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第8話 白波掃討作戦

第三位階上位

 


 エリアボスの遺骸を回収し、暫く青空を見上げていると、コアからお声が掛かった。



『マスター、早速支配を進めましょう』

「そうだな」



 今こうしている間にも、湿地帯の脅威は迫って来ている。素早い行動が肝要だ。



『およそ5万P程あれば、白波海岸全域の支配が可能です』

「実行」

『完了しました』



 打てば響くコアの応答に頼もしさを感じつつ、早速狩りへ進む。



「大型個体は何匹いる?」

『残り5匹です。ルーセントソードを送り込む事を提案します』

「まぁ、実行だな」



 今は魔力が無いし、俺が出れないならチビ達の安全には変えられないので、ルー先生にやって貰うべきだろう。


 ただし効率は上げたい。5倍ルー先生ならD級の手足を全部切り捨てられるが、トドメとまでは行っていないからな。



「因みにだが、クリミナルチェインも送り込んだらどうなるんだ?」

『効率が向上するかは不明です。余力がある内に試してみましょう』



 それじゃあ早速試してみようか。


 幸いにして今は十二分に余力がある気がしている。

 ……10日以内にバンムオンクラスと相対すると考えると無いのかもしれないが。


 ともあれ、差し迫った喫緊の脅威は無い筈なので、物を試すには絶好の機会。



 クリミナルチェイン5枚とルーセントソード5枚を、マリオネットに使って貰う。


 召喚されたのは、5倍ルー先生と5倍クリミナルチェイン。

 てっきり鎖が20本出るもんだと思っていたが、合体する仕様だったらしい。


 それらは瞬く間に岩場へ降りて行き、姿が見えなくなる。


 少し待つと、コアが口を開いた。



『クリミナルチェインが巨大蟹、仮称グランクスに遭遇、縛り上げました』



 エリアボスはグランサージでそれ以外はグランクスらしい。



『っ! ルーセントソードがグランクスの口に侵入、心臓部を破壊しました』

「……やったか?」



 様式美としてそう答えると、コアは普通に応えた。



『生存。ですが瀕死であり、間も無く力尽きる物と思われます。クリミナルチェインとルーセントソードは標的を変え、次のグランクスへと攻撃を開始しています』

「おぉ……!」



 まぁ、消費ポイント的には1体までは狩れて不思議じゃない。


 問題は次だ。



『同様の方法でグランクス2体目を撃破、更に次の個体を捜索中です』

「よしよし」



 2匹目を狩れた時点で、効率は確実に上がっている。

 どうやら、クリミナルチェインが相手の動きを止め、ルーセントソードが弱点を的確に突く事で、消費魔力を抑えつつ敵に致命打を当てられている様である。


 確殺では無く瀕死で放置と言う点も大きいだろう。



『3体目も撃破、その後ルーセントソード、クリミナルチェイン共に残魔力で付近の蟹を攻撃、撃破しました』

「よっしゃ、効率かなり良いみたいだな!」



 D級を3匹も仕留め……きっては無いが致命傷を負わせられるのはデカい。

 まぁ、D級でも下位の方ってのが大きいのかもしれないが……思えば今まで戦って来たD級は強い奴ばかりだったし、こう言う気楽な狩りがあっても良いだろう。


 第二陣に送り込んだ5倍ルー先生と5倍クリミナルチェインが、無事残り2体のグランクスを撃破し、しぶとく生きる5体が無事絶命するのを待ってから、第三陣、蟹殲滅部隊を送り込んだ。


 奴等には悪いが、此方を害し得る敵性存在は殲滅させると決めている。

 代わりと言うにはあまりに身勝手だが、墓を建てるとしよう。



「殲滅は問題無いな?」

『はい、マスターが参戦せずとも問題無いかと』

「それじゃあ第三拠点を作ろう」

『承知しました』





 場所は変わって白波海岸西部岩場からやや北に行った森の中。

 一応白波海岸として支配した、かつてゴルボルズとの決戦があった地から程近い場所だ。


 ここに地下砦を建設する事とした。


 理由は主に2つ。



 1つは、白波海岸用の墓を建てる為。


 意味があるかはともかく、あくまで気持ちの問題だ。



 2つ目は、峡谷攻略の中継拠点とする為。


 今1番にすべきは湿地帯の攻略だが、やがては峡谷の攻略も行う為、今の内に拠点を建てておく訳である。



 第三拠点は、トレーニング施設を充実させた。


 射撃訓練と筋トレ、短距離走や持久走、剣術訓練の巻藁等に、瞑想用の施設で、合計1万DP。


 そこでは、ドールやマリオネット、シャドー達を常に訓練させ、その能力の成長を計る。



 建設が終わる頃には、蟹の殲滅も終わっていた。



『獲得DPはおよそ5万DP程度になりました』

「よしよし、順調だな」

『狭い範囲に群生していたのは、袋小路の森への侵攻を狙っていた為と言う可能性があります』

「へぇ」



 まじかよ、案外危ない所だったんだな。



『また、新たな資源を獲得しました。ご覧ください』

「どれどれ……」



 提示されたのは、金銀財宝的な何か。


 先ず最初に注目したのは、透き通った黄色の石だ。



『此方は琥珀です。少数ですが確保出来ました。現時点での使い道はありませんが、宝石類は魔力を宿しやすく、なんらかの魔法の触媒として利用可能です』

「成る程」

『同理由で、真珠、宝石珊瑚、翡翠等も資源利用可能です』

「翡翠はちょっと置いとこうぜ」

『承知しました』



 あの景色が無くなるのは勿体無い。


 もし必要な時が来たならば使い尽くすが、それまではあの綺麗な景色のままで良いだろう。


 そして最後に、白いけばけばした物体と、どう見ても海藻の2種類を見た。



『片方は寒天の代用素材として、もう片方はワカメの代用素材として利用可能です』

「成る程」



 料理のレパートリーが増えると言う事ですね。


 俺は感謝の五体投地を、コアがいる東方へ行なった。



 そんなこんなで、新たな資源を得つつ、ゴブリン達を交えた宴会でグランサージやグランクスの肉を盛大に喰らい、21日目は終わりを迎えた。



 その翌日、それは唐突に訪れた。



 

 



名前:Unknown

性別:男

年齢:Unknown

神霊階梯:第三位階上位

神霊数値:【20】

技能力:

『短剣術』

『体術』

『射撃(NEW)』

『照準』


『瞑想』

『魔力感知』


『思考明瞭』

『隠密』

『疾駆』

『耐久走』

『怪力(NEW)』


『木工』

『石工』


『痛撃耐性』

『精神耐性』


『???の瞳』

『ーー神の加護』




◇◇◇Next stage◇◇◇



◇◆◇湿・地・帯◇◆◇



 

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