03 ハルミスタ
ここは召喚されたとことは違う部屋。
テーブルを囲んで、お茶をご馳走になっております。
お姉さんのお名前は、ハルミスタさん。
とある王国で雇われ召喚業を営んでいたけど、突然クビになっちゃったとか。
しょうがないんで、召喚した人を売る奴隷商人ちっくな仕事を始めたそうです。
ちなみに、私がひとり目だって。
ハルミスタさんって、なんか、危ういな。
今だって、もし私みたいなよわよわ地味娘じゃなくて、ケダモノみたいな若い男だったらどうなっていたんだろう。
「大丈夫、私って結構強いのよ。 攻撃魔法だって使えるし」
いや、そういう問題じゃなくて。
なんか危機管理なにそれな小学生女子がネットの海を救命胴衣なしで泳いでるみたいな危うさ。
「ハルミスタさん、生活に困ってるのかな」
「?」
「もし生活が苦しいなら私も働くから、こんな危ないことやめようよ」
「大きなお世話よ。 だいたいなんでこれから売り飛ばされるあなたに心配されなきゃならないのよ」
たぶんそれは売り飛ばそうとしている娘と、まったりお茶しちゃうようなのほほん召喚主だからですよ。
「私が売られちゃうのはそれはそれでいいの。 ハルミスタさんの方が心配なんだよ」
「あーもう、へんな娘ね。 私のことはいいから、早くお茶を飲んでお風呂に入って着替えてくれないかな。 その格好だと依頼主に変に思われちゃうでしょ」
会心の作品を変な格好扱いされたのはシャクだけど、お風呂と聞いては黙っていられないのがあっちの世界の住人のサガですかね。
案内された脱衣所で、すぽぽんと脱いでいざ浴室へ。
これはっ、洋画でよく見る脚が付いたバスタブ。
お湯にダイブインすると、気分はイーストウッド。
この先、まともなお風呂生活できるかどうか怪しいので、思い残すことが無いようにフル入浴。
ごちそうさま、ええ湯でしたわ。
貧相なりにぴちぴちお肌な私、ざっくり身体を拭いて脱衣所へ。
って、ちょっとハルミスタさん、なにやってるのっ。
「なにコレ、スゴい」
私のコスプレ用勝負下着を広げてまじまじと見るなんて、やめてお姉さんそれだけはご勘弁。
「もしかして、自分で作ったの?」
へっ、当たり前だよお姉さん、欲しいものは自分で作る、それが私のコスプレ流儀。
「何日必要?」
えーと、生地と道具がそろっていれば、上下セットで丸一日。
ハルミスタさんが、いきなり脱ぎ出したよっ。
うっわ、なにソレ、お色気ボディにもほどがあるって。
「早くっ」
なんすか姉さん、私の眼福タイムを邪魔しないで。
「早くっ、採寸」
おや、もしかして下着がほしいのかい、お姉さん。
「恥ずかしいんだからっ、早くやっちゃってよ」
よろこんでっ。