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第5話 村長と条件交渉で金貨がザクザクもらえたぞ

「おい。変なことだけはしてくれるな」

「もちろんだよ」


一つ目の関門、門番はエリーちゃんが話をつけてくれていたから簡単に突破できた。

持ち物検査はされたけど。


僕の背負バッグの中には金鉱キューブが14個とダンコアちゃん。

バッグの上から触って、武器が入ってないのを確認してもらった。


「さて、いきましょう」

「うん。村長に会うところまではよろしく頼む」

「はいっ」


エリーちゃんも緊張しているな。

あせらず、じっくり行くとしよう。


村長さんの家の窓から声を掛ける。

その窓が書斎の窓らしく、村長が一番そこに可能性が高いらしい。


「こんにちわ。食堂のエリーです」

「ん、なんだ? あ、エリーちゃんか。今日は何も頼んでおらんが?」

「今日は別の物をお持ちしました」

「何を持ってきたのかな」

「勝手口を開けてもらえればお見せできます」

「そうか。じゃあ、ちょっと待っておれ」


意外とすんなりいくもんだなぁ。

出前なら簡単にドアを開けてくれるだろうけど、そうじゃないと怪しまれてしまうかもと思っていた。

こんなに簡単に開けると強盗だったらどうするんだろう。


勝手口のドアが開いて、ひとりの老人が現れた。


「おや、君は誰かね」

「僕はタイガで、です」


いかん、慣れない敬語だから噛んでしまった。


「君は坑夫かな」

「いえ、ここの鉱奴をしています」

「そうか。で、エリーちゃん。見せたいものって何かな」

「これです」


エリーちゃんが金鉱キューブを袋から出すと、村長の細くて開いているかよくわからなかった目が真ん丸に開いた。


「それは、金鉱キューブか?」

「そうだよ、金鉱キューブさ」

「それ、どうしたんだ?」

「僕が掘り出したのさ」


ちょっと胸を張ってみる。

顔はドヤ顔になっているだうろなー。


「掘り出したって? ここの坑道でか?」

「そうさ。すごいだろう」

「すごい! 金鉱脈をみつけたのか? それはどこか、教えてくれ」

「ちゃんと教えるから、ちょっと待ってよ」

「なんでだ? なんで待つ必要があるのか?」


村長、金鉱キューブを見て混乱しているみたいだ。

それほど金鉱キューブって、すごい価値があるんだろう。


「金鉱脈の場所は教えるよ。ただ、それには条件があるんだ」

「なんだ? 言ってみろ」

「じゃあ、言葉に甘えていうよ」


条件1つ目、もう掘り出した金鉱キューブは規定通りに評価してもらう。

条件2つ目、見受け額以上になったら僕を鉱奴から解放し、余った金額は金貨でもらう。

条件3つ目、これから金鉱脈を掘り出すのは今の村で活動している鉱夫達が規定通りの条件で行う。

条件4つ目、その話を早々に村にいる人達全員の前で発表すること。

条件5つ目、鉱奴から解放されたら、街までの馬車を手配してもらう。



「えっと。要は、いままでのルール通りってことか?」

「うん。それを曲げないでやってほしいってことです」

「まぁ、それならなんの問題もないが」

「では、約束どおり、これを評価してくださいね」


うん、村長ほどになると、変な細工をしないらしい。

僕は背負バッグから金鉱キューブを14つだした。


「なんと! もう15個も掘り出しておったのか!」

「まだまだ、あるよ。坑道には」

「なんと、もっとあるのか。すごい金鉱脈だな」

「まぁね」


僕とエリーちゃんは村長の書斎に招き入れられた。

そこには、金属の鑑定器があった。


「確かにこれは金鉱キューブで間違いない。ひとつで金含有量が1㎏、15つで15㎏だ」

「うん、そうだね」

「金鉱キューブの価値は金貨50枚、15個で750枚だぞ」

「あ、1つはエリーちゃんの分だから、僕のは14個で評価してね」

「おお、分かった。ならば、タイガ君の評価は14個で金貨700枚の1割で金貨70枚だ」

「僕の見受金はいくら残っているのかな」

「ちょっと待て。台帳を調べるから。細かい数字は後にするとして、ざっと金貨10枚だな」


よし、4つの金鉱キューブだけで身受けした上に金貨60枚も残るな。


「これを受け取って、正式に身受けが終わったことにするぞ」

「うん」

「これで、君は自由だ。さらに金貨60枚を手渡すことになる。さらに故郷村には金貨70枚が仕送りとして渡されるぞ」

「うん!」


なんか、嬉しいな…鉱奴じゃなくなったのも嬉しいけど、村の役に立てるのも嬉しい。

また飢饉があっても、鉱奴ひとり分の貯蓄があるから村人を奴隷にする必要はなくなるな。


「エリーちゃんは、ちょっと特殊だから自由鉱夫として扱うか。取り分は3割になるから金貨15枚だな」

「ええー、そんなにもらえるの!」

「そうだ。タイガ君にお礼を言いなさい」

「タイガ君ありがとう」


あ、エリーちゃんが抱き着いてきてほっぺにキスされちゃった。

エリーちゃんの唇、やわらけー。


「だが、金貨はちょっと待って欲しい」

「「なんで?」」

「そんなにたくさん、金貨はないからな」


まぁ、そうだよな。

ここじゃ、金貨なんてあまり使われることがないからな。


「次の取引商人が来たときなら払えるぞ。それまで待ってくれぬか」

「取引商人が来るの、いつかな?」

「明後日だ。同時に馬車を手配できるな」

「それなら、十分だね」


うん、明後日にすべて計算をして、金貨でもらおう。

そして僕は鉱山奴隷から解放されて、晴れて自由人となった。


資金として金貨60枚も手に入れたから、街に行って商売でもしようかと思う。

これからの人生、思いっきり楽しむとするか!


いよいよ、鉱山の村を出て、街に行きます。

街でダンコアちゃんと何をするのか。


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