Lost World のはじまり(仮)
こんな感じで始まればいいな。
Lost World Online -失われた世界-
『今までにない感動と友情、そして戦い《バトル》を』
このネット上でのみの宣伝で多くのゲーマーは湧いた。
世界で2番目となるVRMMO。
βテストですら選べる種族が13種類、特別な武器や防具以外はほとんどの装備品が種族・スキルに関係なく使うことができ、そして生産系や戦闘系のスキルが200種類と多種多様な組み合わせは人々の想像力を駆り立て掲示板では『祭り』になった。
そして、βテストが終わり4ヵ月後。
『20XX年XX月XX日 Lost world -失われた世界- 正式サービス開始!!!』
この広告をわたしが見たのはほんとに偶然だった。久しぶりに新しい楽譜がほしくなってyahaa!で探しているときに広告欄に赤い文字で大きく書かれていた。
ゲームは廃人とまではいかないがやりこんでいるほうではあったが不思議とVRMMOには興味が湧かなかった。ゲーム内の知り合いも「コレはやる」と言っていたことが記憶に引っかかっただけだろう。気まぐれにHPにとび視聴用の動画を見た瞬間
わたしは魅了された。
小さい頃に見た青空
流れる雲が地平線の向こうへ消えていく空
時間で変化する空
漆黒の空に浮ぶ写真のような月と星
皮膚が弱く陽の下を歩くとすぐに水ぶくれのようになるこの体でも陽の下を歩ける!
その事実にわたしは歓喜し、すぐさま登録した。
それから数週間後、Lost worldのソフトとともにわたしの元へVR Bed-002-が届いた。
ヨウコソ Lost world -ウシナワレタセカイ- へ
シュゾクハオキマリデショウカ? Yes
アバターハオキマリデショウカ? yes
ガイブカラアバターヲインストールシマスカ? Yes
ガイブカラデータをヨミコミマシタ。
ヨミコミガカンリョウシマシタ。
デハ Lost world -ウシナワレタセカイ- をオタノシミクダサイ。
そしてわたしはログインホームの扉を開いた。