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第五十九話「異世界ご飯旅~カトレアさんがご飯を作って食べるだけ~」


翌日はギルドに行って依頼の確認と念のために屋台でお手軽に食べれる物を購入しておく。

依頼はゴブリン、ファングウルフの討伐くらい。危険度1と2だし大したお金にはならないけど、ポイントにはなるしね。銀ランクを目指す‥‥のは正直どっちでも良いんだけど、なって損もないので、地味に貯めれたら良いかなーと思います。

あと採集依頼にタンジーとマロウ採集。東の森で採れるらしい。タンジーは黄色いボタンのような花で防腐剤や虫除けになる。マロウは葵の花にそっくりで乾燥させてお茶にします。そのままでも食べれるエディブルフラワーなのでサラダの彩りにも良い。


そして当日の朝。

森までは王都から少し北に行ってから、そのまま東に伸びる道に入るルート。

お昼を挟んで、夕暮れ前には森の畔に到着。うん、道中は特に何もなし。ホーンラビットとかは見掛けたけど、私達が狩る事もないだろう。───お肉は別としてだけど。あれはあれで美味しいのだ。


お昼は簡単に炙ったソーセージ、胡瓜、レタス、トマトをバゲットに挟んでホットドッグにしたので、夕食はしっかり作るかなー。


「シャルちゃんは、とりあえずご飯炊いてもらえるかな?明日もあるから多目で」

「了解ですわ」


三人組‥‥‥そういや髪の色がシシリーが赤、ユースは青、アークは金で信号みたいね‥‥にテント設営なんかをお委せして、私は竃を作って、シャルちゃんにはご飯を炊いて貰う。


今日はから揚げのアレンジに挑戦。

鶏胸肉をぶつ切りにして、にんにく、生姜、酒、醤油で下味をつける。

それから温泉卵をサクッと作る。沸騰したお湯に水を足して玉子を入れ、後は十五分程放置。

この間にタレを作ります。コチュジャン、醤油、砂糖、酒にお水を入れて、砂糖が溶けるくらいにフライパンで温めておく。


「シャルちゃん待ってる間に、冷や奴をお願いー」


炊けるのを待つだけになったシャルちゃんに、お豆腐と薬味を《空間収納》から出して渡す。


そしたら、鶏肉に片栗粉をまぶして揚げ、フライパンのタレに絡めて少し煮る。


とりあえず、こっちはこんな感じで、副菜にゴーヤチャンプルー!

まあ、こっちはゴーヤと豚肉を出汁を入れて蒸し焼きにして、先に焼いたお豆腐、溶き卵を入れてお醤油で味付け位だけど。


ご飯が炊けたら、丼に盛って、千切りキャベツと鶏肉、温泉卵をトッピング、最後にマヨネーズで完成!


本日のメニューは、こってりピリ辛から揚げ丼とゴーヤチャンプルー風、冷や奴です。

うん、から揚げはアレンジ&リメイクで色々作れるから今度はいっぱい作ってストックしておこう。


「「「「「いただきまーす!」」」」」


「ちょっと辛めですけど、マヨネーズで美味しく頂けますわね」

「辛うまっ!」

「こーいうのは暑くても食欲出るよね」

「チャンプルーと冷や奴も合間に食べると、止まらなくなりそうです」


ピリ辛タレが食欲をそそるから揚げ丼、美味しいよね。今日は明日から森に入るし温泉卵とマヨネーズでボリュームも満点!

チャンプルーは、沖縄県民にはそれ違うとか言われるかもだけど、今日は簡単レシピですので!

冷や奴は葱と大葉とミョウガでさっぱりお口直し。そしてから揚げに戻るエンドレス。

うん、美味しい。


夜はアークが結界を張ってくれて、人数的に一人ずつ見張りに着く事に。シャルちゃん、シシリー、アーク、ユース、最後に私。


朝は、昨日のご飯でカニ卵雑炊。時間のある朝番なのでお昼の分にサンドイッチを作り置きもしておいた。卵サンドとツナマヨ、ハムとチーズとレタス。うむ、王道は正義ね!



二日目も順調に進み、そろそろ蚕の生息圏らしい所まで着きました。途中、ファングウルフ四頭の群れに会ったけど、私は《挑発》くらいで、信号三人組がサクッと討伐。おお、成長してるなぁ。もうこのくらいの相手なら問題ないね。


で、夜のご飯は─────と、何事も無さすぎて、ご飯日記になってしまいそうだ。

異世界グルメ旅とかにしとけば良かったって?いや、これくらいでグルメ言ったら本職さんに怒られますよね?


とりあえず、夕食は豚肉の冷しゃぶと、茄子とミョウガのお味噌汁、胡瓜と春雨のサラダでした。



「さて、ここからが本番だよ」


三日目。

朝食はバゲットとスパニッシュオムレツとレタスとトマトとパプリカのサラダです。一応。


私達は慎重に森を進む。

繭採集の時期は一斉に繭になるので危険は少ないが、今は少し早いので気の早い個体が繭を作っているだけだろうから、出来るだけ刺激しないように。

基本的に益虫なので討伐はしないようにという事だし、そっと繭を採集して帰るのがベストだ。

普段は大人しいので怒らせなければ問題ないのだが、そこは危険度4の魔物。糸を吹き掛け動きを止め、強烈な体当たりをしてくるそうだ。

繭になってしまえば、茹でて終わりなので怖くはないんだけど‥‥‥。


そうして緊張しながら数時間程進むと───いた。


ちょっとした広場に、お蚕様がわらわらと集まっている。これだけいると、ちょっと気持ち悪い。こんなに密集するものなのか。日向ぼっこでもしているのか、特に動きはない。

繭は───見える範囲内には無さそうかな。


「もうちょっと進んでみましょう」


そろりそろりと、蚕の群れを避けながら奥に行くと、先程よりも一周りも二周りも大きな蚕が樹に取り付き葉っぱを食べているのを発見する。


「あれ、なんか違ったのがいるね‥‥」

「随分大きさが違うな、もしかすると変異個体か?」

「いや、あれはロードです!グラスシルクウォームの上位種‥‥‥危険度は5。そして‥‥」


アークは知っているようで、強張った声で言いかけるが、そこで大きな蚕は私達に気が付いたようで、ぼてっと地面に落下。


「GIIIII!」


金属音のような声を上げ、それに反応した他の蚕が集まってくる。


「ロードは好戦的で、仲間を呼び襲ってきます」


先程の広場にも声は届いたのか、集まってきた蚕の数は、およそ60‥‥‥‥‥!

お読み下さりありがとうございますm(_ _)m

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