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逆行1  作者: 桃花
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チマチマ払いを広げて1年

なぜか新年会の時に指名されて本家にいくことになった。指名と言うことは病気で入院中ですと言うような場合以外は参加しなければならない。

本家に入ったら体調が悪くなると思われている私は旅館の喫茶スペースで当主とそのお付きの人たちと顔合わせになった。本家の屋敷で顔合わせになったら過呼吸になると言うカウンセラーの見解だったのだが、喫茶スペースでも結構な重圧を感じてしまうのは何ででしょうか?と聞きたい

「始めましてだね君とは。でも何でか始めましてな感じがしないよ」と言う言葉を皮切りに開始された顔合わせ。払いの事について一言あるそうだ

「末端が自己的に払いを行うことは悪くないんだよ。でも、君のやり方は・・・」と言っている

わからなくもない。効果は微々たるものだけれども毎日されたら大祓いと同じような効力を発することを末端の一族が行っている。しかも、本人たちはそれが祓いだと理解していない。誰に教わったかと聞けば同じ末端の子供である。一度無茶なことをしたと言う報告が上がったがそれ以外は特に問題はないと判断された子供だ

「儀式的な祓いをするために苦労している人間から苦情が出たんですかね。話を聞くだけでも大変そうな準備をしてからの祓いの効果は絶大的ですけど一過性のもの。その場にすんでいる人間の行動にかかっている部分もある。毎日ちょっとした積み重ねをしていてきれいに保たれているのを見ればうちもこういう風になりたいと言う人間も」と言うと頷いている

祓いを依頼した人間が汚れについてどう認識しているかわわからないが、現実世界で汚れが原因で症状が出るとなると結構な汚れだと思う。それを祓った後はその人の動き次第でまた汚れが積み重なるのだから祓っても祓ってもと言う人間も出てくることもある

「そういう人に私たちのやり方を提示したって面倒だと言われて終了だと思いますが。やってみようと思うなら別に邪魔するつもりもないので好きにしてください」と了承した。勝手に人が開発したものを使うと手痛いしっぺ返しが繰る場合もある。

簡易的にといった感じで軽く浄化してから本格的に浄化した方が効率的なのかな?

そういうこともあってだと思っていたが少し違ったようで。

「一応それも了承してもらおうと思っていたんだけど。簡易的に浄化したからと言ってどうこうできるような案件をうちが受けるわけがないだろう。そこら辺は君にはわからないだろうけど。あと、彼らをどう思う?」と言われてはあ?となった

納品する際に見たことがある人もいるしそうでない人もいる。どう思う?と言われても困ります

「困っているね。いきなりそういわれても困るよね。でも、君も適齢期なのだから婚約者も決定しないといけないんだよ。ここにいるのは候補者かな。君の家柄とちょうどよくてなおかつ君と言う人間に合いそうな青年たちだ」

お付きとしては若いなーとは思っていましたが、候補者の皆さんですか

一族内では16才になれば婚約者が決まる。大体は小さい頃からちょっとづつ相性を考えてといった感じで本人たちが知らない間にお見合いをさせられている場合もある。姉たちも婚約者を持っているし兄も先月無事に結婚した

ある意味お荷物の私。心配している親が婚約者の絞り込みをしていても驚きはしないのだが、なぜそれを当主がやっているのだろう

「君の行動を予測して止めたりできそうな人間なんか末端の子供は無理だろうと言う話になってね。それなら優秀な人材をつけてみた方がいいのではと言う話になったんだよ」にこにこ顔の当主が教えてくれるがそんな突拍子もない行動はしてませんよ私。普通に面倒後とを避けるための行動ですし

「キョトンとしたような表情をしてもダメだよ。君の常識と言う範疇は普通は突拍子もないことだと言われることもあるのだから」と紹介されたなかには逆行に私つきというなの夫になった人物もいる

こんな顔立ちなんだ子供の頃は。と思いつつジーっと見ていた訳ではないが微笑みを返された

「と言うことで新年会とその他行事を行う1ヶ月間行動をこいつらと共にするよううに」といって候補者の5人をおいていってしまったがどうしようかな?

「特に何をするわけでもないのですが。なにかしたいことがありますか?」と聞いたら

「普通に君がしていることをしていていいよ」と言われてしまったので普通に読書をして時間を潰すことにした

兄から許可されている本を読みながら。こういう風に術を使う方法もあるんだなーとか。こういう製品を作ったらどんな効果が出るんだろうと考えながら思い立ったことをメモに残していく

それを自分達も好きなことをしつつ過ごしながら観察?している婚約者候補たちの視線が気になると言えば気になるが体調不良になるようなことはない

婚約者決定に1ヶ月かけると言うことはある程度あの中で決定しているのだろう。あとは相性と言うことだろう

本当は数年かけてなのにそこまで急ぐようなことがあるのだろうか?と考えながら温泉に入っている

ちなみにここの旅館は本家と一部繋がっている。私が入っている温泉も繋がっている部分なので本家に泊まっている人たちも入りに来る。

と言うことで一緒になったのは当主婦人。私が入っているのを見て少しだけ驚いている。関係者じゃない人間がとか?でも、それなら末端でも入れる風呂に入るなよといいたい。なにか言葉をかけようとしたときに視線で止めてさっさと風呂から上がる。保湿クリームを塗った後に部屋に戻れば母が来ていた。

「大丈夫?」心配そうに聞いてくるので大丈夫だったと答えるとほっとしている。私はフラッシュバックした記憶はないが入院中に結構あったらしい。それを見ている母は他人と私を会わせることに慎重になっている

「いきなり婚約者とか言われたのが困ったけど」そういいながらお茶を飲んでいると

「そうよね。でも良い時期だしずっとお母さんが居れるわけでもないしね」と自分が死んだ後に支えてくれる人間を確保しておこうと思っているのが良く分かる。

結婚した兄はずっと家に居れば良いといってくれるがそう言う訳にはいかないと言うことは理解している

行かず後家と罵られるのは私の方だ。

「本当はもう少しゆっくり考えるべきなんだけど。色々あってすぐに形だけでも整えないといけないの」困り顔だがなにかあるのかしら?

そこら辺は説明したくないみたいなのでスルーして軽い話をしたら床にはいる。完全に私が寝入ったら母も部屋に戻るのだろううつらうつらしている私をチラミしながら読書をしている。

目を覚ますと甘ったるい匂いが部屋のなかに充満している。何かしたらしいが記憶にない。ただ体が怠いので暴れたかなんかしたのだろうと思いつつ怠い体を動かして食堂へ

新年会中は朝夕の食事にしか家族と会えない。皆、色々やることがあるらしく忙しいそうだ。姉たちを見つけて近寄ると大丈夫と朝の挨拶より先にきた。

多分。と良いながらも家族と婚約者候補達と食事をしてたわいない会話を楽しむ。その後は解散して各自のやるべきことをやるのだが、私は特にないので寝直す事にした。親から安静にしてなさいとあとから主治医が往診に来るからと言いつけられたので布団の住人になる。主治医に軽く問診されたあと暇をもて余していると婚約者候補の一人であり以前の夫が暇潰しにと術が施された人形を持ってきてくれた。プログラム通りに演劇をしてくれるので暇潰しには良い

側に居てくれるようで自分の仕事を少しやりながらたまに会話をしてくれたりとほどほどに構ってくれて良い感じだなと前も無茶したときに監視だと良いながらも会話したり欲しい情報をくれたりしてほどほどに構ってくれていたなと懐かしく思う。今の彼は以前の彼とは違うが根本は同じなんだろうとほっとしながら布団で過ごしていると昼食の時間となった

食堂で食べることもできるしここでも食べれるがどうするか?と聞かれたので部屋で食べることにした

のんびり二人で食べていると様子を見に来た兄が驚いている。普通に家族以外になかなかなつかない私がなついているのだからそうだろう。どう言うことだと言うような顔をしつつも少し喜ばしげである。一生面倒を見ると言っていたもののそれが不可能だと兄もわかっていたのだろう。どんなに仲良くしていても嫁さんにしたら小姑なんだからイライラすることもあるだろうし。兄の子供ができたらそっちが優先になるのだろうし

「よかったな」そう私に言った後に「よろしくお願いします」と彼に頭を下げている。彼の方も「こちらこそよろしくお願いします」と頭を下げあっている。食事を下げてもらった後にうつらうつらしていたら

「大丈夫ですよ」と言って退出してくれたので安心して寝につく。まだ、一緒にいても眠れると言う感じではないので。それでも少し寂しいと感じる自分は結構なわがままであると思う

暇をしていると遊びにいきましょうと婚約者候補たちと本家の経営している学校を見学させて貰った。

学校に行きたがっていると言う情報から興味を示すのではないかと考えたのだろう。学校と言っても素質のある生徒が術を習うところなので私は通えないが、婚約者候補達が通っていた時の話を聞かせてもらって楽しかったし術を発見するための目を育てる為に設置されている術もバリエーションに富んで面白い

学食で昼御飯を食べていると染々と

「目が良いんですね」そう言ってくる以前の夫こと佑真さん。それに同意しているのは従事長であった誠也さん。

「メガネしてますが?」

「そうじゃなくて。術を見る・守護を見る。そう言う目のことですよ。ご兄弟もそうですよね。血筋か?」といっているがそんな血なんて入ってないから

「血じゃない。環境だね。気がついたらばあちゃんが祝詞を唱えながら畑仕事をしていたしね」と答える私

ちなみに婚約者候補のうち本当の候補は二人。薬草を扱う家と繋がりを欲した医師の家系である日向さん。家の命令で渋々と言った感じで今日もやる気がなく参加している

それと以前の旦那様である拓真さんである。ちょいちょい遊んでくれてほどよく放置してくれる拓真さんの方が良い感じなのは致し方ない。では、他の人間は?と言うと調整と警備である

警備さんのお嫁さんは一人で過ごしている時に警備してくれているので私のところに来るとお嫁さんといちゃラブできるので特に問題ないらしい。もう一人の方は部屋つきの中居さん立ったりする。仲がよくて用事がなくても私のところに来るのは嫁さん目当てだと私は知っている。拓真さんがちょいちょい外に出してくれているため両親は安心しているそうだ。なんかあったら困るけど軟禁しているのも・・・見たいな

婚約者候補と一緒ならば問題が起きてもすぐに対応できるし守ってもらえるからと言うことでしょう。

ふと嫌な感じがして拓真さんの腕をつかんでしまったのは学校の見学がそろそろ終わると言う所だ。術の練習場所だと言うところを見せてもらって帰るための声をかけるために職員室に移動しているとき

「どうした?」掴んでいる手が尋常でないくらい震えているのに気がついて抱き締めながら聞いてくる拓真さんとそれを見て守りを発動している護衛と術者

なにがどうしたんだと呆れながら見ている医者の息子と言う状況で私に直撃するように出現した火球。それを一刀両断したのは護衛である。一つならどうにか対応出来たが、攻撃が失敗したと分かると取り囲むように沢山出てきた火球を見てため息を一つ吐いた拓真さんが大丈夫だと呟いてすべての火球を消し去った。

「こんなこともあろうかと頑張ったんですよ。私も」にっこり笑って落ち着くように私を慰めてくれている拓真さんとそれを見て驚いている医者の息子。

「犯人を特定した」誠也さんが拓真さんに報告しているし

「アブねえからさっさと戻るぞ」そう言って帰宅を促す護衛さんに促されて拓真さんに抱っこされて部屋に帰ってきた。危ないからと言うことで拓真さんが部屋に残り報告を誠也さんが当主にしにいく

「何で攻撃しかけてくるかね」と呆れながら呟いているのは護衛さん。奥さんが同意しながら

「私だったら攻撃しないわ」私と拓真さんを見ながらの発言である

「薬草を取り扱う家の娘とその有力婚約者候補がお散歩しているときにとか捕まえてくださいと自分でいっているようなものでしょ?しかも、婚約者候補は一族でも上位に位置する術者とか」

そうなの?と未だに抱っこして話さない拓真さんに聞けば

「そういえばそうですね。私よりも上の実力者といえば従事長くらいですかね」さらっといっているけど結構な実力者ですね。現在の年でそれだとすごくないですか?そう思いつつ見ていると

「あなたの方がすごいですよ。素質もなにもないはずなのに守ると言う一念で他人の術を支配して自分より強い人間の攻撃を耐え抜いたのですから」

「そういわれても火事場の馬鹿力的なものだし」反論すると

「それでもですよ。そんな事をできる人間を嫁にと思おう術者の家系は多いですが、私はあなたを離すつもりがないので」と言ってくる

「まだまだあなたには実感がないでしょうが、今回の件で私に決定したと思いますよ。だから安心して甘えて良いですよ」とも言ってくるのでどうしたら良いのやらと困ってしまう

「まずは私からの好意を受け止められるように慣れてください」と両親が来るまで抱っこのままだった


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