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第三章 いざ王都へ

初戦闘です。動きを文字で表現するって難しいですね…笑。

始まり森。ここがもし僕が始めようとしたゲームの世界そのものなら、今いるこの場所はそんなところだろうか。


ゲームを始めた瞬間画面が光に包まれて、気がついたらこの世界にいた。


この世界に来たからには僕はゲームの主人公、黒の騎士ヴラドとして生きていかなければならないのだろう。


「それでは早速王都に向かいましょう!」


ティティアが意気揚々と声を上げた。携えていた小さなレイピアを進行方向に向ける。なるほど、僕を起こした物はあれか…。





目を覚ました泉付近からは一本道が続いていて、先導するティティアの少し後ろをついていった。


歩き始めてすぐに、経験したことのない感覚と共に3つのスキルを手に入れていた事に気が付いた。


〈解析Lv1〉

〈剣術Lv1〉

〈ランダムスキル〉


解析のおかげで大抵のことを鑑定し、理解できるようになった。


例えば木に向かって発動すると、(グズの木)とまぁ簡潔な説明が頭に流れ込んでくる。スキルにもレベルがあるみたいなのでおいおいもっと詳しく解析出来るようになると思う。


剣術は…敵にでも遭遇してみないとわからないな…。


どちらも最初に森をよく見渡したり、実際に剣を持ってみたりしたことから習得出来たのかもしれない。


問題は…このランダムスキル。なんのスキルなのかわからないな…いづれ発動するのか…?


まぁ、そのうちわかるだろう。今何を考えても推測にしかならないし、と深く考えるのはやめた。


ガサガサッ…ガサガサッ…


ん…?何かいる…


「ヴ、ヴラド様!モンスターです!」 


ピュッと僕の後ろにティティアは飛んできた。


前方を見るとフゴフゴと鳴くイノシシのような生物が茂みから出てきた。大きさは…大きめの犬くらいかな?


見た限りではそんなに危険ではなさそうだ。


イノシシ型生物はこちらに気づくないなや突進する構えを見せてくる。


おいおい…自分より大きい生物にいきなり襲いかかろうとするのか…。とりあえず解析してみよう。



(魔獣 ワイルドエーバー:Lv2 )

HP56

MP2


おお…!すごいな、これは便利。Lvが上がれば弱点とかも教えてくれないかな?


ザザザザザザ…!!ワイルドエーバーは狙いを済ませると一直線に突進して来た。


Lv2ってことは…雑魚だな。初めての戦闘には丁度いい。記念すべき第一号だ!くらえ!〈剣術〉Lv1!


グワッと背負っていた大剣を大きく振り下ろすと見事に命中。ワイルドエーバーはブゴォと悲鳴をあげその場に倒れた。


あはは!凄い!スキルのおかげなのかはわからないけど大剣は上手く扱えるみたいだ。とりあえずこの程度のモンスターを倒せるだけの力はあるということが分かったし、これは大きな進歩だ!


(Lvが上がりました。スキルLvが上がりました。新たにスキルを獲得しました。)


頭に直接聞こえる声、これも〈解析〉のお陰かな?


黒の騎士 ヴラド Lv#

HP###

MP###

力##   攻撃力## スキル〈剣術〉Lv2  NEW! スキル〈攻撃力アップ〉Lv1

耐久##  防御力##                

魔力##   

すばやさ##

状態異常##

運##

魅力##


Lvが上がった!でもなんだこれ…わからないことばっかりだ…。これじゃあ自分がどのくらい強いのかもわからないぞ?あのモンスターのは教えてくれたのになぁ…。




「お見事です!」


後ろで隠れていたティティアがひょっこり出てきた。


「ティティアは戦えないのか?」


「私は戦闘は苦手で…でもちょっとの魔法なら使えますのでサポートなら!」


なるほどなぁ。うーん…女の子にするのは忍びないけど…解析発動!

(妖精族 フェアリー ティティア)

ステータス解析不能


ありゃあ…名前以外わかんないな。とりあえず戦闘になったらティティアは守ってあげないと。





初戦闘を終えてまたしばらく歩くと遂に森を抜けた。


「ヴラド様!見てください!」


「うわっ!広いなこれは…!」


森を抜けた先は見渡す限り一面の牧草地。羊のような生物がちらほらと見えた。


ぱっと見おとなしそうだけど念のため用心しておこう。


そしてやや離れたところの四方を牧草地に囲まれた少し高い丘の上。目標としていた物が目に入る。


あれが王都ボルドーか…。


西洋風のお城なんて画面越しにしか見たことなかったから少し興奮した。ホントにいい世界に来たものだと思わず足を早める。


「いよいよ王様に会えますね!ヴラド様!」


「ヤバイな…少し緊張してきた…明日にしない?」


「何言ってるんですかもう…、そんな弱気じゃ魔王なんて倒せませんよ!」


この世界にとどまりたい僕としては魔王なんて倒したくないんだよな…。


もしそれがクリア条件だったなら、本当の現実に帰ってしまうかもしれない。


わからないけど、ここがゲームの世界ならあり得ることだ。


だからゲームの進行度的にも王様にも会いたくないんだけど…まずは情報収集が先だから王都には行くか…。


「あら?…あなた達、魔王を倒すつもりなの?」


「……!!?」


不意に声をかけられて思わずドキッとした。


声がした方に視線をやると綺麗な深い藍色の髪をさやさやと揺らせ真っ白なワンピースを着た女性が傘をさし立っていた。


「だっ…!だれですか!」


ティティアがまた僕の後ろからちょこっと顔だけ出して問いかけた。


女性は何も答えない。


この晴れた日に何で傘なんて…ってそうじゃなくて何時からそこに居たんだ!?まったく気が付かなかった…。 


僕が言葉も出ずにいると表情から察したのか彼女はクスクスと笑った。


「フフッ。ごめんなさいね。倒せるように応援してるわ…」


そう言って僕たちが来た方向に消えていった。


なんだったんだ彼女は…。余りの驚きに思わず〈解析〉を使ったけど(不明)としか出てこなかった…。


突然現れたような気もしたし、声を掛けられるまで全く気配を感じなかった。


この世界のNPC…?それとも、よくある僕を転生させた張本人か、この世界の管理者か…。


「あの女性はいったい…、どこかのの貴族でしょうか?」


ティティアがそう言って顔を出した。


確かに妙に気品があったな…。


「…わからない事には考えても仕方ない。とりあえず気を取り直して王都に向かおう」


「そうですね。行きましょう!」






再び歩くこと数十分。


未知のモンスター、未知の敵、より強いスキル、魔法の存在、この世界のこと。


より多くの情報を求め僕は遂に王都にたどり着いた。








ご愛読ありがとうございます。感想・評価お待ちしております。

モンスターの基礎ステータスは表記しない設定なのでご理解よろしくお願いします。                                                    神条紫城



追記 スマートフォン閲覧の方、ステータス表示の所が大変見にくくなっていて申し訳ありません…。次から気を付けます!

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