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健康診断は面倒くさい<2>

「失礼しまーす」


 健康診断を行った次の日。入学式から数えると丁度三週間経ったこの日、僕は、入部届を出すために職員室を訪れていた。が、なにか様子がおかしい。僕が職員室に入った途端奥の方で固まっていた教師が一斉にこちらを振り返ったのだ。


 蛇ににらまれた蛙のごとくぎょっとして固まったまま数秒間、先生方と見つめ合う。今日って職員会議の日じゃなかったはずなんだがなぁ。それに、警察って言葉がちらっと聞こえたけど結構重要な話し合い? 背中に冷や汗を書いていると、すぐ近くで返答が聞こえた。


「どうした?」

「あ、えーと間中先生を探しているんですが」

「ああ、それは俺だよ。何の用事だい?」


 デスクワークに疲れたのか首を回しながら僕の言葉を促すのは、読書交流部顧問の真中伸一教諭。今年度からこの学校に赴任してきた新人の先生で、担当教科は体育だ。

 ……今更ながら、なぜ体育の教諭が文化部の顧問? 押し付けられたのだろうか。それはともかく、声を掛けられたことで体を自由に動かせるようになったので用件を果たすことにする。


「えーと、読書交流部の入部届を持ってきたんですけど、今日って職員会議か何かでしたかね」


 僕に興味をなくしたのか、再度話し合いを始める先生方。


「ああ、あれは、ちょっと色々あってね。とりあえず、廊下で話そうか」


 間中教諭は「盗撮は犯罪です」と書かれた手書き感あふれるポスターを机の中にしまい、僕を促して職員室から退出する。


「それで、入部届を持ってきたんだってね」

「はい」


 親がいないので自分で勝手にハンコを押した、入部届の紙を差し出す。

 しかし真中教諭は、その紙をじっと見つめるだけでなぜか受け取ろうとしてくれない。


「あのー、先生?」

「……ああ、すまない。ええと、名前は北村紘一か。何でまたこの部活に入ろうと思ったんだ?」


 本音を言えば、部室はあるが部員は0という好条件に心を惹かれたからなのだが、そんなことを言えば入部拒否なんて事態になりかねん。……ま、読書好きってことでいいかな。


「そもそも何か文化部に入ろうと思っていて、読書好きなんでこの部活に入ろうと思いました。どうも部員はいないようなので、交流は出来そうに無いですがね」


 軽くジョークを入れてみる。にこやかな笑みを口元に張り付けながら真中教諭の反応を待っていると、思いがけない一言が彼の口から発せられた。


「実は既に女子が三人、俺の元へ訪れて入部届けを出そうとした」


 なんと。この部活意外と人気なのか。


「だけどね、三人とも入部は諦めたよ。何でだと思う?」


 ニヤニヤしながら僕の答えを待つ真中教諭。……この人、見た目のムキムキさに似合わず子供っぽいな。


「部長になりたくなかったからですかね?」

「違うな」

「じゃあ、部室が汚れてたから?」

「お、いいところつくな」


 部室が汚れてるってなると、確かにちょっと躊躇するが。


「まあ、別に汚れてるって訳では無いんだ。確か部室は9階だったかな。ちょっと付いてきなさい」


 そんな間中教諭の言葉に誘われて、僕は9階にある読書交流部に向かったのだった。



* * *



「ここが部室だ。開けてみな」


 余り授業で使われないためただでさえ人通りの少ない9階だが、放課後ともなると廊下に出る人はついに誰もいなくなるらしい。

 入学の時に配られた部活紹介のパンフレットによるとこの階には5つの文化部の部室があるらしいが、この高校のドアは防音でも何でもないのに何一つ声が聞こえてこない。もしかすると、今日はたまたま5つ全て、部活が無い日なのかもしれない。


 間中先生が鍵を僕に向かって差し出したので受け取る。それをドアノブに差し込むと確かな手ごたえがあり、ガチャリという開錠音が誰一人いない廊下にこだました。


「それじゃ、入りますね」


 鬼が出るか蛇が出るか。覚悟を決めて扉を開いたその先には――――


「……な。汚れてるわけじゃないが、これを片付けるのはちょっとばかり骨が折れるだろう」


 段ボール箱がこれでもかというほどに高く、高く積み上げられていた。その数ざっと、150箱ほどだろうか。奥がダンボール箱に隠れて見えないため、もしかしたら倍近くあるかもしれない。


「……一応聞きますが、なぜこんな事に?」

「俺も別の先生から聞いた話なんだが、この読書交流部ってのは、部員がゼロになってから今年でそこそこ経つらしい。そんで、どうせもうこの部室は使わないだろうってことで教員の使い終わった資料置き場になったらしい。ざっと三年分だな」


 いくらこの学校が狭いとはいえ、それはちょっと酷いんじゃないだろうか。


「だったらなんで、読書交流部は廃部にならなかったんですか?」

「それが、よくわからないんだ。俺も聞いてみたんだがうまく話をはぐらかされてしまってな。どうも、校長がそうさせてるらしいが。教育委員会の委員でもある校長が言うんなら、教員としても反対できなかったんだろう」


 校長だと? この部にはなにか重大な秘密でもあったりして。


「まあともかく、この部に入部するならこれを全部片付けなきゃならん。さっき言った女子三人はここで脱落したわけだが、どうだ、やるか?」


 子どもっぽい笑顔で僕を見る間中教諭。ぱっと見たところ、きれいにすればそれなりに広そうな部室だ。


「そうですね。やりましょう」

「おお、そうか!」

「ただ、使えそうな奴を助けに呼びたいので明日でもいいですか?」


 当然、裕也の事である。


「もちろんだ。俺もこの後用事があるから参加できないし、その方がいいだろう」


 部室の扉を施錠し、鍵を間中教諭に返す。


「それじゃ、明日の放課後15時にここ集合な。軍手とかマスクがあるといいから持ってくるように。助けに来るやつにも伝えとけよ」

「はい、わかりました」


 まあ、三人でやれば二時間もありゃ終わるだろう。そんなことを思ったが、この時の僕の考えは甘かったことを後ほど痛感することになるのであった。



* * *



「ということで裕也、どうせ今日暇なんだから手伝ってくれよ。部員じゃなくても部室使っていいからさ」

「……まあいいけど。なんか軍手とか必要じゃないのか? 俺は何も持ってきてないが」

「大丈夫。僕が用意してきた」


 翌日。結局裕也に連絡をとり忘れた僕は、放課後になってようやく掃除手伝いの打診をしていた。


「でもさ裕也、何でもいいから部活入った方が良いよ。体つきがっしりしてるし、野球部とかサッカー部とかどう?」

「いや、俺は何の部活にも入る気はない」

「うーん。目立ちたくないから、って理由だったらなおさらオススメしないけどね。比較的入部率が高いこの学校において帰宅部なんて逆に目立ちそうなもんだけど」

「あんまり他の事に時間とられたくないんでな」


 どっかのクラブチームに入ってるわけでもなさそうだし、塾にも行ってなさそうなんだがな。まあ、何かしら事情があるんだろう。


「まあいいけど。それじゃ、行こうか」


 僕たちは9階の荷物置き場――――もとい、読書交流部部室へと向かった。



* * *



「よう、来たか」

「待たせてしまったようですみません」


 部室の扉の前には、僕達より一足先に間中教諭が到着していた。間中教諭は裕也を一瞥する。


「どうも」


 と、裕也は一礼。


「いやいや、手伝ってもらうみたいでありがたいよ。名前は?」

「大崎裕也です」

「大崎か。体格もがっちりしてるし、こういう作業にはうってつけの人材だ」


 そう言う間中教諭の足下には、雑巾・箒、ちりとりという定番の掃除用具セットに、なぜか台車。


「台車……ですか?」

「この段ボールを片付けなきゃ部室の掃除なんて出来ん。でも、段ボール箱を勝手に捨てるわけにはいけないし、先生方はいきなり手渡しされても困るだろう。ということで、現代文の先生なら国語科研究室に、日本史の先生なら社会科研究室に……といった具合におかせてもらおうと思ってな」

「なるほど」


 台車に積んでエレベーターを使って運ぼうというわけか。


「それじゃあ、俺と大崎はここで段ボールの振り分けをするから、北村は台車を使って運んでくれ」

「はい」

「了解しました」


 ということでこの後の僕の行動は、ひたすら部室と各研究室を往復するというものであった。部室で台車に段ボール箱を乗っけ、それを各研究室で少し嫌そうな顔をする先生方に押し付ける。そしてまた部室へ行き……というのを三十往復程度。いくら運搬に台車を使うとはいえこれはつらい。時間にして90分弱の苦行だった。


「ふー、疲れた。裕也ーあとどんくらい残ってんの?」


 ドアの外に置いてある段ボール箱を、上手くバランスをとらせて台車に積みながらあともうひとふんばりかなと思って、部室の中にいる裕也に聞いてみる。


「もう半分くらい」

「おお、あと半分か。よかったよかった、ゴールはもう近い……ってはぁ!?」


 あと半分だと!? この苦行をあともう90分程度せねばならんのか!

 非情な現実に絶望していると、ドアから間中教諭がひょっこりと顔を出した。


「甘えるなよ北村ー。これが終わればこの部室はお前だけの物になるんだからな」

「……頑張ります。しかしこんなに多いとは」


 完全に予想外だった。


「ほら、シャキシャキ動けー」

「はーい。……その前にちょっと休ませてもらえませんかね」


 時間が足りなくなるという事で休みの時間はとれず、それからさらに大体三十往復を行った。前半戦と比べると明らかにスピードが落ちたものの、終盤はありったけの気力で乗り切り、無事終了。これは女子には無理だな……。


「よーし、段ボールは片付いた。お疲れさん!」

「ふぃー終わったぁー!」


 部室の床に仰向けになって寝転がる。


「……久しぶりに汗かいたな」


 そういって爽やかに手で風を顔に送るのは裕也。全然疲れてないように見えるが。


「裕也、おまえちゃんと仕事したのか?」

「失敬な。下手すれば紘一より仕事量有ったぜ」


 真偽を確かめるべく間中教諭を見ると、嘆かわしいことに彼は首肯した。


「ああ、大崎は頑張ってたぞ。……にしては、あまり疲れてないようだが」

「これでも、体力には少し自信があるんです」


 もはや少しどころじゃない気もする。


「部活には入ってるのか?」


 そういえば間中教諭は、読書交流部の顧問でありながら国体出場という経歴を買われ男子バスケットボール部の顧問も兼任しているのだ。


「いえ」

「それじゃあ、男バスに入ってみないか?」

「いえ、部活には入らない主義なんで」


 さすが裕也、揺るぎない即答だぜ。


「そうか。まあ無理強いはしない。……ところで北村、床は掃き掃除すらしてないから汚いと思うぞ」

「そうだった! もっと先に言ってくださいよ!」


 慌てて立ち上がり背中をはたく。段ボールの片づけで力尽きて、掃き掃除や雑巾がけなどは一切行えてないのだ。


「それじゃ、日も暮れたことだし続きは明日だな」

「くそ、今日中に終わんなかったか」


 休みも取らずぶっ続けで頑張ったが、それでも下校時間ギリギリであった。


「しかし、この本棚とかきれいにしたら使えそうだな。……ん?」


 部室に備え付けられていた本棚の耐久性を確かめるべく調べていると、壁との間に何か四角い紙みたいなものが落ちている事に気づいた。


「悪い裕也、ちょっと電気点けてくれ」

「ここ、点かないぜ」

「……あ、そう」


 電球の取り換えも急務なようだ。

 まあともかく、点かないというのならばしょうがない。恐る恐るその物体に手を伸ばす。


「……ん? 写真か?」


 ほこりと一緒に目的の物体をしっかり掴んだのを確認して手元に持ってくるが、暗すぎてよく見えない。


「紘一、なんだこれ?」

「写真だと思うが、暗くてよく見えないな。とりあえず廊下に出るか」


 写真についたほこりをはたきながら廊下に出て、裕也と間宮教諭と共にその写真を囲む。

 そこには、女生徒が五人横に並んで写っていた。それも、真ん中に移っているのはただの女生徒ではない。金髪に碧眼、そして日本離れした顔立ちの美少女。……外人さんか?


「……うちの学校に留学生なんていましたっけ?」

「毎年高二に、二・三人ほど一年間在籍しているぞ。だが、この生徒は見たことがないな」


 そういって首を捻る先生。金髪の美少女は母国へ帰り、他の生徒ももうこの学校を卒業してしまったのかもしれない。


「紘一、これ、この部室で撮ってないか?」

「ん? ……確かに、言われてみると棚の配置とかが一致してる気も」


 ということは、彼女らは元読書交流部員でありつまり僕の先輩という事か。……もうちょっと生まれが早かったらハーレムが築けたかもしれないと考えると、少し惜しい。よくみると、金髪の子以外も全員可愛いし。


「うん、まあそういうことならこちらで預かっておこう」


 結局、間中教諭が預かる形となった。他の先生方に聞いてみるそうだ。


「それじゃあ、明日も同じ時間にここ集合な」

「はい。ほら、裕也も返事しろって」

「……え? 俺も?」


 当然じゃないか。



* * *



 次の日。


「……雨か」

「……雨だな」

「……雨ね」


 来栖、裕也と共に教室の窓から外を見る。朝は雲の隙間から太陽を見ることができたりもしたのだが、午後になって雲行きが怪しくなり、そして放課後にはこのざまだ。

 右をちらりと見ると、そこには高一のアイドル来栖の姿。彼女が所属している女子バスケットボール部は今日部活が無いはずなのだが、なぜか帰ろうという素振りすらしない。


「来栖、帰らなくてもいいのか?」

「傘持ってきてなくてねー」


 ふむ、なら男らしく貸そうではないか。


「じゃあ貸すよ」


 すると、来栖は目に見えて動揺し始めた。心なしか顔も赤くなってる気がする。


「あ、い、いや、別にいいよ! それよりこ……じゃなくて北村君はどうするの!?」


 と、涙目で睨みつけられながら問いただされる。……なんか僕悪いことしたか?


「これから部室の清掃があってね。先生と裕也といっ」

「私もやるわ」

「へ?」


 今なんて?


「だから、私もやるわ」


 来栖ってこんな積極的だったっけ?


「い、いやありがたいんだけど、傘なら貸すって」

「じゃあ、さっそく行きましょう」


 僕の言葉を無視して、来栖は教室を出て行った。


「……なんだこれ」

「紘一、お前将来尻に敷かれるタイプだな」

「は?」


 いきなり不名誉な。


「……とにかく、僕達も行こうか」


 そういえば来栖って部室の場所分からないんじゃないだろうか。そんな疑惑を持ちながら教室を出ると、居心地が悪そうな来栖がいた。ああ、やっぱり。


「……行こう」

「……」


 今度こそ間違いなく、来栖の顔は赤く染まっていた。



* * *



「お? また一人増えたな」


 部室の前には、昨日と同じく間中先生が先に到着していた。


「来栖美月といいます。お願いします」


 ペコリと頭を下げる美月に、君が噂の……と呟く間中教諭。教師間でも有名なのだろうか。


「しかし北村、お前やるなぁ」


 そういって肘で僕をつつく、やはり子供っぽい間中教諭。うぜぇ。


「やめてくださいよ。傘忘れちゃったせいで暇らしくて、事情を話したら手伝ってくれたんです」


 ちょっと不審な点はあったが、この説明で間違っては無いはず。

 間中教諭はその説明に、そうかと特に興味も無かったかのような返答をした。だったら最初から聞かないでくれ。


「それじゃあ、始めるか。北村は窓ふき。俺と来栖は本棚とかのほこりを払うから大崎は床のごみを掃いてくれ」


 はーい、と少し間の抜けた返事をして、掃除は始まる。バケツに水をくみ、雑巾をそこに放り込んで浸らしてから絞る。それで窓をひと拭きすると、汚れがきれいさっぱりとれた。


「うん、気持ちいいな」


 ものがきれいになる快感に酔いしれる。案外、清掃員のバイトなんかは僕に合うのかもしれない。そんなことを考えながらひたすら窓をごしごしと吹いていると、来栖から声がかかった。


「そういえば、あれはどうなったの?」

「あれ?」

「健康診断の時の、使えなくなった教室事件のことだよ」


 ああ、そんなこともあったか。


「しかし、どうなったのなんて聞かれても。保健委員の来栖の方が色々と情報持ってるんじゃないか?」

「ううん、この間の女子の心電図検査の日にちを決める会議でなんでああなったのか質問したんだけど……『機材が壊れた』って言われたんだよね。当日には『機材は壊れてない』って言われたのにこう言われるって、怪しくない?」


 ふむ、なにか事情があって教師は事実を隠したいのか。それとも健康診断当日の時は焦って嘘を言ってしまったのか。


「ほら、無駄話してないで早く掃除終わらせろー」

「すいません」


 しかし、もし教師が事情を隠しているとするならば、逆にその謎を暴きたいのが人間の性ってもんだ。どうせ窓ふきしている途中に考えることも無いので、改めて事件――と呼ぶのもおこがましいほどの小さな謎だが――について考えを巡らせてみる。


 心電図検査は何故中止となったのか。これを言い換えると、なぜ教師たちは教室を封鎖したのか、ということになる。教師は事情を隠したいとすると教室内で何か事件が起きた、と考えるのが自然だが、来栖の先輩によると特に騒ぎはなかったという。

 そして重要な点が一つ。その事件は、教師達が生徒に話せないレベルのものだという事だ。少なくとも、教室内の窓が割れたとかそういう事故ではないとみていいだろう。


 うーん、分からないな。


「間中先生、この間女子の心電図検査やった教室って、今はもう封鎖されてませんか?」

「んー? ああ、健康診断の次の日から解放されてるぞ」


 ふむ、数日間部屋に人の出入りをさせないでおくという事をしない程度の事情があるのか。……やっぱりわかんねぇ。とりあえず当日から今日までの記憶をまとめてみる。

 元々は使えていたのに、なぜか急に使用不可になった教室。機材に異常は無し。女子は裸のため他の診断と合同ではできない。騒ぎは無かった。腹が痛くなる和田。報知されていた更衣室のビデオカメラ。教師の緊急会議。警察。手書き感あふれるポスター。


 待てよ。よくよく考えてみるとおかしい。……まさか。


「来栖、裕也」


 来栖は首をかしげながら、裕也は怪訝そうな顔で僕の方を振り向く。やばい、もしかしたら、


「……もしかしたら、謎が解けたかもしれない」


 少し得意げな顔で、僕は二人に言ってやった。間中教諭から放たれていた突き刺さる視線に結局気づかぬまま。



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