第六章 魔人族
全然戦闘シーン書けませんでした…。すみません!でもよろしくお願いします!
神官に別れを告げてトロールが現れる森へと向かう。
「次元大穴…!」
ニーファが呪文を唱えると空中に大きな穴が現れた。中をのぞけば手を伸ばせば届きそうな所に緑が見える。
「これが魔法か…」
RPGゲームは結構やってきたからどんな魔法があるかは大体想像がつくけど、実際にその超常現象を目の当たりにすると少し腰が引けてしまうな…。
「行きましょう…、この穴をくぐれば目的の森につきます」
ニーファに続いて大きな穴を通り抜けると、王都とは打って変わって景色は緑一色に包まれた。
「いつ魔物が現れるかわかりません…気を付けていきましょう」
目的のトロールを捜し歩く間にニーファは今回の依頼について詳しく説明してくれた。
どうやらニーファはこの森の中に住んでいるらしく、討伐できなくてもいいので何とか追い払いたいとのこと。
数は確認した限り3匹、前衛のいない魔法使いだけでは厳しいみたいだ。
正直戦闘経験がイノシシしかない僕としては避けたい相手だと思うんだけど…、まぁ、自分の実力を計るいい機会だと思おう。
神官には色々言われたけど、自分で実感してみないと分からないし…。
因みにティティアのステータスはこんな感じだった。
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妖精族 フェアリー ティティア:Lv5
HP25 MP28 攻撃力12 防御力8
ユニークスキル
〈妖精の加護〉:対象を少しずつ回復させる
スキル
〈回避〉Lv1〈隠密〉Lv1
魔法
回復 光 魔法の盾 次元穴
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名前持ちモンスターなだけあってフェアリーの中ではかなり優秀らしい。戦闘は苦手だと言っていたけど魔法をこんなに使えるのには正直驚いた。僕は魔法を持ってなかったからこれはありがたい。
「ヴラド様…何だか嫌な気配が…」
ティティアは森に入ってからずっとフルフルと脅えている。
「ティティアはトロール苦手なの?」
「うう…はい…同じ妖精族とは思えません…」
普段はヴラド様!ヴラド様!と元気なティティアだけど、トロールと戦うとなるとそうもいかないみたいだ。
「…シっ!いました…。あそこにいるのがトロールと…あれは…?」
普段の小さな声を更に押し殺してニーファは僕たちに知らせた。
ティティアはそれを聞くや否やすぐに僕の影に隠れる。
ニーファが凝視している方に視線を向けるとそこは何本もの木が投げ倒され広い空間となっていて、確かにトロールと思しき巨躯に棍棒を握りしめた魔物が三匹と、人のような姿の者が対峙していた。
グルルル…!とトロール達は臨戦態勢に入っている。
何だ…?こんなところに…人…なのか…?
その者は肩を大きく出した中華の踊り子のような衣服を纏い、白をとり越して青くさえある肌をしている。
「トロール達よ…!我が主モルドヘッド様に忠誠を誓え…!」
トロールと対峙していた者はトロールに手のひらを向けグッと握る。
ん…?何だか様子がおかしいぞ…!
次の瞬間トロール達の体が一瞬のうちに暗黒の炎に包まれた。
「グオオオォォォ!!」
もがき苦しむトロール達。そして徐々にその巨大な体がさらに大きくなり、姿を大きく変貌させた。
(妖魔族 アークトロールLv1)×3
ステータス 不明
魔物を進化させた…!?
フハハハ!と高らかに笑う青白い者。
一瞬のうちに理解した。ゲームだったら序盤では決して遭遇してはいけない類の者。
あいつは僕より強い、確実に。
まだ少し距離があるとはいえここは危険だ…!。とてもじゃないがあそこには向かえない…!
「何…あれ…。あんな魔法見たことない…!」
ニーファはぺタンとその場に尻餅をついてしまった。
「さあ…、この穴を通れ、後はあっちの指示に従え」
「グルルル…」
アークトロール達は突如出現したその巨体が通り抜けられるほどの次元の穴に消えていった。
その様子をみたニーファはハッとして僕に駆け寄ってくる。
「ヴラドさん…逃げましょう…。あいつは詠唱無く強力な魔法を発動させています…、恐らく…魔人族です…!」
「ま、魔人族…!?」
ま、魔人…!?ゲームだったらほぼ最終面で出てくるような魔物じゃないか!すぐに逃げないと…!
「…誰だ?其処でコソコソとしてるのは…」
「!?」
気が付かれたかと驚いて魔人がいた方に再び視線を向けるとそこには誰もいなくなっていた。
あれ…、いったい何処に…。
「なんだ貴様らは」
「えっ?!」
振り向くとそこにはさっきまで遠く離れていた魔人がすぐそばに立っていた。
第七章に続く
今回文字数少なめです。遅くなっちゃってすみません…。感想・ブクマ・評価待ってます!
神条紫城