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ダンジョンDAYS 召喚師テイマー奮闘記  作者: ディスク
パーティ結成
104/105

パーティ結成 1

 部屋のドアをノックする音で目が覚めた。

 宿には申し訳ないことに、続々とテイムモンスターが増えるため部屋を転々としているが、今の部屋の窓は西向きなので木窓の隙間から日は射していない。


「グラム様、起きていますカ?」


 どうやらドアを叩いているのはエレメシャのようだ。何かあったのだろうかと少し不安になる。

 ベテランである彼がいるから、テイムモンスターだけで2人部屋に泊めてもらえた部分もある分、問題が起きれば宿から追い出されることも覚悟しておかなければならない


「おはよう、何かあったか?」


「おはようございまス。身支度のためのお湯を貰って来ましタ」


「お、それは嬉しい。ありがとう」


 どうやら杞憂だったようだ。桶に入ったお湯は厨房から貰って来たものだろう。

 エレメシャの格好を見れば既に鎧を着込んでおり、自分の身支度は済ませてから俺の方に来たようだ。

 

「そういえば、宿の従業員はエレメシャが1人で動いていても不安がっていないよな?」


 貰った湯で顔を洗い髪を整えている間、側で待っていたエレメシャに疑問をぶつけてみる。

 エレメシャは中身はともかく、外見はゴツいリザードマンであり、戦う力が無い一般人には恐怖の対象だろう。


「顔見知りというのもありますが、リザードマンは比較的穏和なモンスターという印象がありますからネ。街中を1人で歩いても真っ当な格好をしていれば大丈夫でしタ」


「へぇ、じゃあお使いとか頼まれてたの?」


「普通の店舗はさすがに無理でしたが、冒険者ギルドと解体場、憲兵の詰所には入っても大丈夫でしたネ」


 人が住むのに適さない沼地に好んで住むリザードマンは、生活圏が被らない人類とは基本的には敵対していない。

 街中で見かけてもまずテイムモンスターだと思われるし、誰何されてもエレメシャなら普通に受け答えできるので、問題にはならないそうだ。

 もちろん差別的な態度をとる者もいるが、ゴツいリザードマンに食って掛かる阿呆は滅多におらず、いてもエレメシャは適当に避けるので問題は起こさないとのこと。


「じゃあ、リクとカイのためのモツを解体場から貰ってくるのも頼めるかな」


「あの子達のご飯ですカ。容器さえ頂ければ、問題無いですヨ」


 昨日の晩飯の後、エレメシャの顔合わせも兼ねて昨日の昼前に解体場で貰ってきていたホーンボアのモツを茹でてもらい、リクとカイのいる厩舎に持っていった。

 消化器官を避けたので、表面をサッと洗うだけで処理が終わるのが楽で良い。エレメシャ曰く、狼系にとって臭みはむしろ残した方が食い付きが良いらしい。


 フリーザーの威力は大したもので、モツはカチカチに凍っており、保存も効きそうな様子だった。高かったが良い買い物だったと思う。


 リクとカイは入ってきた俺を見てすり寄ろうとしたが、後に続いたエレメシャを見て『ご主人~……誰だお前!』とエレメシャに吠えた。

 2分ほどどうしようか迷っていたようだが、俺が警戒しないのを見て仲間認定をしたようで、素直に撫でられていた。


 茹でたモツもとても気に入ってがっついて食べていたし、狼の食問題はこれで解決だ。


「それではグラム様、彼らの朝食分を頂いても良いですカ? 茹でて貰ってきます」


「ああ、じゃあ頼む。直ぐに着替えて食堂に行くから」


「フロイトはまだ鎧を着込むのに手間取っているので、後で一緒に食堂に行きますネ」


 話ながら、聖人の腰袋からフリーザーを取り出す。

 狭い1人部屋にそのフリーザーはでかすぎて足の踏み場も無い。なんとか蓋を開け、中からモツ用の容器を取り出す。


「じゃあ、よろしく」


「預かりますネ」


 デカイ金属製の容器を抱えてエレメシャが部屋を出ていき、俺も鎧を着始めて準備を進める。


 1階の食堂にて日替わりを3人分頼むと、料理と同時くらいに2人が来た。


「オハヨウゴザイマス」


「おはようフロイト、まずは冷める前に飯食おうか」


「ハイ、イタダキマス」


 きょうのメインは、スープにパン、ピクルスというパッと見はあっさりとしているように見えたが、濁ったスープの中にはたっぷりのスジ肉が沈んでいた。


 食べ終わると、2人を連れだって厩舎に向かう。既に朝飯を終えていたリクとカイの2頭はゴロリと横になっていた。


「じゃあ、いこうか。リクとカイは初ダンジョンだな」


 俺の行こうという言葉に反応して身を起こした2頭はこちらに寄ってくる。そのまま厩舎を出て冒険者ギルドに向かう。


 朝にしては多い人通りが俺ら一行を避けていく。

 俺を先頭に左右に狼と、後ろにリザードマンとゴブリンの一行なので、威圧感はあるだろう。


 若干の居心地の悪さを感じながら進むと、冒険者ギルドが見えてきた。

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