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第六十九話「クエスト内容の確認」


いつもの職員さんから話を聞く応接室に行くかと思ったら、私達は五階にあるギルド長の執務室に案内された。

流石、王都のギルドだけあってテーブルなどの調度品も華美ではなく落ち着いた感じの高級品っぽい。まあ、そういった物に関しては、よく分からないけど。

部屋は結構広いんだけど、私達だけでも総勢十三人なので、ゆっくり寛げず皆立ったままで、ギルド長に対面していた。


「ここは初めての者もいるね。私がギルド長のマーカスだ。今回の依頼について大まかな情報は既に聞いていると思うが、改めて説明しておく」


ギルド長は六十くらいの初老の男性だが、その年齢とは思えないくらいガッシリとしていて現役の冒険者と言っても驚かない感じ。元々は冒険者やってた人なんだろう。


依頼については今更ではあるけど、東の森でゴブリンの調査だ。通常のゴブリンがいるだけなら問題ないが、ダンジョン産ゴブリンが大発生している可能性もある。見た目では判断が出来ない為、ある程度は戦闘をして確めないといけない。

広い森を隈無く調査するには人数が足りないので、〈小鬼の迷宮〉を中心に四方向に分かれて大体徒歩二日程度までの範囲を探索して一度戻ってくる事となった。それまでに大きな集団が見付かれば二日と言わずに帰還する。

連絡用に魔道具とかあれば良いのだが、持ち運びが出来るような小型のものは現存していないらしい。領地間で使っているのは四畳半くらいを占めるくらい大きいサイズで、お高いらしくクロフォード家(実家)にあるあれは国からの貸出しなんだそうだ。普通の通話は出来なくとも簡単に通信があれば光るだけくらいのでいいからあると良いんだけどなー、誰か作って欲しいものだ。


 先刻一応自己紹介のようなものはしたが、改めて。

 〈紅蓮花>は今回唯一の銀ランク。リーダーのグレンさんとセドリックさんは近接、カンナさんがサポートの神官というPT。〈小鬼の迷宮〉をメインに活動している謂わばゴブリンのエキスパートであるため、今回の纏め役みたいな感じだね。迷宮の踏破は三十階層を越えているので、チャンピオン種が出たとしても問題ないだろう。


 〈叢雲〉は男性二人……ウルガさん、グルーニさんの剣士コンビ。どちらも三十代。冒険者というよりは傭兵っぽい感じの強面。基本的には討伐系の依頼を中心に受けているようで、戦闘面では問題無さそうかな?


 問題は〈竜滅の剣〉の三人か。自信過剰気味な良いとこのお坊ちゃんタイプのフリオ・ドライフと、取り巻きのカーシャとデボラ。フリオは剣士でカーシャは魔法系、デボラは斥候系の短剣使いのようだ。先の通り性格はあまり良くなさそうだけど、ここに呼ばれてるのでそれなりに実力はあるんだとは……思いたい。


そして私達五人。アーク達もチャンピオン辺りは大丈夫だと思う……フラグになったりしないよね?


「出発は明日の朝。まず〈小鬼の迷宮〉に全員で向かってもらう。準備を整え、明日に備えておいてくれたまえ」


大まかな地図で各PTの探索範囲を確認して解散。

私達はダンジョンからそのまま北上する感じで、蚕エリア近辺に向かう。新しい入口は元々の入口から東に数時間ほど行った辺りで〈紅蓮花〉が東側担当で一緒に確認、南側は〈叢雲〉、南東を〈竜滅の剣〉が担当する。


今日の所は、森で夜営となるのでその準備をしとかないとね。主に食材とかだけど。


「それにしても、あのPTは好きになれそうにはないですわ」


お昼がてら市場に向かい歩いていると、シャルちゃんがボソッと溢す。

まあ、意識高い系のチャラ男と取り巻きのお水系オネーちゃんって感じだしなぁ。ギルド長の手前、あの後は大人しくしていたけど。


「グレンさんの推薦じゃないとは思うけど、それならギルドの方だから実積はあるんだと思うけどねぇ」


ギルド長は叩き上げの冒険者っぽい感じだから、変な贔屓とかじゃないとは思う。ああ見えて戦闘面に関しては手練れなのかも?

……と、思っておこう。


「まあ、あまり品が良いとはいえないですね。ドライフと言えば確か近衛騎士団の隊長の一人だったと思いますから、そのご子息ですかね」

「軍閥系貴族かー。ああいう手合いって多いのかな?」


流石アーク、王都の貴族にも詳しいね。ミシェル家は文官だそうだし、仲が良くないとかいうパターン?


「そんな事はありませんよ。基本的にこの国は他国との関係が希薄なせいもあって、軍部の力は強くありませんから。ただ……まあ、貴族の中には苦労せずに育った方もいますから……」


 成程。庶民にとっては身分差というのは絶対かというと、この国に関しては殆ど無い。前世の話みたいに通行の邪魔をしただけで斬られるなんてのは有り得ない。

 後継者の問題もあって基本的には子沢山で「もしも」に備えるのだが、その分成人後に家を出る者が多いためそこら辺を歩けば貴族の〇男なんてのは結構いたりする。アークなんかもその類で、一応婚約者はいるが、どちらも後継者ではないので市井での暮らしをするつもりのようだ。今は冒険者として一人前になるのを目指しているみたいだけどね。

 あのフリオも冒険者をしてるならアークと同じ感じだと思うんだけど、お金持ちのボンボンがえらそーなのとかって前世でもあったしなー、そういう感じなのか。


 「とりあえず合同とは言っても森では別行動だし、無視しとけばいーんじゃね?」

 「そーねぇ。あんなのは忘れて、とりあえずご飯!屋台のご飯ってどれも美味しそうで迷うんだよねぇ~。何にしようかなぁー」


 ユースとシシリーは既に切り替えているようだ。

 うん、それがいいね。あんなの気にしなーい。


 私達は、まずは屋台に突撃!思い思いに好きな物を買い昼食を済ました。私は甘辛い牛肉を挟んだものと、小エビと玉葱なんかのかき揚げのライスバーガーを頂きました。うん、B級グルメ的で良き。


 その後は食材とかの買い出し。夕方までは時間があったので、調べものの続きでもとも思ったけど移動時間も考えると中途半端になりそうなので、宿に戻り、今日はゆっくりする事にした。

 それにしても、ゴブリンかー、ほんっと何事もなければいいんだけど、こういう感って悪い方は当たるんだよね。



お読み下さりありがとうございます。

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