ひまわり
どうしたのあなた?
ひまわりに囲まれて
あたしに見せたいのね
葵はひたすら一樹の帰りを待っていた
今日で終わりひらひらの離婚届
別れるのか?
3年持たなかったなぁーー
一樹の会社の健康診断の結果表が一樹の荷物からひらひら舞い降りてきた
見てみると再検査のハンコが押されている
どこか?身体の具合が悪いのかしら?
心配になって荷物を解いて見てみる
白血病の本をみつける
あの人まさか?白血病?
この頃家にも帰って来ないし?
電話がかかってきた
急いでスマホに出る懐かしい声
「勝手を言ってすまないが離婚届は今から行く女性に渡して欲しい!もう会うこともないだろうさよなら!短い間だったけど幸せだったありがとう」電話を切ろうとするそれへ
「やだ!やだ!今切ったら死んでやる!」びっくりするぐらいの大声で言った
「相変わらずお子ちゃまだな!お前のこともう愛してないんだよ」
「嘘よ!あたし!愛されてる!あなたはあたしを愛してる」涙が溢れる
「泣くなよ!俺はお前に泣かれるのが一番嫌なんだよ!俺じゃお前を幸せにできないんだよ!」今まで聞いたこともなかったような辛そうな声だった!
「あたしの幸せはあなたと共に!ほんとのこと言ってよ!あたし離婚なんかしてあげないんだから!」涙が溢れる
「とにかくありがとう」またも電話は切られそうになるのへ
「おのれ!電話を切るのはあたしだ!」
「おのれ!が出たか?駄々っ子葵」昔から自分の意見が通らないと(おのれ)といってごり押しする悪い癖があった
「はっきり言ってよ!あたしのパパは香港マフィアだから殺されるよ!」嘘ばっかり父親はサラリーマンだ!
「わかったよ!女できた!」
「嘘が下手だね!あたしを愛してるのに女だと〜」
ピンポーンとドアのチャイムが鳴る
「切るなよ!自殺するからな!ママはヤクザの姉御なんだよ!」嘘ばっかり小学校の給食係だ!
「は〜い!今立て込んでて後にしてください!」インターホンに応える
混乱する頭の中で一冊の本が再び重くのしかかる(白血病……)
この人やっぱり白血病なんだ!右手に携帯左手にインターホン!
インターホンはしつこくまたかけてくる!
その隙にとばかりに一樹の電話は切れた
残された葵インターホンが憎らしく東京湾にでも沈めてやろうかと怒る
「なんやねん?」インターホンに出る
「一樹さんに頼まれて!書類取りに来ました」若い女の声
そういえば女性が来るっていってたよな
この女に全て聞き出そう!涙を拭ってドアを開ける
見知らぬ女!まさか一樹とーー
「はじめましてご主人と交際させていただいている立花弥生と申します!」と礼儀正しく頭を下げる
「はぁ?交際?とは?」
「まぁ、手っ取り早くいうといくとこまでいったというか?愛し合ってるのです」
きらりと葵の目が光る
「あたくし空手三段に合気道まで通づる武芸者!痛めつけるのは性に合いませぬ!にんにん」
女の顔色がみるみる変わった!
「人間正直でありたいもの!本当のことを教えて頂きましたら一千万ほど口座に振り込みます!お約束いたします!武芸者は嘘はつきません!それも命に関わることなのでしょう?あなたもこんな役を買って出るとは一樹の事お好きなのかしら?」余裕の微笑みこれだけ嘘八百上手いとは我ながら呆れる
「一千万ですか?本当ですね?あなたと一樹さんが別れたがっているのは一樹さんが病気だからだと聞かされてます!それ以上のことは知りません!あたしと一樹さんは指一本触れ合った仲じゃありません!お金の件よろしくお願いします
」立花弥生はドライな性格!ペラペラ知ってることを喋った
葵は突然、呻き声を発して倒れた!もうこの女から聞けることはない!そして
「あれ?あたしどうしてたの?ここはどこ?あなた誰?」葵はボケたふりをする
「奥様!しっかりなさってください!一千万がーーああーー」弥生が見たところ演技でもなさそうだ!脳の病か?仕方なく帰っていった!
一人になり考えた!あたしはまだ一樹の妻なのだ
会社に次の日に電話する居場所の病院もわかった
病院に行くべきか迷いなく行こうとしたがデリケートな問題だ!電話しよう!そうまずは電話だよねーー
着信拒否にされていた!怒ってるなーいいもんね!
作戦開始
「あのすいません!〇〇病院ですか?鈴木一樹の妹ですが兄は入院してますか?
「鈴木一樹さんなら入院なさってます。それ以上のことはお答えできません」
よし入院してるな!ある所に電話してある物を注文する
くしくも一樹の誕生日なのだ!
葵は何を送ったのだろう?
一樹が誕生日当日を迎える!一樹が目覚めると一面の大中小のひまわりの山!至るところひまわり山
(こんなことするバカは葵だけだな)
一樹は葵に電話する
「バカか?お前?お前みたいな泣き虫の寂しがり残して死ねるか」
「ひまわりが太陽ばかり見るようにみたいにあたしだけを見て!死なはずないよ!ひまわり見てよ!一樹のためだけに咲いてる。今日は一樹の誕生日だよ!今日からまた生まれるのよ」
「俺だって死にたくないよ!ありがとう」
葵が姿を現すひまわりの冠にひまわりのドレスを着ている
葵はひまわりの冠を一樹にかぶらす
「骨髄移植だってあるんだから一人だけ悲劇のヒーローみたいに死ぬな」
「愛してる葵」
「百年前から知ってるよ!あたしも愛してる戦おうよ勝つよ」
「あたぼーよ葵好きだ」抱きしめられる
咳払いが聞こえる
「ここは病院なのですがこの花はなんですか?」散々縛られる!しかし二人の顔には笑顔があった!入院患者の人にひまわりはお裾分けした!みなさん喜んでくれた
その後骨髄移植をして銀婚式を迎えた二人
ひまわりの花を飾ってお祝いした
死ぬまで別れないぞと2人
終わり