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サイズが合っていないのは


サオリの言葉に、大同は心の中でガッツポーズをした。


「見える?」

「見えますよー。美人だもの」

「ひなたちゃんっていうの。似合いそうなものを10着、コーディネートして。バックとか小物も頼む」

「了解です。腕が鳴りますねえ」

「あとで、カメラマンも寄越すから、それまでにお願い」

「はーい、じゃあひなたちゃん、あなたも服見てくれるかな?」

「だ、だめです」


真面目な顔。

ん、という顔をしたサオリに向かって、ひなたは言った。


「……私、センスないから」


大同がひなたに目をやると、ひなたは視線を合わせまいと俯いた。自信の無さが表情に出ていて、途端に頼りなさげだ。

サムライの凛々しさが崩れ、それこそ歳相応な戸惑いの仕方に大同の胸が小さく鳴った。


「これも……この服も、お姉ちゃんので……」


ああ、それでサイズが合っていないのか、大同は納得したように頷いた。


「大丈夫だよ、一度選んでみて。ちゃんとプロがいるんだからおかしかったらその場で直してくれるだろ? 大丈夫」


すると隣に立っていたサオリが、両腕を腰に当てる。


「ひなたちゃん、任せてっ! おねーさんが、ちゃんとアドバイスするから!」


大同が、ぷっと吹き出して、サオリの肩にぽんと手を置き、腹を折って笑った。


「はは、オネーサン、頼みましたよ」

「だいどーさん、前から言ってるけど、ワタシまだ三十代『前半』なんで」


ひなたが、ふふっと笑った。


(はい、笑顔。いただきー)


心も軽くなるようだった。


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