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第7話 街に向かう街道でダンジョン勉強中

《しかし、何、これ》

「馬車だよね」


《そうそう、馬車。すごく乗り心地が悪いんだけど》

「そうだね。いつもより急いでいるみたい。揺れが激しいね」


《痛たたっ。こんなに揺れたら私のピカピカに光っているお肌が傷ついちゃうわ》

「ダンジョン・コアって、簡単に傷がついちゃうの?」


《まさか。気分よ、気分。ダンジョン・コアは異時空の存在だから傷なんて着かないわ》

「なら、いいじゃん」


《だけど、気分が傷つくのよ。だいたいあんたのお尻も痛いんじゃないの》

「そりゃ、そうだけど。我慢するしかないんじゃない?」


《対処方法はあるわ》

「どうするの?」


《馬車の中にダンジョンを作るのよ。大きいダンジョンはいらないわね。小さいダンマスルームひとつでいいわ》


なんだかよく分からない話だから、実際にやってもらった。

馬車は僕の借り切りになっていて、御者さんが馬車の外にいるだけ。

なんかしても、ばれなさそうだし。


《それじゃ、ダンマスルームだけのダンジョンを作るわ》

「うん。よろしくね」


すぐに馬車の床に扉が出てきた。

扉を開けたら馬車の進行方向が下になった…床が前になったぞ…すげー違和感。


《だから、上とか前とかそんなのは、異時空存在のダンジョンには関係ないのよ》


よく分からないことは考えるのをやめよう。

とにかく入ってみる。


そこはだいたい1辺が5mの部屋だ。

長屋の大部屋より広いじゃないか。


部屋の中には物入れや棚と言った収納関係。

あとテーブルとイス。

大きなベッドもあるぞ。


《特に指定がなかったから、居心地の良い部屋にしておいたわ》

「ずいぶん、豪華な部屋だ。村長の書斎より豪華じゃない?」


《もちろんよ、あんな小さな村の村長なんかよりずっとダンマスの方がすごいんだから》

「まぁまぁ、ダンマスはおいておいて。ん? それは何かな」


部屋の入口の反対側、奥に当たる壁の近くに1mほどの塔みたい形の物がある。


《それは私の座よ》

「あー、そういうことか。そこに置けばいいのね」


早速、背負バッグからダンコアちゃんを出して、塔の上に置く。

ちょうどいい具合にダンコアちゃんの曲面と合うように、塔の上がなっていた。


《あー、やっぱりここよね》

「気持ちいいのかな」


《そりゃそうよ。私の定位置だから。あと、立派なダンジョンがあれは》

「それはまだ、いいや」


街に着くまで馬車で2日間。

距離にして70㎞もあるらしい。

だから、この部屋でダンコアちゃんとお話をしながら過ごすつもりだ。


作るつもりはないけど、ダンジョンのこと、いろいろと教わった。


ダンジョンを作るためには、エネルギーがいるらしい。

ダンジョン製作エネルギーは、ポイントで計れるらしくて、この部屋を作るのに使ったポイントは10。


300年間、土の埋まった状態でダンコアちゃんが集めたのが3万ポイント。

枝坑道を作るのに使ったのが、100ポイントだ。


「ええー。あれ作るのに1年間かけて集めたエネルギーを使ってしまったの?」

《ええ、そうよ。先行投資よ、ダンマスになってもらうためのね》


「じゃあ、今は2万8900ポイントあるってこと?」

《もっとあるわ。あの集会で随分と回収したから》


エネルギーというのは、自然のエネルギーと人間が発生させるエネルギーがある。

自然エネルギーは強いところと弱いところがあって、ダンコアちゃんの埋まっていたところは、そこそこ強いくらいらしい。


人間の発生させるエネルギーは、感情が動くときに発生して、集会でみんなが喜んだから大きなエネルギーになったようだ。


「あれで、どのくらいのポイントになったの?」

《ひとりあたり5ポイントね。合計1500ポイント》


おおー、意外と多いな。

枝坑道とダンマスルームで110ポイントだから差し引きブラス1390ポイントか。


《そうよ。だからダンジョン作りましょう》

「それは、まだいいや」


そうか、人を喜ばすことをするとポイントが溜まるのか。

それ、がんばればいいのかな。


《人間エネルギーは喜びも悲しみも怒りも一緒よ。強い感情さえあれば、ポイントが溜まるのよ》

「怒りも一緒?」


《そうよ。だから、街を脅して美女とか召し上げるといいのよ。すごく恨まれるからポイントが増えるわ》

「あー、だからダンジョンって、多くの人に嫌がられることをするんだね」


《そうね。世界征服して、人達を抑圧したら世界の人達全員から恨まれて、ガンガンポイントが溜まるわ。やってみない?》

「あー、パス。そこまでしてポイント貯めなくてもいいかなって。あ、そうだ」


《何?》

「人を喜ばせてもポイントは溜まるんだよね。そっちを考えるのはいいかも。あの集会のときみたいにね」


《喜ばせるのは効率が悪いわ。ちょっといい環境にしたら、最初だけ喜ぶの。後は不満を言うだけ》

「不満があれば、ポイントが溜まるんじゃない?」


《不満みたいな弱い感情じゃダメね。恐怖とか怒りとか強い感情じゃないとね》

「そうかぁ、不満はダメか。だいたい喜びの強い感情は続かないのね」


《そうよ。人間ってめんどくさいのよ。喜びを与え続けるなんて無理。効率悪すぎ》

「だからと言って、恐怖とか怒りとかは嫌だな」


だいたいのダンジョンの仕組みはわかったから、良しとしよう。

やっぱり、ダンジョン作りは保留にしておこう。


現在のダンジョンポイント、略してDPは、31390DPだね。


ダンジョン機能はなかなか便利に使えるらしい。


一家に1個、ダンジョンコアがあるといいなーと思ったら。


↓で☆☆☆☆☆をクリックしてね。

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