第8話 支度を済ませ
第三位階中位
少し走り、木工を進め、気分転換に化石掘りをした。
残念ながら掘り出した魚の骨は無惨に砕け散った。
あれこれやった後、いよいよコアの収納に転送されて来たらしいナイフと銃の確認だ。
先ずはナイフ。
『名称はシンプルにペインナイフ。痛みを増大する効果が付いた他、召喚術式によりアポートと唱える事で手元に引き寄せる事が可能になりました。また、多少の欠損なら自動で修復可能となり、汚れは浄化されます』
「手入れが要らなくなったか」
『血糊を拭うくらいはしておいた方が良いかと』
渡されたナイフは、元々鈍色をしていたのが今は黒く妖しく光っている。
形状も若干の反りが出て、峰の部分は刺々しい攻撃的な意匠だ。
蟻の女王の牙、と言うかサジェカント達の見た目とかなり似通った形状をしている。
軽く振り回してみるが、やはり以前と少しだけ重量と重心が異なる。
いや、かなり見た目変わったし、少ししか違わないのは凄いんじゃないか?
最後に軽く放り投げる。
「アポート」
落ち切る前にそう唱えると、手元にナイフが現れた。
魔力の消費がちょっとある様だが、気にならない程度だ。
次はとコアに向かい合う。
『次に、マナキャスターです』
現れた銃をキャッチする。
大きさは変わらないが、色が変わった他白い意匠の社の様な紋章が付いている。
『内部容量が増大し、装填数が4発から8発に増加。見た目には分かりませんが銃身が伸びており、刻まれた複数の術式によって射程距離が増加。また、マナバレットが放てる様になっております』
「マナバレット……攻撃系術式とやらか」
銃口を壁に向け、試しに1発撃ってみる。
「マナバレット」
唱えるや、魔力がそこそこ吸われ、透明な何かが空を切る。
カンッと高い音が地底湖に響いた。
当たったと目される地点に行くと、あったのはほんの微かな傷。
「……E級ちょっとって所か」
『妥当です』
これなら鎧猪の甲殻を一枚くらいは貫けるだろうな。
現状戦闘であまり使わない魔力を使えるのがポイント高い。
『最後に、予備のナイフ……です』
「ナイフ……か」
出て来たそれをキャッチする。
形状は、ペインナイフが大振りの片身であるのに対し、これは棒、と言うか針と言うか、細長い何かだった。
鍔はあるが、その先の刀身が錐の様な形状で……サイズ感的には完全に箸である。
象牙色の箸、予備のナイフの予定だったからアイボシと呼ぼう。
『変な事を考えていますね』
「ギックリ」
『変な言葉を口にしないでください……これは刺突剣の類いですね、分類上はミセリコルデと言えるでしょう』
なんだって? ミセリコルデ?
「ミスでリコール?」
『ミセリコルデ。死を待つばかりの者にトドメを刺す剣です。効果は真逆ですが』
「詳しく」
介錯の逆ってなると苦しめて殺す的な感じか?
コアは切り替える様に、パチリと明滅した。
『名称はサーペンタイン。ペインナイフ同様に自動修復と浄化、召喚機能が付いている他、任意で先端から魔法毒を発生させる事が可能。毒は対象の動きを鈍らせ、積極的に生命力と打ち消し合います』
「成る程」
毒出ろと念じると、先端からぽたりと透明な液体が滴った。
試しに触れてみる。
「……ぬるっとしてるな」
『血と同程度の粘性です』
「馴染みやすいって事か」
『指先に何か感じませんか?』
指先……言われてみると、ピリピリしてる様な……?
試しに魔力の動きを見てみると、循環する魔力が指先で減少しているのが分かった。
生命力は魔力って事だな。そんで触れてるだけでもダメージにはなると。
「成る程な」
『尚、先端部は多量の生命力を感知するとそれを吸収して毒を生成し続けます』
「……生命力と魔力の違いは?」
『生命力とは、凡ゆる生命を癒し凡ゆる障害に対抗する生属性魔力に、複雑な個人属性魔力が混ざり合った物を言います』
ふむふむよく分からん。分からんが、凡ゆる障害に対抗すると言う事は……体内にあるし白血球的なあれなのかね? それに個人属性なる物が混じっていると。
『要約すると、極めて使い勝手の良い属性魔力の事です。マスターが感知しているのは生命力であり、それを礎に得意属性の魔力、続いて純粋な魔力を感知出来る様になります』
「成る程」
つまり……その便利な力を積極的に消耗させると言うこの毒はかなり強力と言う事か。
それと、生命力を感知出来ているらしい俺は、次はおそらく闇属性魔力を感知出来る様になるのが手順って事だな。
取り敢えず現時点でパッと思い付くのは、この毒に触れ続ける事で毒耐性的なスキルが取得出来る様になるんじゃないかと言う所。
「良い武器を貰った」
『……自分に刺したりしないでくださいね?』
「取り敢えず触るだけにしとくわ」
『それが良いでしょう』
差し当たり慣らしが必要だ。
特にサーペンタインは取り回しが異なるから、それなりに練習が必要だろう。
一通り終わったら、勇猛大平原の調査に乗り出すぞ。
《11日目》
【出費】
チッピ×101 101P
チェス・ミニマムポーン(黒) 1P
酒 1P
猪口×10 1P
木工工具 300P
石材加工 650P
伐採加工 500P
植樹 500P
畑用土 300P
魔道具加工 18P
活心 1P
合計:2,373P
【収入】
地脈吸収 1,400P
生産量 14,360P
ゴブリン生産量 49P
子熊生産量 0P
その他生産量 452P
その他 87P
合計:16,348P
所持DP:19,691P
【所持アイテム】
木材(大)
木材(小)
ゴーレムの土塊
熊?の牙×131
熊?の爪×131
熊?の毛皮×131
熊?の骨×131
熊?の魔石×131
熊?(大)の牙×5
熊?(大)の爪×5
熊?(大)の毛皮×5
熊?(大)の骨×5
熊?(大)の魔石
バンムオンの牙
バンムオンの左腕
バンムオンの骨
バンムオンの壊れた甲殻 ×10
猪?の牙×422
猪?の毛皮×211
猪?の骨×211
猪?の大甲殻×844
猪?の甲殻×2,321
猪?の魔石×211
猪?(大)の牙×8
猪?(大)の毛皮×4
猪?(大)の骨×4
猪?(大)の大甲殻×16
猪?(大)の甲殻×44
猪?(大)の魔石×2
巨猪?の牙×2
巨猪?の毛皮
巨猪?の骨
巨猪?の大甲殻×4
巨猪?の甲殻×11
猪主?の牙×2
猪主?の傷痕毛皮
猪主?の骨
猪主?の甲殻×8
猪主?の壊れた甲殻×3
鹿?の角×48
鹿?の毛皮×22
鹿?の魔石×22
蛇?の皮×128
蛇?(大)の皮×18
サジェカント(卵)の魔石 ×190,000
サジェカント(蛹)の魔石 ×100,000
サジェカントの魔石×203,658
サジェカント(大)の魔石×114,249
鼠?の毛皮×12,776
兎?の毛皮×857
魚?肉×1,432
蜂?蜜×180
中級ポーション×270
下級ポーション×200
初級ポーション×10
空の小瓶×390
薬草?
バド・アードの実×620
調理済み熊肉×2
調理済み大熊肉×27
調理済み大猪肉×30
調理済み猪肉×9
調理済み蛇肉×9
調理済み兎肉×9
調理済み熊主肉×40
パーティー料理×45
ポーション配合子熊用乳飲料×4
鉄 9t
魔鋼 990k
火破石×9
水破石×9
風破石×9
土破石×9
使用済みルーセントソード×95
ルーセントソード×7
使用済みピットドロップ×10
使用済みファイアーボール×100
使用済みウインドカッター×100
使用済みストーンシュート×100
使用済みウォーターストリーム×100
使用済みシャイニーレイ×100
使用済みマナアーマー×2
木工工具×61
石工工具
制服一式
支配領域の急拡大、及び洞窟周辺の駆逐により、洞窟への侵入者はゼロでした。
バンムオンの攻撃による気が残っているのも大きな影響を与えた物と思われます。
【兵力】
《?級》
バド・ユレイドの種×2,450
プチモームの卵×500
《H級》
ジェリー×951,200
ペルタ×2,220,930
ピッド×3,015
チッピ×101
プチモーム×500
プチモルム×500
バド・ユレイド×1,000
ピグマリオン×492
チェス・ミニマムポーン(白)×501
チェス・ミニマムポーン(黒)×501
シャドーウォーカー×1,000
《G級》
ゲル×226,800
グミ×97,800
プチスライム×25,400
ペペルタ×679,336
グァーム×75,804
ピルンド×5,717
ノルメリオ×1,279
プチモースー×300
バド・アード×1,070
ユレイド×30
ウッドワーカー×494
シャドーハイカー×3,881
《F級》
スライム
ビックモーム
ユガレイド
アレイ・イール
ノルメリオ・ガウル
マリオネット
シャドーシーカー
《E級》
マスター