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ダンジョンDAYS 召喚師テイマー奮闘記  作者: ディスク
初探索
36/105

入会審査は実力で

 ホーンボア

 その名前は下調べしてあったダンジョン1階層のモンスターの名前であった。


 その魔物は成体の猪よりも一回りほど大きい体長160センチほどで、体重は平均でも180キロを越える。耳の上から羊のようなカーブを描く角が生えているのが動物の猪との見分け方である。


「3対ですか」


 魔物の特定の部位を持ち帰って、討伐の証とするのは良くとられる手法だ。

 俺のように聖人の腰袋を持っている新人は少なく、とてもではないが倒した魔物を担いで帰るわけにもいかないので、その魔物の魔石や特徴的な部位を切り取って持ち帰る。

 もちろん他にも売れる部位があれば、可能な限り持ち帰ってくる。


「はい、左右の角を揃えて3対提出していただきます。魔石や毛皮を討伐証明とすることは出来かねますので、あらかじめご了承ください」

 

「他の部位も持ち帰れば買い取っていただけると聞いているんですが、角以外の扱いはどうなるのでしょう?」


 ホーンボアは毛皮は固いので、衣服よりも財布や革紐等に用いられる程度であまり高くは売れないはずだが、肉は上手く血抜きが出来れば上等な肉になる。他にも体内に魔石を持ち、これも買い取ってもらえるはずである。


「もちろん買い取りいたします。なお、処理や討伐後の時間経過によって買取価格が変動いたします。あらかじめご了承ください」


「その素材はどこに持ち込めばいいでしょうか?」


 このカウンターではないことだけは確実だ。この建物からはほぼ血の匂いがしない。周りのテーブルで食事を摂っている冒険者たちから微かに鉄臭さを感じる程度だ。


「となりの建屋に解体場があります。解体を依頼する場合、料金が買取価格から差し引かれるのでご注意ください」


 話によると、持ち込まれる獲物の価値にもよるが解体を依頼すると、1割程度が費用として回収される。

 ホーンボアの場合、内臓を抜いてあれば処理費用が下がって安くなる。初級冒険者は丸ごと持ち込むのではなく、魔石と骨が少なく肉の量が多い後脚のみを持ち込んで効率良く稼ぐのがセオリーだと教わった。

 金策は大事である。

 冒険者が払う税金は家を持たない限り、クエストの報酬と魔物素材の買取からすでに徴収されているはずなので、解体費用でそこからさらに1割が引かれるのだ。節約は出来ればした方がいい。


「では行ってきます。最後に、このクエストに期限はあれば教えてください」


「期間は特に決められてはおりませんが、一週間以内に達成される方が多いです。それではご武運をお祈りします」


 そう言って痩躯の職員は初めて少し微笑んだようだ。もしかしたら、こちらの反応を観察していたのかもしれない。さっきの喧嘩を鑑みるに、あっという間に頭が沸騰する冒険者もいるようだし。


 昨日の酒場よりもやや荒っぽい喧騒が響くギルド内を抜ける。今更だが、なぜギルド内が食堂になっているのだろう?

 あくまでも事務的に仕事を斡旋するのならば、食堂を運営する意義がみいだせないが、何か意図があるのだろうか?今度、受付で聞いてみよう。


 建物を出て早速ダンジョンに近い城門を目指す。

 逸る気持ちを押さえて、しかし足早に通りを歩いていく。

 はっきり言ってホーンボアは普通なら強敵だ。その体重をのせた突進と、上の歯と擦れることで自然と研がれた牙、さらには頭部を守る巻き角によって頭部を狙った攻撃は通りにくいと思われる。

 こちらも作戦は考えてあるが、成功するかはまだわからない。

 いまだに落ち着かないが、城門をくぐったところでダンジョンが見えてきた。


 門の入場は税がかかるが出るときは取られない。そして冒険者として、この街のダンジョンを攻略中となれば入場の税すら免除される。いまはまだ仮登録なので街に戻るときにしっかりと払うが。

 実力を示して、所持金が干上がる前にクエストをクリアして正式に冒険者にならなければならない。

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