4.王国について
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「修行ですか…?」
「そうだ!修行だ!最強魔法使いである私がつ
けてやるんだから光栄に思え!」
「…」
いやいやいや!飲み込めるわけ無いよね?!
「なんだ?嫌なのか?」
「嫌そうじゃなくて状況をうまく読み込めないんですよ」
「なんだよ〜そんなことかよ〜大丈夫だ!もうメニューは考え済みだ!」
「はや!」
「フブキには魔法の素質がむちゃくちゃある!むちゃくちゃどころじゃない!その気になれば私をも超えられるぞ!」
「そういえば、俺まだエルザの職業とか身分とか聞いてないんだけど」
これで王女とかだったらどうしよう…無礼でぶち殺されそう。
「私か?私はな王宮魔法使いであり私自身の別名は『魔法女帝』だ」
…え?今なんつった?魔法女帝だと…?エルザが…?
「おい今わたしに対して失礼なこと思ってるだろ」
「イヤイヤソンナコトナイデスヨ」
「全く、あからさますぎるだろ…この王国のことは知っているよな?」
「いえ…あんまりわかんないです…剣しか振ってこなかったもんで」
がちで何も知らんぞ、王国の名前ですら分からん
「はぁ、教えてやろう。まずこの国の名はドルトー王国だ。現国王はバスター・ドルトーウィックだ。」
すげぇ面白いくらいに初耳だ
「そして我々魔法使いの他にも、近衛騎士団という剣を使ったり槍を使ったりの部隊もあるな。その近衛騎士団の中でも圧倒的な実力を持っている者の名を人々は…」
「『剣聖』レン・ハイジストと言うんですよね!」
そのくらいのことは俺でも知ってる。剣を振るなら誰でも憧れる人だ!
「お…おぉそうか知ってたのか…では続きを話すぞ」
エルザによると魔法女帝というのは、魔法使い版の剣聖ポジションらしい。エルザがその座にいるのが納得いかんけど…
「まぁ信じられんのも分かるぞ、よく魔法女帝らしくないって義父に言われてるからな」
「エルザのお義父さんは、どこかの貴族様なの?」
「ん?私の義父か?辺境伯家だけど?」
「…え?」
「ん?聞こえなかったか?私の義父は、
サンドランク・ドボラールだぞ?」
「…ぇぇぇぇぇ!!!??」
「なんだ?ドボラールという名前で分からなかったのか?結構知られてると思ったんだけどなぁ」
「いやいやいや…名前知ってるけどたまたまだと想うじゃん…でもなんでそんな辺境伯様のお嬢様がこんなところに?ましてや魔法女帝でしょ?」
「いや〜それがなぁ、王国でのやることが暇すぎて抜け出してきて、気がついたらこんなところにいたんだよな。全く人生とは楽しいものだ」
「……」
いやいやいや…そんなこと無いだろ普通。中々いないぞ。暇だからって旅に出るの。この人普通にドジだな。
「いいか、フブキ。私に修行をつけてもらったら、君はこの国一の魔法使いになれる素質がある。私なんか有に超える可能性を君は秘めている。」
「んなこと言ったって…僕魔法やったこと無いし…剣もまともに振れないのにそんなことできるわけ…」
「逃げるのかい?またそうやって」
「…」
「君にどんな過去があるのかを私は全く知らん。だが、君のお父さんは君に努力をしてほしかったんだと想う、その証に君にその剣を託してくれたじゃないか。」
俺は腰の剣に手をやる。
「それは君の家に代々伝わる、陽刀『阿修羅』だ。私でも知っているくらいの名刀だ。それを追放する君に託しているんだぞ。これは外の世界を知り強くなって、私のもとに再び現れてみろ、という期待の現れなのではないかね?」
「…期待のし過ぎですよ…僕にこの剣を使えるような才能はないです…この陽刀も禊の品でしょう…」
「はぁ…フブキ、一度私を信じてみないか?」
「……」
ガサガサ…
「なんだ?!」
「落ち着けフブキ、来るぞ」
「グォォォォォォォ」
その時、巨大なオーガが目の前に現れた。
ご愛読ありがとうございます!頑張って増やしてみたぜ☆