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レティシアとルーサー婚約する

 レティシアは婚約候補者辞退が決定した翌日、中等部で卒業試験を受けていた。

無事に終了すると結果が出るまで、カトリーナとミーナとお茶を飲みながら待つことにする。


 笑顔でレティシアに駆け寄るカトリーナ。レティシアも満面の笑顔だ。

「レティシア様、お疲れ様でした。(おめでとうございます。)」

「カトリーナ様、ありがとうございます。(次はカトリーナ様ですね。)

無事に試験が終わりほっとしております。(公爵家交代もきっと無事に終わります。)」

 心の中で語り合っている2人。


「レティシア様、大変でしたね。辞退されるなんて思っていませんでした。」

「まあそうですわね。なかなか許可が下りませんでしたから。(なんでか知らないけど)」

「私も婚約候補者辞退を申込んだのですよ。(早く認めてほしい)」

「そうでしたわね、色々と大変ですわね。カトリーナ様も」

 2人で頷き合う。ミーナは余り話しについていけてないようだ。


「カトリーナ様とミーナ様は最後まで学園に残られるのですか。」

 その質問にカトリーナは首をかしげて考えている。ミーナが先に答えた。

「私はもちろん卒業します。学業面は普通の授業を受けたいので。」

「そうですか。勉強だけではなくて、新しい友人を作る場でもありますから。

ミーナ様が楽しい学園生活を送る事を祈っております。」

「ありがとうございます。レティシア様。」

「私は考え中です。今後の状況によって修正していくと思うので、今はわかりません。」

「カトリーナ様にとって良い方向に行くことを願っていますわ。何かありましたらいつでも遊びにいらしてくださいね。暫くは家族でゆっくり過ごすつもりですの。」

「レティシア様、今まで忙しすぎましたから、少し休んで英気を蓄えるのもいいかと思いますわ。」

「ありがとうございます。カトリーナ様。」

 のんびりと話していると試験の結果が出て、3人揃って校長室の前まで移動する。

「私達はここで待っております。」

 中に入ると、校長先生が卒業証書をもって立っていた。

「ご卒業おめでとうございます。レティシア様。」

「ありがとうございます。」

 証書を受け取ると、校長先生から祝福の言葉を貰い礼をして退室した。

「無事、卒業出来ました。ほっとしましたわ。」

「おめでとうございます。レティシア様。」

 祝福してくれる2人にお礼を言いながら、3人とも自宅へ帰っていった。


 自宅へ戻ると、屋敷が慌ただしいような雰囲気だった。

「お帰りレティシア。卒業おめでとう。よく頑張ったね、レティシアは私達の誇りだよ。」

「そうよ、おめでとうレティシア。それに今日の午後はレティシアにとって素晴らしい午後になると思うわよ。」

「ありがとうございます。家の中が慌ただしいですが、何かございましたか。」

 不思議そうなレティシア。悪い雰囲気ではないのだが、何があったのだろう。


 悲しそうな複雑な顔をしたハワードが、レティシアを見ている。

「今日の午後、ルーサー様と王妃が当家を訪問する。求婚の申し込みだ。」

 びっくりして固まるレティシアだが、嬉しそうな表情になりその後は困惑している。

確かに、後は自分が幸せになるんだって思ったけれど、こんなに早く幸せが来るなんて。婚約を飛ばして結婚となると、嬉しい気持ちと不安な気持ちが両方出てくる。


「ほら、やっぱりレティシアが不安そうじゃないか。結婚は早すぎる、準備期間を考えて婚約にするべきだよ。」

「そうねえ、それじゃあ今日は婚約で、求婚は後日にしましょうか。

 結婚したらルーサー様が領主になるから、領で暮らさないといけないし。王妃様も焦りすぎなのよね。 領運営の事に関してはもう学んでいるから、後は実際にやっていくだけよ。」

「じゃあ、婚約の申し込みに変えて頂かないとね。ちょっと失礼するわ。」

 そういうと、メリーナは私室に戻っていった。

「レティシア様、先に軽くお食事をお願いします。その後準備に入ります。」

「ええ、分かったわ。ではお父様、失礼いたします。」

 レティシアも準備の為に慌ただしく退室していった。


 その後ろ姿を寂しそうにハワードが見ていた。

「レティシアがもう婚約だなんて。寂しいなあ、あっという間に大きくなっちゃって。

でも、恋をしている相手との結婚だ。レティシアの幸せの為には我慢しよう。ルーサーが何かレティシアが傷つくような事をしたらすぐに帰ってこれるようにしてあるとレティシアには話しておこう。きちんと支えてあげないとな。」


 レティシアは軽食を済ませると、お風呂でしっかりと磨かれて香油を肌に刷り込まれていく。お肌をスベスベにすると、今度は髪に美容液を付けてとかし髪をツヤツヤにする。

 その後は服選び。ルーサーに貰ったブローチを付けるので、それに合うドレスを選ばないといけない。婚約の申し込みだし、上品なドレスにするつもりのレティシア。純白はウェディングドレスのイメージなので、白よりの淡い黄色のドレスにした。


 メイド達によって準備が整っていくレティシア。だんだんと緊張してくる。

少女から大人の女性へと変わっていく年齢のレティシア。

準備が整うと、輝くような美しいレティシアが立っている。


「とても美しいですわ、お嬢様。さあ、旦那さま達にも見て頂きましょう。」

 シーナはレティシアを、ハワード達の部屋へと案内した。

中へ入ると、ハワードとメリーナはとても嬉しそうにレティシアを見つめていた。

「なんて美しいんだレティシア。若い頃のメリーナにそっくりだ。勿論メリーナは今も美しい。レティシアのあまりの美しさに、ルーサー様が倒れないといいな。一応医師を呼んでおくか。」

「本当に綺麗よ、レティシア。ついこの前までは子供だったのにこんなに大きくなっていたのね。嬉しいんだけど、なんだか寂しいわ。」

 涙ぐんでいるハワードとメリーナ。恥ずかしそうなレティシアが言う。

「お父様もお母様も、ありがとうございます。そんなに褒められたら照れてしまいますわ。」

 それを聞いて2人とも微笑んだ。

「では、待つとするか。我が家の天使に婚約を申込む者を。」


 時間ピッタリにルーサーと王妃の訪問が告げられる。

 王妃とルーサーが入ってくると、ルーサーがレティシアの美しさに目を見開いて見つめている。すぐ後ろにいた王妃がさり気なくルーサーの腕をつねった。

 気が付いたルーサーは、ここで失敗するわけにはいかないと気合を入れて、まずは互いに挨拶をかわす。


 その後、ルーサーはハワードに、レティシアとの婚約の許可を願いハワードが承諾。

婚約の発表は明日、王から行う事が決定した。王妃主導でものすごい速さで進んでいく。


 王太子の婚約候補を辞退してすぐの婚約になる為、悪いうわさを流させないために、婚約者候補となってすぐに辞退の申し入れを、毎年ずっと行ってきた事も公表する。

 レティシアが優秀な為、王家が手放さなかったとの噂も流しておく。実際レティシアはとても優秀なので、噂の裏付けになって信憑性が増すだろう。


 ルーサー達が帰った後、部屋で休んでいたレティシア。

何だか一度に一気に起きて、さすがに疲れ気味である。

 ルーサーへの恋を自覚した後は、婚約を申込まれるなんて。レティシアは幸せな気持ちでいっぱいだった。


 王妃とルーサーもとても幸せだった。

 ルーサーは先程のレティシアを思い出しポーっとなっていた。そんなルーサーを見て王妃は涙ぐんでいた。自分の後をついて回り自分が王妃となった後でも、他の女性に目を向けず王妃の事が大好きだった弟。

 その弟に好きな人が、それもあんなに良い娘だなんて。しかも相手からも好かれてる。

 これは、メイド達のお陰かもしれないが。そうだわ、結婚後も心配だからあのメイド達にフォローさせよう。王妃は婚約破棄にならない様に、とにかく早めに結婚させるつもりだ。

 翌日、王がルーサー・ページ伯爵とレティシア・バレット公爵令嬢の婚約を発表した。


 カトリーナとミーナはさすがに驚いたが、すぐにお祝いの手紙と花束を贈り祝福した。

レティシアも2人にお礼の手紙を送った。


 婚約者候補だったレティシアが辞退してルーサーと婚約し、カトリーナも婚約者候補辞退申請をした事を聞いて、動いた人物がいた王太子だ。

 王太子は何かを決意すると、花束を用意して1人学校に向かっていった。

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