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第21話 夜に白い影

第?位階?位

 



 特に何事も無く、回収作戦は続く。


 マスターは一人、短剣術と体術を織り交ぜた仮想戦闘訓練や体捌きを続けており、少しずつ確実に強くなっている。

 魔物各位も自己研鑽を続け、確かに成長している。


 けれど、森の支配者の推定ランクはD級。今の戦力ではとてもお話しになりません。


 不安要素は摘み取らなければならない。


 このまま何事もなく回収が終われば良いのですが……そうはならないでしょう。

 何せ……複数回収された遺骸から、魔石だけが綺麗に食いちぎられているから。


 何か高い知能、魔力感知能力を持った個体が付近にいる筈です。


 いつ気付かれ、襲撃されてもおかしくない。


 マスターの心労を考慮して、その事は告げませんが……死者が出た場合は一緒に十字架を背負って貰いましょう。


 ともあれ、現状此方側から何かをする事は出来ません。シャドーウォーカー達の武運を祈る事しか出来ないのはもどかしいですが、致し方ない。他のタスクを片付けましょう。


 視点を別の場所に変更する。


 先ずはゴブリン。


 複数体の負傷個体も、バド・ユレイドが育てた魔界の豆の治癒効果で回復済み。

 迷宮の魔力と十分な餌を得ている為、20体全てが健康であり、明日もしくは明後日には更に10体程増殖する物と予測できます。


 早めに魔物使役の機能を解放したい所ですが……F級の使役機能を解放するには10万P必要なので、現状では難しいと言わざるを得ないでしょう。

 サジェカントの巣窟を殲滅出来ればその限りでは無いでしょうが、安全性重視で事を進める必要がある為、もう少し様子を見ましょう。



 件のサジェカントの巣では、問題なく暗殺が成功しています。


 現時点で既に1万と追加で4千の通常個体駆除が完了しており、2,800DPを入手。その遺骸は影をシャドーウォーカーが喰らい、残りをジェリーに与えている。

 これ程の餌と戦闘経験、魂魄エネルギーを得られれば、明朝にも何かしらの変化が起きる筈です。


 それでマスターの心労を少しでも減らす事が出来れば良いのですが……G級からF級に進化するにはまだもう少し掛かるでしょうね。


 もう間も無くプチモルム達も羽化するでしょうし……ふふ、楽しみですね。


 地底湖の方は、猪の細切れを与えてあるので、明日には爆発的に増殖する筈ですし、進化もする可能性があります。

 ピッド達も同様。魔獣の血肉を得た彼等は進化するでしょう。


 それだけの規模のG級の群れともなれば、死を厭わず戦えばD級とも戦えるでしょうが……ほぼ全滅となればその後の防衛力や侵食力に大きな影響が出るでしょうし、その他の要素にも多大な影響が出ると考えられる為提案はしません。



 地表部分はこのまま監視を続けるとして、後は此方に利する何かがないかの調査ですが……付近に大きな鉱脈がありませんね。小さいのなら散見されますが、取りに行くには旨味が少ない。

 原因は地底湖でしょうか? 大鳴蟻塚の付近にもありません。


 まぁ、南部に鉱脈がない事は予想の範疇です。

 鎧猪の生息域から鑑みて、袋小路の森北東部には巨大な鉱脈があると予測されるので、それに期待しましょう。


 猪程度では巨大鉱脈の最も重要な中心部まで辿り着けないでしょうし、そこに存在すると目される魔法金属はもう手に入れた様な物です。





 ふむふむ、状態が悪い為何とも言えませんが、このうさぎは脚部の回路が高出力の魔力に耐え得る構造をしています。

 この事から、逃走、又は跳躍に高いアドバンテージを持つと言えるでしょう。


 推定ランクはG級。仮に全力の蹴りをくらえば骨の一つや二つ簡単に折れるでしょうね。生体解析アナライズの導入が待ち遠しいで——



『——む』

「ん? なんだ、どうした?」



 ふと、シャドーウォーカー達の近くで妙な反応が動いた気がして、直ぐに視線を移します。



『暫しお待ちを……これは……?』



 何かが支配領域の上を行ったり来たりしている様ですが……っ!?



『白狼です! シャドーウォーカー達の付近に白狼が現れました!』

「まじかよ……気付いてんのか?」

『おそらくこの迷宮を襲撃してきた個体かと思われますが……影には気付いている様子です』

「やべぇな……」



 特に襲う様子も見せず周辺をウロウロしているのは何故でしょう? とにかく一度運搬停止の指示を出しましょう。



『白狼はシャドーウォーカーの周囲を彷徨いています……これは、生物だと気付いていないのかと』

「妙な現象が気になるみたいな感じか? アイテム回収してるとこも見られてたかもな」



 マスターは金糸雀の目を細め、地面を見詰める。

 マスターが目を細めた時は、覚悟を決めようとする時ですね。



『……マスターの転送は不許可です』

「……俺じゃ勝てないってか?」

『今詳しく見た所、この白狼は先の襲撃時より少し力が増大しています。おそらく遺骸の魔石を食らった犯人でしょう。推定ランクはE+級です』

「それでも魔法符スクロールを使えば……」

『狼は通常群れる物。付近に群れが控えている可能性もあります。これだけの強個体が統べる群れの脅威度は、D級にも届き得ます。敵対は余計な被害を産む可能性もあるでしょう』

「……」



 何か別の手段で追い払う必要がありますが……。



「……逆に餌をやれば良いんじゃないか?」

『ふむ……満腹になれば好んで襲う事もないでしょうね。小物の遺骸なら山程転がっています。大物を与えなければならないかと』

「シャドーウォーカーの命には変えられないだろ。熊をだそう」

『承りました』



 捕食をその場で行なったとしても、眠る為に場所を移すでしょう。試してみる価値はあります。


 熊を丸々1匹出すと、白狼は暫しその周りをウロウロした後、熊を引きずって山側へと向かいました。



『……熊を咥えて立ち去りました』

「熊を咥えて? やべぇな。流石E級上位」



 冗談みたいな事しやがる。と考えてますね。まったくです。


 ともあれ、これで少なくとも今夜中の危機は去ったと考えて良いでしょう。



『早急に遺骸回収を進めます』

「頼む」



 急ぎたい所ですが、見落としが襲撃を早める原因になります。

 少し急ぐ様に指示は出しますが、慌てさせて見落とされるのが一番問題なので、マスターには悪いですが、今より早くなってもほんの少し程度でしょう。


 最悪に備えて傷石の用意だけはしておきましょう。



 




《5日目》



【出費】


岩除去 60P

畑用土 60P

竹槍 10P

地底湖整備 1,000P

朝食 1P

昼食 1P

夕食 1P

破石×40 40P

魔法符スクロールブラックミスト×100 100P

魔法符スクロールルーセントソード 100P


ピグマリオン×500 500P


体術 100P


活心 1P

調理 2P

短距離転移 161P

支配領域拡大 2,000P

吸収量増加 530P



合計:4,667P



【収入】


地脈吸収 176P

生産量 61P


ゴブリン生産量 2P

サジェカント生産量 58P


熊?×3 220P

猪?×4 300P

蛇?(大)×2 16P

蛇?(中)×6 36P

鼠?(黒)×14 28P

兎?(脚)×4 26P


サジェカント(小)×14,000 2,800P


その他

小虫×48 4.8P

鼠?×27 21.6P

兎?×8 24P



合計:3,773.4P



所持DP:5,711.9P



【所持アイテム】


石塊(中)×250

石片


木材(小)


熊?の牙×2

熊?の爪×2

熊?の毛皮×2

熊?の骨×2

熊?の肉

熊?のモツ×2

熊?の魔石×2


猪?の牙×8

猪?の毛皮×4

猪?の骨

猪?のモツ

猪?の大甲殻×16

猪?の甲殻×44

猪?の魔石×4


蛇?(大)の牙×3

蛇?(大)の皮×3

蛇?(大)の骨×3

蛇?(大)の肉×3

蛇?(大)の魔石×3


蛇?(中)の牙×11

蛇?(中)の皮×11

蛇?(中)の骨×11

蛇?(中)の肉×11

蛇?(中)の魔石×11


鼠?(黒)の歯×20

鼠?(黒)の毛皮×20

鼠?(黒)の魔石×20


兎?(脚)の歯×4

兎?(脚)の毛皮×4

兎?(脚)の肉×4

兎?(脚)の魔石×4


サジェカントの牙× 40,658

サジェカントの魔石× 15,658

サジェカント(大)の牙× 10,749

サジェカント(大)の魔石× 10,749

サジェカント(女王)の牙

サジェカント(女王)の魔石


鼠?の毛皮×47

兎?の毛皮×8



状態の悪い獣肉(小)×24

状態の悪い獣肉(中)×3



バド・アードの実×50


調理済み熊肉×9

調理済み猪肉×10

ライス×2


火破石×10

水破石×10

風破石×10

土破石×10


魔法符スクロールルーセントソード



 状態の悪い獣肉は消化しやすい様纏めてミンチにしてジェリー等に与えます。翌朝には無くなっている事でしょう。

 また、ゴブリンの重傷個体を癒す為に豆にポーションを仕込んだ事で、ポーションが無くなりました。明日にもポーションの備蓄を提案します。


 後は……保存の必要な素材が多く、停止空間が圧迫されている為、そろそろ空間を拡張するか何らかの使い道を相談します。



【兵力】


《?級》

バド・ユレイドの種×500


《H級》

ジェリー×300

ペルタ×39,000

ピッド×4674

プチモルム×300

バド・ユレイド×1,000

ピグマリオン×1,000

シャドーウォーカー×3,000


《G級》

プチスライム

グァーム

ノルメリオ

モーム

バド・アード×100

ユレイド

カースドピグマリオン

シャドーハイカー×1,001


《E級》

マスター



 

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