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ダンジョンDAYS 召喚師テイマー奮闘記  作者: ディスク
旅立ち
30/105

300年前に変質した世界

 神殿から神託が下り、人々は恐れおののいた。


 この世界では神は実際に人に加護を与える実在するものとして認識されていた。

 過去類をみない天災の折には神託が下る。

 人に原初の魔法を与えたのは神とされていたし、戦争のたびに大きい災害が起き人々は戦をやめていた。

 神殿では神は人々の争いを望んでいないと説き、実際に大勢の死者が出る大戦の前には諍いを治めるよう神託が下っていた。


 それでも人は戦争を止められなかった。

 それは、100年前に奪われた国土を取り返すため、豊かな土地を奪うため、富や名声のため、己が強いと示すため、信じる神に報いるため。


 ありとあらゆる理由をもって人々は殺し合いを止めなかった。そして神はとうとう悟ってしまった。


 ああ、人は争わなければ生きていけないのだ。

 戦争こそが我らを前に進める。

 そう信じてやまないのだ。


 だからこそ神託が下った。敵が必要なら与えましょう、すべての命を怨み自ら以外の生存を許さない全ての命の仇敵を。

 それは、ダンジョンの奥底に現れた。

 ダンジョンの主だ。

 それは生者を憎む死者の王、全てを喰らう貪欲な獣、財宝を守る強欲な竜としてダンジョンの奥底に生まれた。

 彼らの激烈な敵意がダンジョン内の全ての魔物に伝わり、ダンジョン内部では魔物達が文字通り命を捨ててこちらを殺しに来る。

 そして人の生活圏の中に生まれたダンジョン達は中の魔物を増やし、限界を迎えると魔物の群れを放出するようになった。

 国は軍をダンジョンに張り付かせざるおえず、戦争は起こせなくなった。

 それから300年、スキルの力を使いダンジョン探索を仕事とする冒険者が主な攻略者となり国軍は、魔物の氾濫に備える守りの要として機能するようになった。

 同時にもたらされたスキルという恩恵は、社会に混乱を呼んだが元々魔法などの超常の力を使える者が一定数居たため、長くは続かず5年ほどで落ち着きを取り戻した。

 

 ちなみに、ダンジョンが生まれてから一度だけ戦争が行われようとしたらしい。

 ダンジョン発生前の覇権国家が隣国に攻め入ろうとしたが、国内の全てのダンジョンが氾濫を起こし大帝国は一夜にして崩壊した。

 それを教訓に人は学んだ、戦争をしてはいけないと。

そこまでされなければ分からないのが人の愚かさだ。


 朝食の話から随分思考が飛んでしまったが、最初に考えていたのはスキルについてである。

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