子供達の成長が止まらない
いつも来る兵士さんは僕達が魔法の練習をしていても
優しかった。
僕、ヨミは生まれた時から魔力が大きく、物心ついたときから魔法が使えた。そんな僕を両親は気味悪がって家から出した。魔力が強ければ、魔法が使えれば貴族社会でも優位なんじゃ無いの?
きっと皆は僕が力を持ち過ぎている事を良しとしなかったんだ。
僕は寒村に送られた、そして義父と義母に会う。
二人の前では決して魔法は使わなかった
しかし魔法の勉強、練習はしたかったから外でこっそりやっていた。
村人には魔法を使える人が居なかったから使うと気味悪がられるかなと思った。
一人で練習していたら村の子供に見つかった。
魔法を教える約束をして誰にも言いふらさないことを
約束した。
皆は全然魔法が使えなかったけど、僕の魔法を見てマネをしたり、驚いてくれたりしていた。
流石に村の子供達も僕が特別で、村の大人達に見つかるとマズイのだということをわかってくれてるみたいだった。
そんな時兵士さんに見つかった。
最初皆は僕を庇ってくれていたがそもそも兵士さんは
魔法を使える人だった、しかしそれは僕の物よりもひどく弱い。
「でも、なんだろう?魔力が淀みないというか
キレイな魔法だなぁ」
兵士さんに本音の感想を漏らした。そうしたら練習をするなと止められるどころか一緒にやろうと言い出した。
「あぁ、そうか、何かあっても兵士さんが見ているという事で、僕らを守ろうとしてくれているのかな?」
その申し出は本当にありがたかった、正直僕は魔法が使えるけれど、どうやって皆を教えていいかわからなかった。
兵士さんの魔法の教え方は凄くわかりやすかった。
魔力の感知から始まって、魔力の制御をしに行くのだけど、これが難しい。
いかに今まで魔力を無駄に使って魔法を打っていたのかが分かる。
皆が魔力を感知でき始めた頃、僕は魔力球を二個作れるようになっていた。一個目まではそう難しくなかったが二個目になると難易度がものすごく上がった。
兵士さんはこの魔力球を三つ作ってみせ、異なる属性を付与しお手玉のように魔力球を動かしてみせてくれた。
数日後僕は二個に属性付与をし、自在に操れるようになった。みんなも魔力球を作って属性付与を出来るようになった。兵士さんは凄く褒めてくれた。
何故なら大人の人はまだ魔力球を作る事に苦労をしているのだとか。
しかしここで兵士さんから衝撃の事実を伝えられる。
兵士さんは魔法をそこまで使えないのだという、できるのは身体強化くらいで、前に見せた手品程度の魔力球を飛ばす程度だそうだ、だから僕達に教えられるのはここまでとのことだった。
兵士さんはここまでと言っていたがあとはこの感覚で
今まで通り魔法を撃つだけなのでは無いだろうか?
僕は兵士さんにお願いし岩に魔法を撃つ許可を貰った。
今までと同じ、火球を放つ、でも魔法の構築、魔力の制御は今までやってきた事をおこなう。
そして僕の手には今までの魔力制御では到底出来ない大きさの火球が発現していた。
しかし魔力の消費は今までと同等か少し少ないくらいだ。
それを岩にぶつけてみた。兵士さんがめちゃくちゃ慌ててるが、気にせず放り投げた。
どうやらやらかしたみたいだ。兵士さんがあっちゃあーみたいな顔をしている。
岩に当たった魔法は岩など無かったかのように周囲を爆散した。村の人達が凄く慌ててこちらに集まっている。兵士さんが何やら大人達に説明してぺこぺこと頭を下げている。
その後、僕は村の中では指先程度の魔法の行使しか許されなかった。
因みに他の子達には僕が魔法の行使の仕方を教えた、勿論兵士さんがついて間違えが起こらないように、、、
皆大小あるが魔法を習得していた、その威力は前の僕が全力で魔法を行使したのと同じくらいの威力だった。
「ヨミは、魔法が使えて、皆に教えられて凄いな!
本当に凄い!皆もこんな短期間で魔法を使えるようになるなんて思わなかった!よく頑張った!」
兵士さんは労いの言葉をかけてくれたが、一番凄いのは兵士さんだよと心の中で何度も感謝した。
いつか兵士さんの横で魔法を駆使して村を守るんだ。
僕に一つ大きな夢が出来た瞬間だった。