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ハベルの披露宴

前回は披露宴に行くよーってのと行ってる道中ですね

今回は中での話です!

よろしくお願いします!


 俺たちが入るやいなや遠くに居たシャックが駆け寄って来た。


「おーい!来たのかサルトォ!お、そこにいるのはアラム坊にダフネ嬢じゃねえか!おーきくなったなあハハハ!」


 遠くから黒くピシッとした服を着ているが全く似合わない体がごつごつした男がこちらに手を振りながら小走りしてきた。 どこからでもわかるほど声が大きく、少し怖い。


「シャック、結構豪勢にやるんだな」

 サルトが目を大きくしながら辺りを見回している。


「ダハハでかくて損ねえからなあ!お?そこにいるのはアラム坊にダフネ嬢じゃねえか!おおきくなったなあハハハ!」


 シャックはアラムとダフネの頭を撫でる。 首がぐわんぐわんと揺れていている。少し心配だ。


「お久しぶりですねシャックさん、変わらずお過ごしですか」


 アラムがシャックに頭を下げる。 周りの男がやっている仕草と同じ。


「おー!お前は相変わらずかたいなあ!周りはともかく俺の前ではいいっていつも言ってんのによ!」

「久しぶりねシャック!元気してた?私は元気よ!」


 ダフネが両手を上げながらシャックに走る。


 シャックもまた腰を下ろしてダフネと手を合わせる。


「おう元気にやってたぞー!この前だって、ギルドの依頼でこーんなでっけえタコやっつけたぐれえだからな!」


 シャックが腕で腕を伸ばして大きな丸を描く。


 アラムの顔が引きつっている。


「そ、それってクラーケンじゃ……」

「あー、そんなんだったか?まあいいか」


 ダフネの目が星のように輝く。


「相変わらずシャックは強いわね!」

「おうよ!俺にかかればあんなもん楽勝よ!だがそれは、おめえらのパパもそうなんだぜ?」

 アラムとダフネがサルトの方を向く。

 サルトはキョトンとした顔で━━━


「そんな話はいいだろシャック。ああ、そうそう、この後少しいいか?」

 サルトがこっそりカナンに目配せ。

 カナンも一瞬合わせる。


 その動作を見過ごさなかったアラム。


(これは…もしやお父様とお母様は気づいている?いやおそらくそれだけじゃない、あの場にいたタエも含めて話し合いを設けたはずだ。だが…もし違ったら巻き込む可能性もある。何よりここで話すのは得策ではないか……)


 アラムがダフネを見つめ━━━

(まあダフネは気づいてないか。まあ今はハベルの披露宴中だ。家に帰ってじっくり考えるとするか)


「なんだぁどうしたアラム?まーた何か考えてんのか?」

「いえ、この素晴らしい会場に驚いていただけです」

 ごまかすように言うが、少しぎこちない。


「お前も年相応なとこがあるんだなあはは!」

 アラムの空気を消し飛ばすような笑い声。

 俺の耳がキーンとなったのは言うまでもない。


「シャック、どうだ?空いてるか?」


 サルトの不安そうな顔をよそに━━━


「おう構わねえぜ!ただかわりといっちゃあなんだが、片付けも手伝ってくんねえか?一応ギルドに頼んじゃあいるが何人来れるかわかんねえからな」

「ああ、かまわない」

「おうありがとよ」


 シャックが高いところにつけられた時計を見つめる。


「お、そろそろお披露目の時間だ。外から向こう回って入るぞ」

「分かった、じゃあいこうか」

「「はい!」」「はーい」「あやー!」


━━━俺たちは一度外に出た。

 中の明るさとは反対に夜は暗く静まり返っていて、会場か漏れ出る声しか聞こえない。


「じゃあ、俺が段取り進めとくから、全員呼んだら入ってきてくれ」

「わかった」


 そういうと、シャックは扉を開け、会場の中に入る。


 外からでもシャックの声はよく聞こえる。


「ご歓談の中失礼致します。本日皆様をお呼びしたのは他でもありません!この地を治める、ストレア家に新たな宝が誕生したからです!」

シャックの声に続くよう、多くの拍手が聞こえる。

 大いに盛り上がっているようだ。


「なんか、緊張するわね」

 先ほどとは変わって、ダフネの顔に元気さがあまり見えない。


「ダフネ、変なことするんじゃないぞ」

「わ、分かってるわよお兄様」

 ダフネの元気が少し戻ったようなきがする。


「あいつ、顔は怖いのに礼儀作法はしっかりしてるんだよな……」

「お父様!シャックさんに失礼ですよ!」

「あ、ああ……ま、まあリラックスしていくぞ、多分もう少しだ」


 少しの沈黙が続いた後━━━


「では!お入り頂きましょう!ストレア家の皆様です!」

 

「お、きた!行くぞ!」

 サルトがドアを開き、俺たちは順番に入っていく。


 先程までは横に見ていた人たちを上から見下ろす光景は、また一味違って格別に感じた。


 俺らが入ると、先程の拍手がさらに大きくなる。


「おおー!あの子が!」

 ひときわ大きい声。


「あなた、声出したら恥ずかしいじゃないの」

 そんな声も聞こえる。


━━━シャックによる俺たちの説明の後、俺たちは降りて参加者たちと交流していた。


「ぜひ、うちの子をハベル様のお嫁に!」

 そのような言葉ばかり聞いて、家族でげっそりとしていた頃━━━

 

「サルト、元気にしてたか?」

 周りよりひとまわり老いた老夫婦。


「ああ、父さん」

「腕はなまっとらんか?どれ、今度わしが稽古でも━━━」

「お父さん!」

 右のおばさんが声を荒げる。 すごく強いというか。


「!!」

 おじさんの方の腰が引ける。


「け、稽古は……いいかな」

「さっきはごめんなさいね、グリオが変な声出してぇ」

 おばさんは手を顔に当てている。


「なんのこと?」

「いや、そのハベルちゃん?が出てくるなり、おおー!あの子が!とか言い出しちゃって、周りの方たちがこっち見ちゃってね」

「いやいいよ母さん」


 カナン以外がキョトンとしていると、俺らの横にいたシャックが口を開く。


「ああ知らねえのか。あの尻に敷かれてる方がサルトの父のグリオさん、敷いてる方が母のガベラさんな」

「な、なんて分かりやすい…さすがシャックさん……」

「だろ?ハハハ!」


 グリオがバツの悪い顔をして


「ま、間違ってないが……まあいいかの」


 そんなのをよそにガベラが━━━


「おおシャックじゃないか!元気にしてたかい?ほら、お父さんも挨拶して!」

「おうシャック、今度また稽古でm━━━」


 グリオの横から、グリオに対して弾き飛ばすような圧が飛ぶ。


「!!」


 それに腰が引けたのは、グリオだけでは無い。この場の我ら家族全員とシャックであった。


「ま、まあ俺は今度お願いしようかな!そんときにシャックもどうだ?な?」

 シャックがばをなだめ、サルトに振るが━━━


「お、俺は別に…」


 シャックがサルトに耳打ちする。


「(頼むよ…あの伝説の鬼人を助けると思って…な?)」

「(だ、だが俺はもう身を固めているし、狩りってったって町周辺しか……それに鬼人ったってただの俺の父さんだし…)」

「(そこをなんとかよ!この恩はどっかで返すから!な?)」


 2人はきょろきょろして━━━


「(お前がそこまで言うなら…わかったよ)」

「お、俺も頼むよ父さん」

「おう、今度うちに来い、待っとるぞ」


 笑顔こそ見えないものの、グリオがうれしそうなのは全員が理解していた。

 

「ったくお父さんったら、子供たちに気遣わせちゃって。あ!あら、私たちだけ長居しちゃったかしら!」

 そうガベラが振り向くと後ろの人たちが━━━


「ど、どうぞ!お、お構いなくぅへへへ…」

 おそらく先程の圧で肝を冷やしたのだろう。


「お父さんの稽古は置いといて、サルトちゃんもいつでも帰ってきていいのよ?」

「まあ近いうち、家族連れて帰らせてもらうよ」

「おう、待っとるぞ」


━━━━そんなこんなで長い長い披露宴も終わりを迎えて、会場で賑わいでいた場所も、寂しささえ覚えるほどに静寂の波が支配していた。


第6話もありがとうございます!

他の方々よりは更新頻度は遅いですが

こんなのでも楽しんでくれたらなと思う次第です!

感想とかご意見ご指摘マジでほしいです!

改稿しました!

もうちょいなんかできる気がします


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