おわりに:“部屋”
“扉”が散在する、白い空間――“部屋”。
“扉”。
それは“物語”が記された“本”であり、“世界”への入り口。
「なぜなら物語とは、ひとを虚構へと誘うものだから」
だから“扉”の形態は、本に留まらない。
世界の片隅を描いた絵画。想像された世界を映し出す画面。空間を泳ぐ映画フィルム。
或いは――本は本でも、画面で読む電子書籍だったり、マンガ本であったり、絵本だったり。
「フィクションの摂取とは、世界へ足を踏み入れること」
そんな“本”たちが収められた、本棚。
並べられた、林檎のスライスをみる。
『逃亡結果』
『天然素材の人形遊び』
『ツクヨミ・ユースフル』
『不変と変遷』
『たからもの』
『「情」の哲学』
『鉄と真綿の少年少女』
『完全無欠の大義名分』
『タペストリーとしゃべる蓄音機』
「よくもまぁ、こんなに書いたもんだな~」
本棚の天板に、文字が彫られている。
Title:このシナリオを書いたのは誰だ?
Theme:それでも僕らはすばらしい
Type1:シナリオ
Type2:ことば
“物語”を収めた本棚も、また“物語”の“扉”である。
「オムニバスとは、そういうものだ」
この本棚を――“扉”を、開けよう。
“扉”を開ける↓
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