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希望の欠片

「レッカ!ご飯」

「後でいいよ、先に食べてて。」

「先に食べててって、もう二人は、食べてるけどな、あ!それレッカの分!」

この家の主は一番盛りつけにこだわっているものに迷わず手をつける。

「うまっ!なにこれ!私こんなに美味しいもの食べたことないです。何ですかれ、私の脳細胞が喜んでいますよ。そうです。私の嫁になりませんか?」

「残念ならが、先約がいる。」

勧誘をする彼女の頭を指で小突く。

「はぁそれは残念です。ここまで美味しいものが作れるなら、さぞかし科学に向いているかと思いますのに、」

「科学?」

「はい、料理は科学です。素材を組み合わせ、その性質を変化させより、人類の味覚似合うように、時にはあわせて摂取したり、加熱調理することでその栄養価も高める。その用途こそ違いますが、私の研究と同じ。料理とは科学の一分野です。」

「はぁ、メガネちゃんはわかってないね。料理は愛情。」

「愛情ププッ」

この失礼な主は本気で笑っている。

「な、ま、まぁ、本が恋人のような寂しいメガネちゃんにはわからないだろうけど、」

「まぁ、私は君の料理の腕前がいいことだけは評価しているよ。おかわり。」

「太るぞ、年増」

偉そうな態度にイラッときた恋歌は喧嘩腰に睨みつける。

「これは君の腹についているものとは違うんだよ。」

ふたばは嫌味ったらしく、胸を強調する。

「……そろそろ垂れるぞ。」

険悪な雰囲気に挟まれ耐えられなくなったは彼女はレッカに話を振る。

「烈火さんはどう思います。」

「え?」

「料理は科学ですよね。」

「愛情だよな」

「え、俺は別に、食えればどうでも、でも確かに双葉は最近太ったよな。バイクで捕まってる時、腹回りが、」

いっきに二人敵に回す。

双葉は手にしたスプーンを、恋歌もお玉を投げつける。

「あ、っぶないな、何するんだよ」

「今のはレッカが悪い。」

二人は声を揃えて答える。

「最低ですね。おにいさん、」

結局レッカはさんざん二人に最低だと罵声を浴びせ続けられること小一時間。

一人冷めた料理に手をつける。

「美味しいです。」

「出来立てはもっと美味しかったんだけどね、」

機嫌が治らない。レッカは納得していないが少しは反省する。

「ところでメガネさん。」

「はい?」

「君、名前は?」

「あーてっきり私メガネで押し通するかと思いましたよ。」

「それでいいのか、」

「まぁ、個体識別できますので、問題ないかと。」

この感じ、昔の自分を思い出し、少し反省する。

「とは言え、聞かれた以上は答えますよ。木次沢葵、ピチピチの16歳です。」

どいつもこいつもと、双葉は壁をどんと殴る。

「そ、それじゃ、葵ちゃん」

「いきなり下の名前!しかもちゃんづけ!ダメですよ。私まだ未成年です!」

今度は恋歌が拳を自分の手のひらに当て音を鳴らす。

「そ、それじゃ、木次沢さん」

「葵ちゃんって呼んでくれなきゃ嫌です。何も答えませーん!」

レッカは内心少しイラッとするが仕方がない恋歌の顔色を伺いながら話を続ける。

「さっき、上で見つけたんだけど、これをどこで?」

そう言ってレッカは小さな機械の破片を取り出す。

「なんだこれ?」

「それはどこだったかなー、えっと。」

「思い出してくれないか」

真剣な表情のレッカに葵は分かりましたと、採取物日記を取りに行く

「これは、何なんだ?特別な武器か何かか?」

「いや、これは小型重力制御のコンデンサーの一部」

「使えるものなのかい?」

「いや、これだけでは、でもこれは俺のいた船で試験導入されていたもの、シリアルナンバーの一部が年月で、これは初回製造分つまりは俺の船にだけにしか存在しない。」

「つまりは?」

「俺が載っていた船のものがここにあって、多少のキズはあるけど、破損もしていない、経年劣化をしていない。ということは僕と同じく。無事に漂着したことが考えられる。」

レッカの中で、最優先すべきは鬼ヶ島からエタニティドライブを奪還することだが、

都に現れたフレームに、今回のパーツ。俄然自分の関係者がいるという可能性が強くなった。せっかくのこの手がかりを失うわけには行かない。

レッカは葵の回答を待つが、そもそも過去の採取物日記が見つからない。

結局この日は水の都には行かずに、ここに泊めてもらうことにした。


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