表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
46/115

第45話 侵略者を全うする

第三位階中位

 



 魔力感知を取得した後の瞑想の世界は、とても輝いて見えた。


 天へと渦巻く黒と黄の螺旋。輝き舞う銀の星と月。よく集中して見えるそれは、多分俺の魂により近い部分なのではないだろうか?


 所謂深淵とでも言うべきそれから視線を外し、より浅い所を見ると、そこでは主に黒味の強い何かが体内を流動しているのをはっきりと感じられた。


 ただ感じるだけで、全くそれを動かす事は出来ないのだが……。

 なんとなく手足とかに力を入れようとすると、そこへ流入する魔力らしき物が増加した様な気もするが……気の所為かも知れん。


 それと、体外へとどうにか視線を向けようとして見たが……これが、どーにもならん。


 先ず基本的に外側は何も見えない。感じられない。

 シャドーに触れていると、黒っぽいのがじわじわ感じられる様な気もしたが、それ以外は何も感じないのだ。


 ただしコアは例外で、抱き着いていると青っぽい銀色が体内にまで浸透して来る。


 これが地脈のパゥアー。パワースポットで感じられる霊験の様な物なのではないだろうか? 健康になりそう。


 また、この魔力感知によって、何となく分かったのが……体内の魔力を意識すると、乱れてた流れが気持ち綺麗になって、同時におそらくなんだが……流れが綺麗になれば外部から魔力を吸収しやすくなっている感じなのではないかと……いや良く分からんけども。


 取り敢えずはっきりと言えるのは、意識して綺麗になれと念じるのが大切と言う事と、その外部から入って来てる感をより良く見極めれば、外部の魔力を感知出来る様になるのではないか? と言う所だ。



 そんなこんなで、心なしか疲労感も少なめになった瞑想で魔力を回復させ、ピグマリオンをひたすら治療し、夜が明けた。





 朝になって最初に取り組んだのは、ゴブリン砦の設置だ。


 現場に徒歩で向かい、30Pを使用して、古びた砦や半ば壊れた家、鍛冶場、扉などを設置した。

 砦や家なんかは、基礎を作る為に大地と接続するとかで、専らDPが掛かったのはその部分。



 その際に、若干疑問に思っていたある事をコアに聞いた。

 コアがアイテムとして回収出来る物の判定についてだ。


 まぁ、森とか山とかが支配下になって、効率を追求する上で必要だと感じたからだな。


 その説明によると、植物。微小細菌類。非活性化状態のゴーレム。石化及び凍結状態の生物等を、アイテムとして回収する事が出来るとの事だった。

 要は、魂が活性化してない物ですとか何とか。もっと言えば自己の所有権を主張していない存在ですとの事。


 それと同様の理由で、他者が所有権を持つ物の回収も出来ないらしい。

 ゴブリン達のアイテムを回収出来たのは、ゴブリン達が俺の隷属下に入ったと認識した点が大きいんだとか。


 疑問に思う前に答えてくれる、コアぐう有能。ぐうの音どころか首を傾げる必要すら無いね。



 そうして砦を再設置した後、いつのまにか『鬼子幽淵』と命名されていたゴブリン達の新しい巣穴を解放。

 おそるおそる出て来た彼等と一緒に、33体の戦士達を弔った。


 砦から少し離れた所に石壁で囲まれた墓地を作り、33体を埋め、共同墓地として葬った。

 良い酒らしい物を33本供えるのも忘れない。


 そうして彼等なりの葬式を終え、暫し黙祷した後は、勝利を祝った大宴会だ。


 悪魔の豆と熊の肉。酒はコアチョイスの甘くて濁ってる奴。あんまり酔わない物らしい。


 彼等にとっての畏怖の象徴。バンムオーンを倒した事を祝う大宴会は、あんまり酔わない酒で奴等が酔い潰れるまで続いた。

 俺は最初の方しか居なかったが、多分彼等にとってあの戦いは、神話だったのだろう。


 俺もマジでそう思う。現代兵器でも仕留め切るまでに相当な被害を出すだろうよ。





 持久力強化の為、ポーションを咥えながら軽く走り、コアの報告を聞く。


 うきうきしながら話すその内容は、勿論魔物関連だ。



『先ずはジェリーですが、昨日の時点で6万を越えた彼等は、熊を多量捕食した事で3倍に増殖。184,800匹となり、そこから12,600匹が進化しました。内訳はプチスライムが2,500。ゲルが3,100。グミが7,000です』

「ジェリー系の総数はざっと20万って所か? 第二の増殖系なだけあるな」

『更に、ゲルが25,500増加し合計で33,700匹。グミが4,800増加し、合計14,200。プチスライムが1,000増加して4,501になりました』



 ふむふむ、つまり20万くらいって事だな。増えすぎ。普通に考えたらね。



『次にペルタですが、現在294万と70匹です』

「おけ」

『進化個体もおり、2,400匹がグァーム。21,600匹がペペルタになりました』

「おけ」



 おけ。


 ……大体3,000Pくらい?



『尚、増殖限界数に到達している為、これ以上の増殖には住居エリアの拡大が必要です』

「……取り敢えず保留かな」



 投資という点から見ると早めにやりたい所だが、今は何か別のエリアボスとかが発生したりしない内に支配を進めておきたいしな。



『では次ですが、バド・ユレイド500体が進化しました。内訳は490体がバド・アード。10体がユレイドです』

「ふむ」



 増殖系の増加もありがたいし……イモムシマンションもアリガタイナ。



『また、プチモームの卵が孵化してプチモームが500体増加した他、新たに500個の卵がユレイドに産み付けられました』

「ソノヨウダネ」



 ユレイドの方に産み付けたのは、そっちの方が栄養があるって事か?

 初期ユレイドに産み付けられなかったのは、多分奴の住居として見られているからだろう。


 ……ユレイドを食べ尽くす勢いってどうなんだ? 膨れて弾けるんじゃないか? コワィョ……。



『それらに加え、バド・アード590体が実を付けた為、種が2,950個あります。ゴブリン用の豆畑拡張も必要である為、畑の拡張は必須事項であると考えます』

「そうだな。豆畑にイモムシに、追加のバド・ユレイドを育てる畑。全部拡張が必要だ。幾らになる?」

『差し当たって不自由なき様拡張すると……2,000P程度必要です』

「実行で」



 正直痛いが、ゴブリンの餌を増やすのは現状最優先。それに伴うバド・ユレイドの成長用畑と……生まれて来るイモムシ達の住処の拡張。これらは必須だ。

 


『完了しました』

「お疲れ」



 さてさて、後現状俺に出来るのは……鍛える事くらいだよな。


 ……いやいや、1人で勝手に判断したらダメだよな。

 それで失敗したばっかなんだから。



「……DPを手早く集める方法。なんかないか?」

『そうですね……手っ取り早い幾らかの手段の内、現状を考慮すると……袋小路の森南東部の生物を全て駆逐する事を提案します』

「えぇ……いや待て、そうか、良いのか」



 生態系とか色々考えて最初っからダメなもんだと思ってたが、データ取ってるから後から再現余裕な感じだったな。

 ……あとアレだ、今までは、敵もしくは敵になる者。だったから何の躊躇いもなく戦えたが、今回はこっちが侵略者だ。対処的行動ばっかりで、その案が頭になかった。



 よしよし、そうだそうだ。俺達は侵略者だった。


 だからと言って問いを放棄する事は無いが、無辜の先住民を駆逐するのは選択肢の一つとして持っておこう。



「……よし、それじゃあ、狩りに行こう!」

『私がナビゲートします。大型個体を避ける。もしくはルーセントソードを使わせる事で、マスター以外も戦力として扱う事が出来ますが?』

「OK。安全第一でな」

『お任せください』



 さぁて、幾ら稼げるかね。





 コアナビの指示に従い、ルーセントソードやノルメリオ、ピグマリオンと協力して、大型生物を駆逐した。

 その大半は、北部の争いから逃れて来た熊や猪だ。


 これらの狩りを終えた次は、蛇や兎等の此方を殺し得る力を持った連中を片端から殲滅。


 支配領域の境目を監視しつつ、ジェリーゲルグミプチスラ軍団を投入。ノルメリオやピグマリオンにカバーさせつつ、日が沈むまでにほぼ全ての生物を駆逐した。


 合計取得DPは、40,218P。


 おまけに幾らかの蜂蜜と大量の薬草、枝、そして川魚とナマズっぽいのが手に入った。



 これらの資金で南西と北東の森を支配。


 我等がエース、シャドー軍団を加えた事で、チビ達の機動力及び攻撃力が倍以上に上昇し、満遍なく殺戮して30,000Pを稼いだ。


 こうして袋小路の森全域の支配は完了した。



 案外簡単だったな……と思っているとダークサイドに落ちそうだし、奪い取った命にせめて感謝する。


 この方法は、生態系をバッキバキに破壊する。

 おそらく、半年後くらいには森が枯れ始めるだろう。


 影響が直ちに出る部分もあれば、むこう数十年は出ない所もあるだろうが、滅びに向かうのは間違いない。


 ……殺戮は最期の手段にする事が決まった。



 

 



《10日目》



【出費】


支配領域拡大 84,000P

地脈吸収量増加 8,400P


活心 1P


畑拡張 2,000P


ゴブリン砦再設置 30P


酒×33 33P

濁酒×100 100P


合計:94,564P



【収入】


地脈吸収 1,400P

生産量 4,077.2P


ゴブリン生産量 49P

子熊生産量 0.0P

その他生産量 444P


猪? ×48 3,100P

熊? ×31 1,860P

鹿? ×22 1,100P

蛇?(大)×12 96P

蛇? ×106 636P

鼠?(黒)×382 764P

兎?(脚)×247 1482P


その他

小虫×451,580 45,163.4P

鼠?×12,659 10,127.2P

兎?×822 2,466P

鳥?×75 300P

魚?×1,432 1,432P

水棲生物×17,154 1,715.4P



合計:76,212.2P



所持DP:5,716P



【所持アイテム】



石塊(中)×500

石片


木材(大)

木材(小)


熊?の牙×131

熊?の爪×131

熊?の毛皮×131

熊?の骨×131

熊?の魔石×131


熊?(大)の牙×5

熊?(大)の爪×5

熊?(大)の毛皮×5

熊?(大)の骨×5

熊?(大)の魔石×5


バンムオンの牙

バンムオンの左腕

バンムオンの右腕

バンムオンの傷痕毛皮

バンムオンの骨

バンムオンの壊れた甲殻 ×10

バンムオンの甲殻 ×3

バンムオンの魔石


猪?の牙×422

猪?の毛皮×211

猪?の骨×211

猪?の大甲殻×844

猪?の甲殻×2,321

猪?の魔石×211


猪?(大)の牙×8

猪?(大)の毛皮×4

猪?(大)の骨×4

猪?(大)の大甲殻×16

猪?(大)の甲殻×44

猪?(大)の魔石×4


巨猪?の牙×2

巨猪?の毛皮

巨猪?の骨

巨猪?の大甲殻×4

巨猪?の甲殻×11

巨猪?の魔石


猪主?の牙×2

猪主?の傷痕毛皮

猪主?の骨

猪主?の大甲殻×2

猪主?の壊れた大甲殻×2

猪主?の甲殻×8

猪主?の壊れた甲殻×3


鹿?の角×48

鹿?の毛皮×22

鹿?の魔石×22


蛇?の牙×128

蛇?の皮×128

蛇?の骨×128

蛇?の魔石×128


蛇?(大)の牙×18

蛇?(大)の皮×18

蛇?(大)の骨×18

蛇?(大)の魔石×18


鼠?(黒)の歯×441

鼠?(黒)の毛皮×441

鼠?(黒)の魔石×441


兎?(脚)の歯×267

兎?(脚)の毛皮×267

兎?(脚)の魔石×267


サジェカント(卵)の魔石 ×190,000

サジェカント(蛹)の魔石 ×100,000

サジェカントの牙×228,658

サジェカントの魔石×203,658

サジェカント(大)の牙×114,249

サジェカント(大)の魔石×114,249

サジェカント(女王)の牙×12

サジェカント(女王)の魔石×7

サジェカント(主)の牙


鼠?の毛皮×12,776


兎?の毛皮×857


魚?肉×1,432


蜂?蜜×180


中級ポーション×270

下級ポーション×200

初級ポーション×10

空の小瓶×390


薬草?


バド・アードの実×620


プチモルムの繭×300


調理済み熊肉×4

調理済み大熊肉×27

調理済み大猪肉×30

調理済み猪肉×9

調理済み蛇肉×9

調理済み兎肉×9

調理済み熊主肉×40


ポーション配合子熊用乳飲料×7


鉄 10t

魔鋼 1t


火破石×9

水破石×9

風破石×9

土破石×9


使用済みルーセントソード×95

ルーセントソード×7

使用済みピットドロップ×10


使用済みファイアーボール×100

使用済みウインドカッター×100

使用済みストーンシュート×100

使用済みウォーターストリーム×100

使用済みシャイニーレイ×100

使用済みマナアーマー×2



木工工具

石工工具


ナイフ

魔導投擲器(銃型)

制服一式



 本日は猪や熊の群れと比較しても遜色無い程の獲物を食べさせる事が出来ました。

 もうそろそろ次の段階に進化しても良い頃合いです。


 それと……マスターは命を平等だとお考えの様ですが、DPは魂から回収されるエネルギーの規格を合わせたポイントです。

 その事から分かる通り、魂は等価ではありません。


 今後それを理解して貰わなければならないでしょう。




【兵力】



《?級》

バド・ユレイドの種×2950

プチモームの卵×500


《H級》

ジェリー× 172,200

ペルタ×2,940,070

ピッド×6,030

プチモーム×500

バド・ユレイド×1,000

ピグマリオン×986

シャドーウォーカー×2,928


《G級》

ゲル×33,700

グミ×14,200

プチスライム×4,501

ペペルタ×32,110

グァーム×3,891

ピルンド×3,320

ノルメリオ×677

モーム

プチモースー×300

バド・アード×590

ユレイド×11

カースドピグマリオン

シャドーハイカー×1,954


《E級》

マスター



《その他》

ゴブリン?×481

子熊×2



 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] ユキさんの方にもつながってきそうな話があって面白いですね
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ