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ダンジョンDAYS 召喚師テイマー奮闘記  作者: ディスク
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種族あれこれ

「ああ、それは大丈夫みたいよ? あくまで小柄な子が好みってだけだから、ドワーフやハーフリングの女の子と浮名を流すって息巻いてたわ」


「ああ、それなら大丈夫そうですね」


 前世以上に行動的ぺドフィリアへの風当たりは強いが、まぁ是非もない。犯罪者死すべし。

 如何わしい事は頭の中に留めて置く他にないのだ。そこだけは神も土足では立ち入らない。

 だが、こと小柄な子がタイプと言う人々には異種族婚という選択肢がある。ハーフリングやドワーフの女性は人間種族からみて非常に小柄で、ともすれば子供のように見える場合がある。ドワーフはちょっとマッシブだけど。

 まぁ中身は成熟した女性なのでつい子供扱いしてしまい破局するパターンもあるが、向こうの種族からは徹底的に尽くしてくれる良い恋人としてなかなか好評のようだ。


 そこまでの体格差があるのにも関わらず変態扱いされないのは、元々人間が繁殖力が強く、子を成せるのであればどの種族とでも番おうとするというステレオタイプなイメージがあるからだ。


 自身のことを上位種族と宣う一部のエルフ達に言わせれば、人間とは『戦争と繁殖が得意な野蛮な種族』といった具合らしい。

 多分ゴブリンの近縁種か何かだと嘲りたいんだと思うが、戦争のしすぎで神からの懲罰を食らったのはエルフも同様で、野蛮なのはどちらもあまり変わらないと思う。繁殖に関してはぐうの音も出ない。


「異種族婚に抵抗ないのね」


「そりゃあ心は制御できませんからね。相互に愛しあっていれば問題ないんじゃないでしょうか」


「ふぅん」


 興味深げなソフィアさんの眼差しに貫かれる。何か不味いことでも言っただろうかと不安に思っていると、横からロベルトさんの声が掛かった。


「おう、良かったじゃねぇかソフィア。差別意識の無い仲間は得難いもんだぞ」


「え? 差別ですか?」


「ん? もしかして話してねぇのか? パーティ候補なんだろ?」


「折を見て話そうと思っていたのだけれど? まさかこんな流れで話すことになるなんて思わなかったわ」


 なんとなく種族に関わる何某があるようだとは分かったがいまいち掴みかねていると、少し逡巡したソフィアさんが意を決したように口を開いた。


「私、クォーターエルフなの。混ざりものはお嫌いかしら」

 

 その告白は少し意外だったが、考えてみれば彼女の緊張も理解することが出来た。

 

 悲しいことにこの世界にも差別はある。

 異種族間もそうだが所謂交雑種、主に人間との間に生まれることが多いが、ハーフやクォーターも消極的差別を受ける場合が多い。

 それは種族特性のためだったり、寿命の差だったりが主な原因だが、最も明確な支障が出るのが婚姻と冒険者稼業だ。


 婚姻は言わずもがな、老いさばらえていく人間といつまでも美しいエルフの悲愛は演劇の題材にもよく上がっている。つまりは劇になるほど珍しいものだ。


 冒険者稼業も端的に言えば寿命の差が1番大きい。

 他にも体格が違いすぎて装備の互換性が乏しく、駆け出しの頃から忌避される傾向にあるが、現役の長さの差が大きいのも事実だ。


 例えばエルフの場合500年は生きると言われているので、現役も300年ほどは働けるようだが、人種族なら骨も残らない。


 寿命が長いということは老後も永く、少なくとも100年ほどは病や事故に巻き込まれなければ老後の期間がある。

 人間よりは魔力、肉体どちらのスペックも高く老後でも働けるが蓄えは多い方がいいので、冒険者をする場合は同族で組むことが殆どだ。


 だが、ハーフやクォーターともなると、更に事情が複雑になる。


 両親や祖父母の種族によって寿命もマチマチで、特定の相手と組むことも難しい。母数が少ないためコミュニティすら形成できず、社会から孤立してしまうことも多い。


 ソフィアさんの容姿は綺麗だが、特に異種族特有の特徴が出たりはしていない。パーティを組む前にクォーターであることを告白するのはとても勇気がいることだろう。


 一瞬押し黙ってしまったが、ソフィアさんの双眸も不安げに揺れているし、早めに返事をする。

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