再会
一方レッカはサクヤがいるとされる部屋につながるエレベーターに乗り込んでいた。
そして到着したのは、かつては存在しなかった船外の屋外施設。空間断層があるからこそ可能な空間だ。空中庭園。草花が咲き誇り、水が流れる小川さえ存在している
「ここは何なんだ?それよりサクヤ!いるのか!サクヤ!」
「いるわよ、こっちよ。」
確かに昨夜の声、レッカは一目散にサクヤの声のする方に走っていく。
草木をかき分け見えた東屋にサクヤは座っている。髪が伸びて、どことなく雰囲気が変わっているが、間違いなくサクヤだ。
「サクヤ!!」
「大声を出さなくても聞こえているわよ。」
「よかった、サクヤ!よかった!」
サクヤの肩を持ち、崩れ落ちるように膝をついて喜ぶ。
この時代に初めて本当に心許せる相手に出会えた。生きていてくれたそれだけで、
「なによ、らしくないわね。そういうキャラじゃなかったでしょ。」
「ごめん、でも本当に良かった。無事でいてくれて。」
「無事、ね。ねぇレッカ。見てよ、これ綺麗でしょ、昔は美術館でもなかなかお目にかかれなかった指輪、それにこのペンダントも綺麗でしょ。それに何よりにこの肌。触ってみてもいいわよ、すごくもちもちだから、きっと女らしくってこんな感じなのかな」
「サクヤ?そうだそれより、ハルカワが、」
「知ってるわ、ずっと見てたから、さっき死んだわ。馬鹿よね。ちょっと優しくしてあげただけで、でも、死んでくれてせいせいしたわ。それにだけは感謝しなくちゃね。」
サクヤはごく自然に笑う。
「さぁ、レッカ帰りましょう。私たちの世界に、戻ったら何がしたい?
きっと私たちはもう死んだことにされているわ。それにここにいる間にいくつか先の時代の技術も手に入れた。もう人間たちに従う必要はないわ。みんなを誘っていっそ国でも、」
「サクヤ、何言ってるんだ。今はそんなことよりも、早くこの船を止めないと、聞いた話だともしかしたらサクヤがこの船を止める方法を知っているか、何か持って、」
「えぇ、知っているわよ。だって元々この船のコントロール権は私が持っているもの。」
「良かった、だったら早くこの船のエタニティドライブの暴走を止めてくれ」
「嫌よ、何言っているの、レッカしっかりして!いい。時間の流れには法則と因果があるの、タイムワープはいつでも可能なわけじゃない、このタイミングを逃すと、次はまた10年以上先になるしリスクが大きくなる。リスクがないわけじゃないけど、今しかないの」
「違う、そういうことじゃない、いいか、もしタイムワープをすれば、今あるこの世界はその反動で消滅してしまうんだ。」
「それが何?当たり前でしょ、何の問題があるの」
「何の問題って、サクヤ何を言っているんだ」
「それはこっちのセリフよ。レッカ、あなたのことだから、人モドキに感情移入しているんでしょ。いい、元々こんな歴史、あっちゃいけない歴史なの、ハルカワが暴走して作り上げた暗黒の世界よ。存在させちゃダメなの、そのためにも戻ってやるべき事の最優先事項に、この凶源となったハルカワの生み出した新造生命体を殲滅して増殖を防ぐこと。」
「サクヤ、」
「何よ、その目は私は当たり前のことを言っているだけよ。さ、帰りましょう」
サクヤはレッカに手を差し出す。
「何を迷っているの?さ、早く」
「俺は迷っているわけじゃない。どうして、サクヤ、ダメだよ。」
「そうやっぱりそうなのね、レッカあなたは変わったわ。」
サクヤはレッカに近づき、自分の方にレッカを抱き寄せる
「ほかの女の匂いがする。色香に惑わされて、堕落したわね、レッカ」
サクヤはレッカを突き飛ばし、倒れ込んだレッカに銃口を向ける。




