくなってさ。
鮮やかな世界に憧れたはずなのに。
挙句、
ぼくらは傷つけあう。
牙にするために色を塗ったんじゃないのにね……
Title:烏合の衆
Theme:凡と非凡の差異
Type1:詩
Type2:寓話