Title:人間傘下
おひさまがかがやいてる
ってわかるためには
おひさまをかくす
あめがひつようだったのだ
雨が降れば花開く
体が濡れないように
濡れるアスファルトの上で
花の群れが歩いてく
あか、あお、きいろ
あなたの色はどんな色
みずたま、しましま、チェック模様
あなたの模様はどんな模様
そうやってせわしない花畑を見下ろして
黒か無色透明ばっかりで
ぼくは溜息をついたりして
さあさ、傘を挿しましょう
日差しが降れば花開く
日陰からは出られないから
陽炎が舐める道の上
花はまばらに歩いてく
揺れる花、ふちどりはレース
透ける日差しにごきげんいかが
揺れるレースのさなか、ぽつりと蝙蝠
きっとあなたは貫くひと
そうやって気高い花畑を見下ろして
「おうちに居ればいいのに」と
ぼくは花をむしろうとしちゃったりして
ううん、傘は挿しましょう
きみを伝う水滴ひとつ
きみの心に傘を一輪挿せないものかと
隣で無力感を噛み締めている
ぼくの心は天気雨
傘も持たずにわらってるさ
この淡い極彩色みたいな言葉で
きみの心へ伝っていけないかしら
きみの心はわからないよ
天気がどうなるかなんてわからないし
きみの花はきみが咲かせて?
ぼくはきみを想って勝手に傘を挿し出すだけ
きみに、傘を挿させておくれ
Title:人間傘下
Theme:傘
Type1:詩
Type2:比喩表現