スキル
スキルについては発現が確認され、女神による加護だという神託が下ってから、約300年がたっている。
明確にスキルだと判明したのは300年前だが、今では数々の英雄が神から授かった力はスキルだったのではないかというのが主流の考え方だ。
スキルの発現前も人智を越えた怪力無双の戦士や風を自在に操るエルフの賢者、傷を癒して回った聖者の伝説が残っている。
伝説では強大な魔物に立ち向かうために、戦闘や支援に効果的なスキルが与えられているようだが、実際には一般人が授かるスキルは戦いに向くようなスキルは1つくらいで、後はその人の望む職や適性にあったスキルがつくことが多い。
今日の朝食に生野菜のサラダがついたが、葉菜類は生で食べるのに勇気がいる食べ物だ。
農薬の残置に、寄生虫の卵と細菌など加熱や皮を剥くことで回避できるリスクを一切避けずに洗ってそのまま食べるしかない。
前世の日本の感覚では衛生管理された食べ物は当たり前で正直慣れるか不安だったが、料理や家事スキルの中の料理鑑定という存在を知って安心できた。
出来上がった料理の大雑把な鑑定が出来るというものだが、これが必須のスキルらしい。
品質の中に安全性の項目が含まれているのだ。細菌で汚染されていたり、一般的に毒とされている食べ物が混ざると分かるようになっているそうだ。
料理スキルは祝福で貰う者より自分で研鑽して手にいれる人が多いスキルだ。
この宿の旨さからいってスキルが無いってことはないだろう。なのでちゃんとした店で食べれば、半熟の卵も生野菜も滅多なことでは当たらない。
逆に屋台料理や自炊などでは、スキルで鑑定していない料理を口にすることも多いので、しっかりと火が通ったものを食べる方がいい。
ここまでスキルはこの世界になくてはならないものになっている。
ちなみに貴族のご令嬢や、軍に従軍する騎士の家系の者達は自分の料理を振る舞ったり食べたりすることが多いので家事スキルを持っていたりする。
本人が料理鑑定を使えれば毒味もいらなくなるしね。
サラダを食べながらそんなことを思い出していたら、朝飯が終わっていた。もう少し味わって食べた方が良かったと反省。
しかしこれから人生の大イベントを前に気もそぞろになってしまうのもしょうがない気もする。
いよいよ今日は冒険者になる日だ。
また、料理を運んでいたマスターさんにご馳走さまを伝えて外に出る。
気持ち的にはすぐにでも冒険者ギルドに行きたいが、フロイトの生活雑貨の買い物がある。一つ一つやっていこう。




