熱なんか出すからー!
ということで短編版の続きを書いてみました。少しでも楽しんでいただけていれば幸いです。ここで最終回とさせていただきますが、最後までお付き合いよろしくお願い致します・:*+.\(( °ω° ))/.:+
「…はっ!」
アザレアは目を覚ます。
すっかりと熱も下がって、身体も軽い。
だがそのかわり。
「私のバカー!」
先日のクリザンテーモとのやりとりもしっかりバッチリ覚えていた。
「く、クリス様に気持ちを伝えちゃった…どうしよう…」
彼女は焦る。
だが実際のところ、焦ったって後の祭りである。
「うう…」
そこで、ドアがノックされる。
「あ、どうぞ」
「御機嫌よう、オレのアザレア」
「く、クリス様っ」
満面の笑みで悩みのタネが登場した。
「あのっあの、私っ」
「大丈夫。オレは君を愛しているよ。何も心配することはない」
「みぃっ…」
さらっと言ってのけるクリザンテーモにアザレアは変な声が出て眩暈がする。
そんなアザレアを優しく抱きしめて、クリザンテーモはさらに続ける。
「君がやっとオレを受け入れてくれて嬉しかった」
「ぅ…」
「愛してる。君はオレの最愛だ」
リュカに助けてと目線を送るが、リュカはにこりと微笑むだけだ。
「愛してる。どうかオレに、もう一度言葉をくれないか?」
「う、ぅぅ…」
「君の口から、君の言葉で聞かせてほしい」
「…あ、愛してる」
尻窄みになりつつもきちんと口にするアザレア。
そんなアザレアにクリザンテーモは最高の笑顔を浮かべる。
「どうして君はそんなにもオレの心を惹きつけるんだ」
「そんなの知りませんっ!こちらのセリフですっ」
アザレアの素直ではないが最高の言葉に、クリザンテーモはもちろん側に控えるリュカも目を見開いた。
「クリス様がっ…クリス様が私をこんな風にしたんですっ!責任を取ってください!」
「…っ、わかった。結婚して子供まで面倒を見る。約束する。生涯君だけを愛する」
「当たり前じゃないですか婚約者なんだから!」
それはもうカレンドゥラが言っていた第二妃がどうとかで、冷めた態度を取ったアザレアとは思えない。
「…主人、こっそり媚薬でも盛りました?」
「そんなわけないでしょ。殺されたいの?」
「おっかな…」
「それよりお返事っ」
「うん、あの…永遠の愛を誓うよ」
そのクリザンテーモの返事を聞いて満足げに笑うアザレア。
煩悩に負けそうになったクリザンテーモの頭を、リュカが思い切り引っ叩いた。
宗教系の家庭に引き取られて特別視されてる義兄に気を遣ってたら、なんか執着されていました
という連載小説を始めました。よろしければご覧ください!